邪鬼の性

  • 淡交新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784473003706

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  • みうらじゅん氏の本で知った、ずいぶん昔の写真集。
    仏像の添え物、引き立て役的な悪役の邪鬼なので、それらをメインにした写真集が存在するとは思いませんでした。
    邪鬼好きの私が、読まない理由はありません。
    ワクワクしながら図書館で探しだした本は、かなり埃をかぶった、歴史を感じさせるものでした。

    それにしても、インパクトがあるタイトルです。
    性が(せい)なのか(さが)なのか、よくわからないまま読みました。
    文章は、解説というよりは、随筆、随想のような感想を前面に出しているもの。
    統計立てられているというには、客観的データが足りない印象を受けます。

    四天王像の足元で常に踏みつけられている邪鬼。
    そこからの目線で撮られた写真は、世の中を下から睨み上げているようで、非常に迫力があります。

    「アクロバチック」という表現が随所に見られます。
    確かに邪鬼の魅力は、しなやかで自由なポージング。
    あとがきに「調査も足りず、考察も不十分であるが、私なりの邪鬼論を大急ぎで書きつけたもの」とあり、この著者もまた、邪鬼に魅せられて、心の赴くまま、想像力を膨らませながら文章にしたためたものなのだろうと思いました。

    反面、鬼についての記述は非常に細かく、専門資料をひもといて綿密にまとめあげたことがうかがえます。
    日本各地の全邪鬼像を網羅している百科全書的なものかと思いましたが、そうではなく、京都・奈良の四天王像で有名な寺数点の像の紹介に留まっているのが残念。(すべて拝観済み)
    今後、この作品を踏まえてさらに一歩踏み込んだ、国内に存在する全邪鬼の情報をデータベース化した本が出てほしいものです。

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