鋭利な刃物 (Gene Novels Spell.e.s.series)

著者 : 西条公威

• イー・コネクション (2002年10月1日発売)

感想・レビュー・書評

[沙粧 瑛さんの感想 · 2012年1月12日]

やはり、BL枠には収まりきらない作品です。
全作よりもっとダークになってるし、血が流れてます。
闇に魅入られ、闇に捕らわれたエスが
非常に脆く危うい精神状態になるさまは、圧巻で
「さすが、西条センセー！」と拍手喝采。
命まで落としかねないエスを見守る周りの人たち・・・
エスは、みんなに愛されてると感じました。
救いがないようで、目に見えない救いがあるような・・・
薄氷の上を歩くエスは結局、愛されてる。
だけど、本人は気づいてるのに気づていない・・・。
アートシネマチックな話でした。
受け付けない人には絶対ムリかもしれないので、
闇雲におすすめするような作品ではないと思います。
それを覚悟の上で読まれるなら、がんばってください。
私個人としては、非常に好きなジャンルで世界観です。

[ユキノさんの感想 · 2007年1月3日]

　お互いを、どういう理由であれ必要としているのです。殺伐として乾いてる感じとでもいいますか、血がにじんでいる感じの痛い話。言うまでも無くグロかったりしますが、そこにも愛があってたまりませんでしたね。今一番手に入れたい書。