自分の答えのつくりかた―INDEPENDENT MIND
- ダイヤモンド社 (2009年5月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478006139
作品紹介・あらすじ
論理思考、情報収集、価値判断、決断と実行…どこで何を考え、どんなツールを使うのか。世間の常識に流されずに、考え抜き、行動する力が身につく。
感想・レビュー・書評
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あとがきを見て、ウオッと思いました。中高生向けの本の様ですが、私の心に優しく突き刺さる内容でした。
タイトルから想像して、借りたのとは、いい意味で違う内容で、私が今、直面している人間関係の悩みに関するアドバイスも与えてくれます。
赤い魚の国から緑の魚の国に留学するピンキーが主人公で、その留学の決定から、外国でたった一人での頑張り方も教えてくれます。
大人な方には、もう必要ないかもしれませんが、私みたいな未熟な人間にはとってもいい本でした。
帰国子女で、帰ってきて、母国のはずの日本になじめない方は読むといいと思います。
私も帰国子女で、日本人とのお付き合いの方が難しいと思ってきました。でも、それをそのままとしてきたので、未だに悩みが多いです。
この本を読んで、私が思っていた自己主張はただの我儘で、本の中に出てくるチェルシーちゃんに自分を重ね、恥ずかしく思いました。
この本の言う、自分の核をしっかり作りたいと思いました。
そして、最後に、ピンキーが皆の心を動かしたのは、彼が最初からもっている誠実さでした。
私も、自分を恥じる思いでいっぱいでしたが、誠実さという大切な要素を1つは持っていると信じているので、ここから、また頑張りたいと思います。
・結果は全部セットで、自分そのもの
調子が悪い時も自分。
私たちは2回試される。1回目はしっかり結果を出すか。次が成否にかかわらず、その結果をどういかすか。
失敗した場合は、目の前の厳しい事実をまっすぐ受け入れる。防衛本能を働かせて、逃げたらだめ。情報を純度高く仕入れて、そのまま受け入れる。
・優れた人との違い。
持って生まれた才能ではなく、生き方。
そして、落ち込むことがあっても、出直しと考えるのではなく、今あるものから積み上げる。
・良い点、悪い点リスト
物事には必ず、良い点と悪い点がある。最初に良い点を思いつくと、良い点ばかりが目につき、悪い点を思いつくと、悪い点ばかりに目が行ってしまうので注意。
ここに感情が加わると、何かをオーバーにしたり、他のよい点や悪い点に気づかなくなってしまうので、この習慣を乗り越える。
①選択肢を洗い出す
②その時点での情報や直感で、良い点、悪い点を書き出す
③1つずつが正しいか検討する。
A.本当か確認
B.度合いを調節。直感の「素晴らしい」が本当に「素晴らしい」で、実は普通ではないか?
C.他に良い点悪い点がないか
D.主体的に行動することで変更できる点はないか?
金銭的に厳しい条件をバイトで補うなど。
人生は自らの手で切り開いていくことが可能。
④選択肢を選ぶ。
・評価軸×評価シート
①選択肢を洗い出す
②具体的な評価軸を書き出す。
①選択肢「バイリンガルになる環境」→②「留学生のプログラムがある」、「同じ国からの留学生がいない」など落とし込む
③重要度を明確にする。高→低
④各選択を質の高い情報に基づいて評価する。
両方の選択肢について知っている人から聞くなど
決断は最終的に自分だが、決断を下すまでは色々な人の手を借りる。
⑤総合で判断
*判断を間違う理由
①選択肢のもれ ②評価軸が間違っている ③評価・情報が間違っている
・差を浮き彫りにする
差を感じないと、なかなか変わろうと思わない。
変われない場合の多くは、「変わるために何をしていいかわからない」ではなく、「そもそも本当に変わりたいと思っていない」
・プリズムを外す。
人から注意された時、防衛本能を働かせず、その言葉を受け入れて、前向きに吸収する。
「誰かが不快に思っている」事実を受け入れる。
・周りに合わせて、自分のスタンスを変えるのか
譲るもの、譲らないものを一つ一つ自分で決めていき、自分の憲法を書いていく。
・ピラミッド型
①こうだから、こうという理由づけをピラミッドの頂点に意見を置き、掘り下げていく。
②その一つ一つを、本当かつっこんでいく。
③自分と異なる意見や反対意見のピラミッドも考える。
④③に対して②をおこなう。
⇒自分の考えが深まるし、意見が変わることもある。
・意見に反対するとき
②単に違うと批判するのでなく、具体的にどこがどう違うか、なぜ違うかを指摘。そして代替案を提示。
①相手を感情的に否定しない。言う内容の否定で、人格を否定してはいけない。
・会話と議論は別
「本当にそうなの?」とか「なんで?」とかを持ち込まず、楽しむ。
・他人のピラミッドを書くことで、様々な立場から考え、物事を俯瞰して見れるようになる、共感力も高まる、人の気持ちの機微をかんじとり、痛みや喜びを共感できうようになる。すべてはつながっている。
・3軍から2軍にあがる。
ボーダーラインではだめ。監督などに、2軍では確実に活躍できる、1軍でももしかしたら通用するかもしれないと想像させるくらいで初めて上がれる。何かの機会を得るためには、何倍、何十倍もの力を身に付けないといけない。
・自分の知恵、経験、視野は限定されている。無意識にそれが偏見をつくる。
「自分は間違っているかもしれない」「気付いていない事、見えていない事があるかもしれない」「よりよい答えがあるかもしれない」と常に心と頭を開放し、問いかけ。
よりよい意見や答えがあれば、考えに固執せず、柔軟に意見を変えよう。
勝ち負けでない。
・傍観者から当事者へ
傍観者「これが嫌だ」→当事者「どうやったら、よくできるだろう」
主体的に想像し、考え向き、行動することを繰り返すと「現状を変えられる」という自信になり、前向きに生きれ、新たな道も切り開ける。
これこそが、主体性。
・返す
メンターやライバルにも何かを返す、
素直さや感謝の思いも返すものになる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【概要】
人生で度々訪れる「選択」をする時に感情や周りに流されることなく、事実を元に判断できるようになる、というプロセスを、ピンキーという少年がサッカー留学とその中で起こる事柄を通じて、物語仕立てで理解できる本。
どんな性格の人が自分の周りに居てくれたらいいか、気づかせてくれる。また自分の価値観、自分国の憲法を見つけることで、自分の軸をつくるのを勧めている。
【こんな人にオススメ】
ぶれる事の無い「自分」軸を作りたい人
物事を整理して、相手に伝えたい人
【心に残ったこと】
自立した考えを持つことは、協調性を失うという事ではない。また健全で前向きな批判的思考&それを意見することはこれから身につけたいと思った。
事実と解釈を取り違えないこと。また、手段と目的を区別することの大切さ。
人生には、下記の様な人が周りに居てくれると良い。(p.292)
不覚にも、最後の海亀さんのまとめとあとがきには、じーんときた。また著者も「彼ら(マッキンゼーの同僚)との埋まるかも分からない程の「遅れ」、教養と考え抜く力の両方の「遅れ」を取り戻す為に、社会人になってからは時間が許す限り、納得がいくまで必死に考え、この思考の基礎を身につけようとした。そして仕事に合間には、彼らとの圧倒的な教養の差を埋め合わせるために、少しは幅広い本を読むようになった」という文章に刺激を受け、心打たれました。
世界一優しい問題解決の授業も好きです。著者の愛が感じられる一冊。
主人公のピンキーが誠実で真っ直ぐでとても可愛い♡何度も読み直したくなる本です。 -
おそらく、中学生向けの自分自身の考えを構築するための手引書。
中学生だけでなく、大人が読んでも参考になる。ちょっとキャラがアレだけど、一読の価値あり。
「隣の人と比較して多少利口なオツムでもこころの伴わない者」はほとんど役立たずなだけでなく、多くの場合、だだの迷惑。
痛烈です(笑)
理路整然としていることだけでなく、思いやりにも重きを置いているこの本、どの世代の人にも強く勧めたい。
心と頭のバランスも大切にしたいですね。 -
自分の答えの作り方
自分の意見を持つことと、過度に自己主張すること混同してない?自分の意見を述べることは、協調性を損なう行為だと思っていないか?
素直と何でも鵜呑みにするのは別
自立した考えを持つ
健全で前向きな批判思考
理由や根拠を正確に理解する
ピラミッドストラクチャー
並列型 結論→理由は3つ
解説型 三段論法こうでこうだから、こうだ!
ツッコミが必要
本当?なぜなどのツッコミ
整理→ツッコミ→判断
議論の仕方
違うだけではなく、
具体的に何が違うか明らかにする
できれば代替案を出す
どんな意見にも良い点、悪い点があり整理できる
自分なりの価値観、美意識、道徳観をもって考え判断して、行動を起こし自分の言葉で語る
ひとりで戦う必要はないし、誰もはひとりで戦ってない。他の人が必要
事実と解釈を切り分ける
何でそう思うのか
どんな情報に基づいているのか
みんな、いつもはなるべく避ける
他にもないのか?
割合は?
意味合いは?高いの?低いの?
エピソードを疑う
写真、言葉や文章、エピソードの持つ感情を動かす力を悪用するケースがあ?
実際どれくらい起きているのか
どうすればベストか?
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問題解決の手法にとどまらず、分析と行動のバランスの重要性も学べる本です。問題とは何か、どのように分析してどのように自分の答えを作れば良いか、そしてどのように行動すれば良いか、について日頃から悩んでいるビジネスマンに最適の本だと思います。
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2010.12.27
Point
1。無理と言わずに一度、一歩踏み出して(チャレンジ)してみる。
2。自分の中の考え方を決める。
例。誇張せずに自分をアピールする。
3。環境を変えて自分の社会的地位を変えて自分の美意識、目的意識、価値観を磨く。
4。反論する時は代案を示す。
5。徹底的に考え抜く! -
クリティカルシンキングについて分かりやすく書いてある本。ピンキー(赤い魚の子)が留学する準備、実際留学してからあったこと、帰国後にばたばたしたことが物語になっていて、各章の最後にコラムとして振り返る部分がある。
お話なので読みやすい♪とか思ってたら途中の展開でショックを受けたやつ。ヘビーすぎるやろ…。後半のトゲトゲとのやりとりは(しょーもな…)と思ったので飛ばしたけどピンキーのスピーチで場が打って変わったのは爽快だった。
コラムでも読者に話しかけてくる書き方なのでそのタイミングで自分も考えることができるし、頭にスッと入ってきやすい。ページのわりにサクサク読める本なので、ふと自分の思考に蜘蛛の巣が張ってないだろうかと不安になったときに読み返すといい本だなと思った。 -
タイトルだけ見て、手に取った本。
中高生に向けた本である。
内容は自己啓発本ではあるけれども、中高生でも読めるようにフィクション物語なっている。
ちょっとぎょっとしたのは、時間が取れるなら流し読みをして7割位の理解にとどめ、残り3割相当の時間は自分の考えを捻出しようというもの。なかなか中高生のときにはこういう考えに至らないのではなかろうか。