幸之助論―「経営の神様」松下幸之助の物語

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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478003121

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  • 経営の神様 松下幸之助の一生から現代の私たちへの学びに通ずるものは何かを考えた本。「艱難汝を玉にす」は幸之助から産まれた言葉に感じるくらい、あらゆる困難を学びに変えて突き進む。青春は年齢ではなく心のもちよう。

    信念と情熱があれば何でもできる。そう思わせくれる素晴らしい一冊。

  • 課題図書。半日で読めました。

    マンデラとかぶるポイントが多かったです。謙虚であり、素直になりたいです。

    ■松下幸之助の在り方
    1,謙虚
     相手が誰であれ、常に何か学べるのではと期待しながら聞く。
    2,素直
     あるがままを直視する
    3,逆境や困難が成長させる
     経験から学ぶ力
    4,衆知
     社内外・周りの話をよく聞く
    5,楽観的にチャレンジ
    6,成熟とは矛盾も内包することであり、豊かになること


    ■自分の夢は崇高でなくて良い。
    やがて我々の夢、世代継承的夢にスパイラルアップしていく。
    まずは、本当にやりたいことを!

    ■組織開発
    意義・使命→責任と権限→理想とつながった高い目標、競争が進化を生む

    ■自分への問い
    ・逆境を支える自分の信念、理想は!?

    ・他人の協力なしには、自分の目標を達することができない。
     →渡部自身の夢がみんなに協力してもらわないとできないという夢であれば、周りに対し、配慮をもっとしようと思う。

    ・何を習慣化する!? 66回の反復する?
     タイムマネジメント?

    ※頭がちぎれるほど考えろ。

    ***************************

    ■三層をなす本書の主題 vii
    ・謙虚だったから広く共感を得たとも言える。
    ・全てを自らの責任と言って引き受ける努力家であった。

    仕事の世界、私生活の世界、心の世界(トラウマがあった)

    成功よりも苦難が人間を強くする

    ■経験から学ぶ
    ・経験と成長を通じて偉大な人物になる
    ・自分が大きく変わるような節目での学習

    ■私の夢は、崇高でなくて良い。
    ・人間の発達の道筋 私の夢→我々の夢→世代継承的夢

    ■商売
    ・顧客からどれだけ多くを学ぶか
    ・アフターサービスは売る前のサービスより重要
    ・顧客にとって利益となるような商品を売る
    ・紙一枚でも無駄にすれば価格は高くなる
    ・品切れであれば客に謝罪し、住所を伺い、すぐに商品を納入する

    ■他人が言う事には注意深く耳を傾ける
    ・他人を啓発することは自分も啓発されると信じ、他人を助けることは自分をも助けることだと信じた
    ・他人の協力なしには、自分の目標を達することができない。
     →渡部自身の夢がみんなに協力してもらわないとできないという夢であれば、周りに対し、配慮をもっとしようと思う。

    ・あなたがいなければ私たちは成功できないという印象を与えた
    ・青春は、冒険心。理想を失う時初めて老いる


    ■松下幸之助
    ・矛盾を内包。とうてい理解できないほどの信念から生じる感情が渦を巻いている
    ・自制心の備わったコンプレックスの塊であった
    ・全くの凡人だったが、成長することに対する途方も無い意欲がある
    ・一定の成功をしても、30-40代で失速しなかった。
    ・父親に対しての葛藤、
    ・独立心を養い、危険を恐れない気概を養っていった
    ・成功した起業家を見た。家の名誉を取り戻すための蓄財。→崇高な動機で無い。p64
    ・困難を乗り越えればより強く成長できるということを知っていた
    ・どんな仕事でも、他の人が嫌がる仕事でも行った。
    ・勤勉と競争心、質素倹約、顧客本位、強固な意志
    ・挑戦することを苦にしない
    ・成功は自分が正しい道を歩んでいるという証拠であり、失敗は人生で味わわなければならない不可避の試練であると受けとめていた
    ・人を勇気付ける雰囲気 人に自分より多く働くことを要求しない。暮らしぶりが他の従業員と大差ない。事業の成功に献身的であった
    ・ライト 試供品を配布して売れるようになっていった 短期間で失敗寸前から成功へと大きく振れた
    ・息子の死。裕福な実業家は不死身と思っていたがそうではなかった。 p104
    ・労働者は解雇しない

    ・必ずできるという確信をもって事にあたることも大切であり、困難を前にして思い煩って時間を無駄にしてはなりません。
     真に能力のあるものは困難に打ち負かされたりしないものです。

    ■会社の社会的使命 (宗教)
    ・企業のトップは過去を踏襲し往々にして自己中心的になり傲慢に陥る
    ・組織の拡大により指揮命令系統が曖昧になる。
    ・企業もまた宗教のような意義のある組織になれば、人々はもっと満たされ、もっと働くようになるのではないか。
     新使命宣言。水道哲学。
    ・大衆の手の届く製品を作ることで社会に役たつということが主である
    ・コーポレートバリュー

    ■事業部制の創設
    ・より大きな責任を与えることは各事業部の責任者が一人の実業家、起業家として成長するのに役立つ
    ・経営能力のある人材を育成する
    ・どんな仕事にせよ、自分が社長であると思って、自分自身の仕事に対して責任を負わなければならない
    ・労働者のエネルギーと集団の知恵
    ・優しさと厳しさで接する
    ・松下式は他者への信頼を前提にしている。(常に監視しない)

    ■戦後
    ・従業員の鼓舞
    ・積極的な海外視察

    ■謙虚
    ・傲慢が災いをもたらす
    ・いつも目を開けている人は道に迷うことはないし、いつも他人の言うことに耳を傾けている人も迷わない
    ・相手が誰であれ、いつも謙虚に何かを学べるのではないかと期待して人の話を聞いていれば、予想外の知識を得られるものです。
    ・松下の成功にとって重要なのは、素直な心と謙虚な態度以外に何ものでもない。

    ■競争こそが進歩をもたらす

    ■攻撃的な目標 5年で売上4倍
    無限の可能性
    できるはずのないアイデアに懸命に取り組んだ

    ■衆知(集団の知恵)
    社内だけではなく社外も。できるだけ多くの人の知恵を借りることが大事だ。
    多くの知識を集めるだけではなく、この新しいアイデアを実行する上で、他社の協力を得られるかどうかも訪ねてみなければならない。
    自分たちの利益という視点では問題を克服する力は限定的だが、衆知を利用すれば我々の使命を実現に導いてくれるはずである。
    例。トヨタの値下げ対応 p208

    決定は、多くの従業員の意見の元に下されるべき。
    多数決ではなく、決定の根拠であった。

    ■週休二日 生産性の向上

    ■利益率が上がらないということは社会に対する一種の犯罪行為と同然である。貴重な社会資本・人・資材を使っているにもかかわらず利益が出ないなら、他に向けるべきだ

    ■賃上げ
    ・賃上げを行い、それに見合うように効率的な経営に変えた。

    戦略的な思考と自分の意見をはっきりいう気構えを持つ。YESマンではなだめ。


    ■衆知を信じる幸之助(php哲学)
    人の意見をよく聞く習慣と便利な考えは借用する癖

    1,人間は根本的に善良で分別がある。(人を信じる)
     個人を信じ続けることで、奇跡を起こしてくれる
    2,人類は物質的にも精神的にも成長し進歩する力を発揮してきた(人は成長し、進化する)
    3,人類は選択する力を持っている
    4,世界が直面している課題に、資源を集中させる
    5,困難な問題には、素直な心と他人から学ぼうとする気持ちで立ち向かう

    ■素直な心 p235
    謙虚な心で人間の本質を研究したい
    素直は、開けっぴろげの素朴さと誠実であろうとする気持ちを意味する。
    素直な心とはとらわれない心、あたらな状況にうまく適応して行ける自由な心と言えるかもしれない。
    その都度物事をあるがままに見つめ、個人的な思い入れや偏見なしに率直に受け入れることができる
    素直な心を持っていない人は、物事の本質が見えない。
    現実を正直に直視せよ

    素直な心を持てば、どんなことからも、どんな逆境からも、どんな場所でも学べるものだ

    ■要点
    衆知、権限・責任・情報を与える、先入観を持たず従業員に物事を呑み方を教える。
    心構えのはっきりしているグループにはそれだけやる気が満ちている。
    謙虚で他人を尊重し、新しい経験をして勤勉で楽観的なリーダーは、良き模範になれる。
    学ぶ力

    ■成長
    極貧にあっても絶えず自分を鍛えようという意思がある限り、多くのことを成し遂げることができる。
    逆境を脅威と考えるのではなく、学ぶための機会と見なす。
    辛苦と失敗を通じて、人はより強く生まれ変わることができる。
    成功によっておごり、挑戦しなくなれば、成長は止まる。
    自分の行動を謙虚に誠実に見極めようとする意思こそが成長の根本である。

    ■信念とそれを支える理想。
    謙虚で素直な心があれば、人はどんな経験からも、どんな年齢でも学べる。
    人道的な大きな理想を抱けば成功も失敗も克服し、そのどちらからも学び、成長し続けることができると。

  • 松下幸之助の一生を第三者の視点から書いているので、松下幸之助のすごさを素直に受け止められます。この人はすごい。

    素直な心、謙虚な態度、顧客志向、不断の改革、社会を志向する使命、衆知…どれも今でも通じるはずなのに行き詰まり感はないか?本当にこうした理念を大事にできているか?考えずにはいられません。

    日本は豊かになったけど、世界には、幸之助さんが乗り越えてきたような家族の死や戦争と同じか、もっとしんどい思いをしている人がいるわけで、まだまだ彼の理想には程遠く、やるべきことは沢山あるはず。

    彼のようにいつまでも学び、いつまでも働いて人生全うしたいものです。

  • 松下電工(現:パナソニック)創業者である
    松下幸之助さんの生涯と経営論が綴られており、
    とても勉強になりました。

    驕ることなく謙虚に誠実に、そして優しく。
    それが出来る人と出来ない人で、
    爆発的な人気をもって一発屋の企業として終わるのか
    末永く人々に愛される企業であり続けるのかについて
    考えさせられました。

    例のストーブの事故があって、
    もう何年も経つのにこの時期になると
    未だにCMが流れる事、なんかちょっと
    意味がわかった気がします。

  • 有名なリーダーの生涯を追える
    天才ではなく、一歩づつ自分の道を進んでいく

  • 壮絶な人生を見て、到底同じ感覚にはなれない。
    一方で、どんなに大きな企業も最初は中小企業によるある悩みを抱えながら成長している事を見ることができる点が良い。

  • 経営の神様と言われた松下幸之助を外国人であるコッターが書いた本であることが興味深い。幾度の困難にぶち当たっても必ずできるという確信を持って事にあたり、素直な心で謙虚さを忘れない。この本からの学びは、謙虚であれば人はいつでも、いくつになっても学び成長し続けることが出来るということであった。
    以下、印象的な一文。
    「いつも目を開けている人は道に迷うことはないし、いつも他人の言うことに耳を傾けている人も迷わない」

  • 松下幸之助氏のことは、あまりよく知らなかったが、本当に胆力のある人なのだと思う。何度も読み返したい。

  • 『#幸之助論』

    ほぼ日書評 Day505

    既に古典の域に近づいている一冊かもしれないが、たいへんな良書。色々と有名なエピソードの多い松下幸之助を、リーダーシップ論で名高いJ.P.コッターが「伝記形式」で綴った一冊。

    あらためて「変革」というものを学んでみたいと思い、手にしてみた。

    松下電器の経営という観点では「晩年」にあたる1960年、トヨタから自動車向けラジオの納入価格を半年で15%下げる要求を受けた際、「この問題をトヨタからの理不尽な要求と考えてはなりません(…)我が国の主要輸出品は自動車で(…)日本車を手頃な価格で買えるよう(…」トヨタから要求があるまで、手をこまねいていてはだめなのです。こうした要求を予測し、それに合わせられるよう準備しておかなければならない」と言ったという。

    また、同じ年には5年以内に「日本で初めて週労働5日制を導入した会社」とすることを宣言し、その後の日本経済の弱含みにもかかわらず、目標実現の過程で大幅な生産性向上を実現、予定通りの5日制移行を実現した。

    続いては、賃金アップ5ヵ年計画だ。低賃金で安価な輸出品生産というそれまでの日本の成功モデルを否定し、抜本的な改革をおこなうことで、5年目の1972年に、松下従業員の賃金はアメリカのそれに並んだという。

    既に大きな成功を収め、普通は大きな冒険は避けたくなる頃だろうに、いずれも非常に高いレベルの目標をかかげ、その実現のために、現場や時として社外までをも巻き込んで、その知恵を結集するという、何ともスケールの大きな実行力を物語るエピソードである。

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  • 自伝かと思いきや、リーダー論である。
    特に印象的なのは、天理教に関心を示した幸之助の心情。経営も科学も宇宙も宗教に繋がることを、然もありなんと。


    p19
    青春とは人生のある期間ではなく、心の持ち方を言う。薔薇の面差し、紅の唇、しなやかな肢体ではなく、たくましい意志、ゆたかな想像力、炎える情熱をさす。青春とは人生の深い泉の清新さをいう。
    青春とは怯懦を退ける勇気、安易を振り捨てる冒険心を意味する。ときには、二十歳の青年よりも六十歳の人に青春がある。年を重ねただけで人は老いない。理想を失うとき初めて老いる。

    たとえ極貧にあっても、たえず自分を鍛えようという意思があるかぎり、多くのことを成し遂げることができる。逆境を脅威と考えるのではなく、学ぶための機会と見なす。辛苦と失敗を通じて、人はより強く生まれ変わることができる。成功によって驕り、挑戦しなくなれば、個人の成長は止まる。自分の行動を謙虚に誠実に見極めようとする意志こそが、成長の根本である。

    逆境は不安を高め、常に危機感を抱かせ、自己満足を遠ざけた。悲劇続きの人生は、自分は失敗を越えて生き残れる、だからリスクに挑むことができると彼に教えた。この一連の経験が途方もなく大きく複雑な感情ー苦痛、怒り、恥、屈辱などーを呼び起こし、それが強力なエネルギーの源となったなった。

    [幸之助の物語が教えるもの]
    変化する環境にあっては、生涯にわたって学び続ける姿勢が、知能指数や家庭環境やカリスマ性や学歴よりも、偉大な成功や抜群の業績につながる。
    生涯にわたって学び続ける姿勢は、謙虚さ、素直な心、リスクに挑む意志、人の意見を傾聴する能力、そして誠実な自省と深く結びついている。
    大きな理想主義的・人道主義的な目標と信念は事業での成功と矛盾するものではない。少なくとも急速に変化する状況にあっては、その目標と信念が成長を促す支えとなり、それによって業績をあげることもありうる。
    逆境は職業や人生を打ちのめすばかりでない。それなりの条件が整えば、苦難の時期は大きな理想と絶えざる成長を育み、偉大な業績達成に結びつくことがある。


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