CEOを育てる―常勝企業の経営者選抜育成プログラム

  • ダイヤモンド社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478005668

感想・レビュー・書評

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  • 仕事で必要になったので、ナナメ読み。
    堅いタイトルなので、あんまり期待していなかったけど、
    結構面白かった。しっかり読めば、もっと示唆が得られたかも。

    企業として、経営者(CEO)を育てるには、どうすればよいかを語った本(主に大企業向け)。
    ちょっと古い本で、古本でしか手に入らなかった割に、
    この本に書いてあることがきちんと実行できている(大)企業は少ないと思う。

    ざっとまとめると、
    ①環境分析
    ②経営者としての必要な資質の選定
    ③育成プラン
    ④配置・配属
    ⑤(上司からの)メンタリング
    ⑥モニタリング
    ⑦修正
    こんなサイクルだろうか(ナナメ読みなので、やや自信なし…)。
    こうやって文字におこしてみると、当たり前と言えば当たり前なんだけど、
    やっぱり難しいよね。。
    自分の配属が中長期的なキャリアプランに基づいて、
    決められていたようには思えないし。。
    (「そもそも、お前は経営者候補ではない」という突っ込みはあるかもしれませんが。。)

    人事部の役割は、「受託者(トラスティー)」だ、という著者の表現もなるほどと頷かされました。

    今なら、データと組み合わせて、もっと客観的に(とは言え、限度はあるけれど)、
    経営者候補を育てていける気がしますね。
    タレントマネジメントという言葉も数年前から言われてきていますが、
    結構ホットなトピックの本かもしれません。

  • ビジネスリーダーの素質とは、「人を見る眼」(周囲の人のエネルギーを活用する能力)と「ビジネス感覚」(そのビジネスにおける儲けの仕組みがわかる能力)である。それは経験で育てられるが、有無に関しては天性でもあるので早めに見出して、戦略的に人事異動させ経験を積ませる必要がある。


  • ・リーダー育成は、リーダーの重要な仕事として位置づけられている。リーダーには、相当のエネルギーと最低でも、実働時間の二割を当てることが求められる。
    ・自分以外のリーダーを発掘し、育成したリーダーには相応の報酬と評価が与えられる。
    ・リーダーの上司は、ビジネスセンスや対人スキルの具体的な側面など、そのリーダーがもっとも向上を必要とする資質について、定期的にコーチングを行っている
    ・リーダーが何を達成したかだけでなく、どんな状況でどのように達成したかを少なくとも一年に一回以上評価する
    ・個々の若手リーダーがどのように成長し、次にどんな即むを与えられるべきかについて、複数の上級リーダーが意見交換している。
    ・有望なリーダーには、前職よりはるかに難しく、場合によっては本人の専門能力からかなり外れた任務を与えている。
    ・育成中のリーダーには、ポストの空きを待つことなく、本人がそのいきに達し次第、あるいは達する見込みがたった時点で新たな職務を与えている。
    ・リーダー資質の評価内容は的確で、バランスがとれ、網羅されている。年次の業績査定とは別に行っている。
    ・収入、収益、キャッシュといったビジネス項目にかかわるプロセスと同じくらいリーダーシップ開発プロセスも一貫しており、厳密である。
    ・人事部門はあらゆるレベルのリーダーに対して、自分以外のリーダーを積極的に育成し、後継者計画を立てるように指導している。有望なリーダーの上司に、適材適所は一に役立つ情報を提供している。
    ◆ビジネスリーダーの素質=人を見る目(周囲の人のエネルギーを活用する能力=ビジョン、目標、タスクの各レベルでグループダイナミクスを発揮する力)×ビジネス感覚(そのビジネスにおける儲けの仕組みがわかる能力=損益に影響するる無数のファクターを、ゆがめられている情報をつなぎ合わせつつ、持続的に儲けキャッシュを生み出すという明確な目的を持ってトレードオフする
    ◆GEリーダーシップ選抜基準
    ・成功を顧客の支店で判断する外部思考
    ・戦略を具体的行動に落とし込み、決断し、優先順位を示すことのできる明晰な思考
    ・ひとやアイデアに対してリスクを負う勇気と想像力
    ・人間関係を築き、忠誠心と責任感を生み出してチームを活性化する包容力
    ・変化を引き起こす自身につながる深い専門性

  • 本書から私が理解したメッセージは以下の通りです。リーダー育成は全社的に取り組まなければならなくて、しかもリーダー個別にカスタマイズされた育成プログラムが必要、そしてメンターをつけるという意味で徒弟制度を採用すべきである、ということ。このメッセージについての感想。正直言えばあまり目新しさはなく、むしろその方向性が必要だと理解していてもやりきれないところに日本企業の課題があるのではないか、というものでした。

     その意味で本書ではGEやコルゲートなどの事例が盛り込まれているのですが、そこまでディーテイルに言及しているわけではないので、私からすると、「痒いところに手が届いていないなあ・・・」という印象を受けてしまいました。つまり日本企業の多くは本書で書かれているようなことは方針としては理解している、しかりやりきれない(社内政治やら他のことに注意がいってしまって)、というところでやりきる組織はそうでない組織と何が違うのか、という痒いところが知りたいのではないでしょうか。コルゲートはこんな仕組みを入れていますよ、と言われても、おそらく多くの日本企業は似た仕組みがすでにある。しかしその仕組みが機能しないところに日本企業の課題があるので、正直私は全編通じてあまり感銘を受けませんでした。

  • 10年以上前の本だが、今に通じるものが多くあった。特にCEOの計画的育成方法はためになった

  • 著者は企業経営者に対してCEO選抜や企業文化改革を提言する請負人。GEのクロトンビルでも教鞭を取っていた。
    強い企業にするためのCEO選抜手法として「徒弟制度」について説く。これは有能な候補者を若いうちから選抜し、色々なチャレンジングな仕事を課して経験を積み重ねてもらう。単に仕事を与えてほったらかしにされるのではなく、上司や上層部はその人材を関して常に時間をかけて議論し、効果的なフィードバックをして育て上げていくもの。新卒でヨーイドンで初めて、年齢が上がるたびに徐々にポジションが少なくなっていく日系企業の仕組とは異なる。
    字面を追うだけでは十分に内容が伝わらないかもしれないが、過去にそういう会社にいた自分としては納得する部分が多い。人事に関わる仕事をしている人には手にとってもらいたい書籍。

  • 企業における人材育成はCEOを育てるという意識の元行わなければならないことがよく分かる一冊。タレントマネジメントの具体的手法も記載されている。

  • アメリカの大企業ではCEOとしてふさわしい人材をどのようにピックアップして育てていくのかがわかる本。
    単なる人材育成ではなく組織戦略としての側面も多く書かれているので非常に参考になる。
    自分自身のキャリアを考える上でも大いに役立つ一冊。

  • 今までありがちだった多くの人を育てながら、その中からリーダーが育つのを待つと言うスタイルではなく、リーダーになれそうな人をいち早く見つけ、その人にリーダーとしての教育を行うと言う話です。徒弟制度が一番向いているということらしい。

  • 090319

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著者プロフィール

(Ram Charan)世界的に高名な経営アドバイザー。世界的大企業のCEO、取締役会、経営幹部らと40年以上にわたり協働してきた。過去40年間にわたり、世界中のトップ企業のCEO、取締役会、経営幹部と仕事をしてきた。

「2022年 『Talent/Strategy/Risk 人材・戦略・リスク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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