- Amazon.co.jp ・本 (546ページ)
- / ISBN・EAN: 9784434065620
感想・レビュー・書評
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自らの作品解説、独立した解説部分を含め全体として、単なるアンソロジーではない一つのまとまりを持った作品となっている。時間が許せば、最初から順に読んでいくのが良いだろう。
色々な作品の書き方がされていて興味深い。
「世にも奇妙」系?が多く楽しいが、それゆえか読後感が軽目。かつ各々結構分量があるせいで切れ味が薄まっている。
個人的には『ひそやかな笑い声』『マンボー・ジャンボー』『慰霊所』がよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
以前にアンソロジーで見かけた「オレンジは苦悩、青は狂気」(確か当時はそんな訳題だったと思う)がものすごく印象的だった。でもデイヴィッド・マレルという人は「ランボー」の原作者と紹介されるので全然アンテナにひっかかって来なかったのだけど、ついこの間、この人が「オレンジは〜」の作者だとようやく気づき、中・短編集が出ていることを知って図書館で予約した。
うーん、やはり何といっても「苦悩のオレンジ〜(邦訳改題ね)」が圧巻。ファンタジー・ホラー好きには至福と言っていい一篇でしょう、これは。ほかも、ややクラシカルな趣のホラーが主で、アイディアもいいし、読ませてくれる。ホラー作家なら誰でも思いつきそうな美味しいアイディアを、どれもきちんとエンタテイメントとして仕上げている感じ。 ただ、主人公は(おじさんが多いのだけど、)作者を映しているのか、ちょっと感情移入しにくいキャラが多くて、その辺りが一般にブレイクしなかった理由なのかなーと思ったり。 -
いっや、面白かった、最高(自分比)。ダークファンタジー、ホラー、ミステリーの短編を自ら編纂。昔の、昭和の濃いドラマみたいに濃厚に、こちらが見たい読みたい物がきちんと書かれている。現実に今生きている人間を襲う恐怖の数々で、ちょっと恐ろしい世界がファンタジーって感じで、こういうのが常々読みたかったのよ。「贖罪」→何だか気持ち悪いよどんだ集落があり、そこに住む人々は人間の顔を持っていなかった。飛び出る人間の心の汚さ。現実に密着した紙切れ1枚程度の距離に隠されている悪意。も、そういうの大好物だわ。ラブ。
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ひさびさに読んだホラー。一気に読めた。