復興の創造―9/11からのニューヨークの価値観とアプローチ

著者 : デヴィット・マメン 林春男

• 富士技術出版 (2012年7月1日発売)

感想・レビュー・書評

[sotaさんの感想 · 2018年7月25日]

豪雨をきっかけに311と911を振り返る。本作は311をきっかけに911からの10年間を振り返ったものなので、情報としてはすでに6年前のものなので、復興はもっと進んでいる。
前代未聞のテロに対して、前例のない復興が始まるが、利害関係者が多く、様々な利権への思惑があり、裁判や法律が邪魔をして、さらにはリーマンショックが起きて、際限なく健康被害が増え、、、ビジョンが遠ざかり、本質的なものが失われて行く様がよく描かれている。
志は素晴らしいのに、悲しいかな。異なる多様な利害関係者の調整に時間がかかってしまい、大事なものが失われてしまう。時間だ。
かと言って、どこかの国みたいに独裁的な判断は決して行ってはならないので、その難しさがよく分かる作品。
終わりのない被害と復興に際し、いかに時間が大切か、よく学ぶ必要がある。