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- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784469233124
作品紹介・あらすじ
西暦一九〇〇年、北京東交民巷。押し寄せる義和団の襲撃を逃れ、公使館区に避難した人々は、二か月にわたる孤立無援の篭城戦を強いられることになる。そのなかに、若き日のフランス人東洋学者ペリオの姿もあった。かれは日々の出来事を小さな手帳に書きとどめていた。知られざるペリオの日誌を手がかりに、いま明かされる「北京の五十五日」の真実。
感想・レビュー・書評
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義和団事件の背景には阿片が蔓延し、搾取された阿片戦争後の中国の苦しみがある。阿片戦争はイギリスの不道徳を物語る歴史である。イギリスは清国からの茶葉の輸入によって貿易赤字が拡大し、銀が流出した。代わりに依存性薬物で違法ドラッグの阿片を清国に販売した。
民衆の反発がエネルギーとなった動きとして太平天国の乱と比較される。太平天国の乱は清朝に対する反乱であり、独自の帝国を作ろうとした。これに対して義和団は扶清滅洋を掲げる排外主義であった。民族主義、反植民地主義、反帝国主義の視点から太平天国よりも義和団を評価する向きがある。しかし、義和団事件は反体制の反乱の太平天国の乱に比べると体制擁護の守旧的な動きであった。そのために体制に利用され、切り捨てられた愚かさがある。
西太后は義和団事件の黒幕に描かれることがある。これに対して西太后自身は後に強硬派ではなかったと述べている。しかし、それも後からの西太后の自己弁護の述懐という面がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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