- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784472302947
作品紹介・あらすじ
カバにはカバの文化がある。ぼくは、生きものそのものをわかりたかった。動物たちのそれぞれの生きかたを、その動物の「文化」と呼ぶことはできないだろうかと、ぼくは考えた。クラゲの文化とか単細胞の文化とか、カバ文化、ライオン文化、昆虫文化といった具合である。そう考えれば、人間の文化も何かをつくるというような話ではなく、人間はどう生きているかという話になってくる。動物にも植物にも虫にも、そして人間にもそれぞれの文化があり、生きるための戦略がある。動物行動学者が世界を巡り、出会った不思議、暮らしの風景、人と自然との関係-ナチュラル・ヒストリーの視点で綴るエッセイ集。
感想・レビュー・書評
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日本の動物行動学の草分け的存在で、京都大学名誉教授の日高敏隆先生のエッセイ集。
「ぼくの諸国漫遊博覧記」中「ヘルシンキのタヌキの服とフィンランド語」にフィンランドのタヌキの毛皮事情とホンドタヌキとシベリア(ビンエツ)タヌキの掛け合わせがうまくいっていないことについて書かれている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日高教授の異国体験記。
読んでいると、
どうやら彼は動物学者か昆虫学者かである様子。
だからといって専門的な話に偏ることなく、
彼の異国での体験や感じたことが素朴で味のある文章で描かれています。
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小難しいかと少し身構えて読み始めたものの、これがなかなか面白い。
話が数ページずつ区切られていて、さっくりと読みやすい構成です。
ただ、興味のあるなしで評価は少し分かれるかもしれません。 -
先日亡くなった動物行動学者の日高氏の世界各地のエッセイ。名文である。特に猫の行動に関する描写が好きだ