作品紹介・あらすじ
論理の構造化、演繹法と帰納法、因果関係、仮説と検証…論理思考のベストセラー定番テキスト。演習問題・事例・解説を刷新。
感想・レビュー・書評
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グロービスMBAシリーズを初めて読みました。クリティカル・シンキングをこれまできちんと学ぼうと思って手が伸ばせなかったが、実践に迫られる中でようやく学ぶことができた。内容としては理解しやすく丁寧に書かれており、あたかも講義を聴いているかのようであった。批判的に吟味するという、うわべだけで捉えるのではなく、物事を深堀すること、So What、Why?、True?を繰り返すことにより本質をつき、相手に納得してもらえる説得力が身に付くのだと思えた。気持ちが熱いうちにコミュニケーション編も読み進めたいと思った。
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ロジカルシンキング系の本はいろいろあるが、この本は忙しいビジネスパーソンが短い時間で習得できるよう、シンプル且つ最適ボリュームで必要な知識を整理している。期待以上。
ピラミッドストラクチャー、帰納と演繹、現状把握・MECE、因果関係など、基本だが忘れがち、やっているつもりでも十分ではないテーマが、演習とともに解説されている。時々見直して、辞書的に使うことも可能。デスクに置いておきたい1冊である。
ただ、文字が小さいのが△。若い人なら問題ないだろうが。。。
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推薦されて読む
論理的思考の基本がまとめられていた。なぜなぜを繰り返して真因を追求するのは熱量さえあれば誰でも一定のレベルまではできそう。逆に複雑な因果関係を整理し可視化する能力は鍛えないとつかない能力で、他の人と差別化が図れるんかなと思う
問題を構造化する際にピラミッド型に分解するのは良いが、載っている解答例がなんかしっくりこないのは自分だけか
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学ぶべきことが多かった。
事象、論理を構造化して考えるアプローチは問題解決、より説得力をもって他人に伝えるためのスキル。
何のために考えるのかは常に念頭に置いて。
どんな項目を考えるのかをよく考えて。
なぜ?その意味は?本当に?を常に問い続ける。
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以前会社の研修でやっていたので、割と取っ付きやすかった。
1度で身につくものでないと思うので、教科書的な立ち位置で繰り返し演習を解いていく必要があると感じる
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知っている、わかる、できる
の間に大きな分断があるのがクリティカルシンキング。
多くのビジネスパーソンは当たり前のように知っているし、本を読んだり研修を受けたりして、出来る気になっている代表格がクリティカルシンキングだと思う。
私も改めて学んでみて、日々の業務で使いこなせていないことに愕然とした。
仕事が出来るなと思う上司はクリティカルシンキングの考え方で私の企画をレビューしてくれていることもよくわかった。
意識しなくても使えるように、日々活用したい。
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思考力を鍛えたい人には間違いなくお勧めの1冊である。
なぜなら、本書では、ビジネスで直面するであろうイシューに対する取り組み方が体系的に学べるからである。また、例(良い例と悪い例の両方)や演習問題も豊富で、自分自身で考えることによって理解を深めることも可能である。
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【本の情報】
グロービスMBAクリティカルシンキング
ロジカルシンキングをビジネスの文脈で纏めたものがクリティカルシンキング
6時間18分
【本を読む目的】
* 連休を利用して少し苦手な教科書的な本に挑戦
* さんからの課題図書
* さんのロジカルシンキング講座を受けてから、論理的な「人への伝え方」をマスターしたいと思うようになった。さんのプレゼンの元になっている本なので一度読んでみる。
【ネクストアクション】
* So What?/Why?/True?を問い続ける。
* 演習問題やりました。ここで掴んだ疑問の持ち方、陥りやすい罠を意識して上記行う。
* 結論から話す癖づけ
* 好循環と悪循環を探す。
* ISの仕事を分析
【内容】
クリティカルシンキングの3つの基本姿勢
1. 目的は何かを常に意識する
2. 自他に思考のクセがあることを前提に考える
3. 問い続ける
1. 目的は何かを常に意識する
* イシューをしっかりと抑えること
* イシュー:売り上げを伸ばすこと
* 例えばKPIが訪問件数だと、訪問件数に囚われた議論をしてしまいがち。もしかしたら単価の問題かもしれないし、製品の質の問題かもしれない。イシューが何かを常に意識する事が重要。
2. 自他に思考のクセがある
* 人は誰でも自分の前提を持っている。
* 例>A、B案があるのに上司はA案に固執する
* →もしかしたら過去にB案での失敗体験があるのかも?
3. 問い続ける★結論はこれでいいのか?
* 「So what?」だから何なの?
* 「why?」なぜ?
* 「true?」本当に?
問題の本質を考える
「不良品が最近多い」→なぜ?
* Aさん
* チェック漏れが多い→チェック体制を強化しよう
* Bさん
* チェック漏れが多い→チェック体制を強化しよう
* チェック担当者の能力が低下しているようだ→なぜ担当者の能力が下がっているのか
* チェックのノウハウが伝わっていないから→なぜチェックのノウハウが伝わっていないのか?
* 文書化されていないから矢じるし→なぜ文書化されていないのか?
* それまでは阿吽の呼吸で。キーパーソン2人が抜けてそれでは成り立たなくなった
* 2人に取材して、ノウハウの文書化を行おう
クリティカルシンキングの3つの方法論
1. イシューを踏まえた上で「考える枠組み」を考える
2. 正しく論理を展開すること
3. 構造とメカニズムを把握する
【第1部:思考をまとめメッセージを作る】
ビジネスにおいてある考えが論理的だと言えるには以下の3要素
1. イシューが正しく抑えられている
2. イシューに応えるべく問う論点(枠組み)がもれなく抑えられている
3. イシュー・問いに明確に答え、適切な根拠で支えられている
* 論理の構造のためにピラミッドストラクチャーの活用
1.イシューに正しく抑える
* イシューを見逃さないために
→このイシューに対する答えは?
* 新しい市場に参入すべきか?
* →回答は「参入するorしない」
* 何をイシューとするか?
* モチベーションの低い社員Aさん
1. どうすればAさんが頑張れるか?
2. どうすればAさんを上手く使い会社を発展させられるか?
2.枠組みを考える
* どんな枠組みで考えるか?
* 3C分析をするなど。
3.イシュー・問いに明確に答え、適切な根拠で支えられている
【ピラミッドストラクチャー】ここは図を検索してください。
論理的に考えるためのツール
* 文章やスライドなどにも生かせる
* 2つの注意ポイント
* 言葉の定義を明確にする
* 効率→「単位時間当たりの売り上げ」or「営業担当者1人当たりの売り上げ」
* キーワードだけで判断すると間違える
* 主部・述部をはっきりさせたフルセンテンスで考えれば間違えない
* 手と目を動かして何度も作りながら考える
* メインメッセージの下にキーメッセージを置く
* キーメッセージの設定の仕方(枠組みの設定の仕方)
* 仕事①/仕事②/注意、で分ける✖
* 仕事/背景/なぜ貴方に頼むのか?/注意。で分ける〇
* のようにこの分け方が正しいかを常に考える。
【第二章/論理展開】
相手の意見に矛盾を感じる
→✖すぐに正論で反論する
→〇相手はどういう背景でその話をしているのかを考える。
論理展開の基本的な2つのパターン
* 演繹法deducation
* 前提は〇〇である。観察事項は△△である。ならば✖✖である。
* 前提の〇〇が間違っていると結論も間違ったものが導かれる
* 帰納法inducaion
* 同じ事象を観察しても、知識がないと結論を導けない
* 人によって導ける結論を導ける
組み合わせ
* 帰納法
* 新車販売でハイブリッドカーの比率が増えている…観察①
* 無洗米の購入者が増えている…観察②
* リサイクルタイプのものが流行っている…観察③
* →「消費者は環境に配慮した商品を求めている」…結論=ルール
* 演繹法
* 消費者は環境に配慮した商品を求めている…ルール
* わが社の新商品は環境に配慮している…観察
* →わが社の新商品は売れるだろう…結論
【論理展開のチェックポイント】
演繹法の陥る罠
1. 誤った情報が紛れていると誤った結論が導かれる
2. 隠れた前提
* 少子化だから、老後に向けて蓄えないといけない
* →少子化で年金の積み立ての問題が前提に省略されている
* もしこの知識がない人が聞いたら、誤解を生む可能性がある
* ※演繹法では省略されるのが当たり前
3. 論理の飛躍
1. 省略されすぎて相手に伝わっていない
2. 省略された箇所の論理展開が誤っている
4. ルールとケースのミスマッチ
* 銀行は高利回りの運用が鍵である…ルール
* セブン銀行は新
* 興なので運用ノウハウがない…観察事項
* →セブン銀行は高収益を上げられない…結論
* セブン銀行はATMだけで運用がない。ルールと観察事項を誤った形で結び付けたもの
* 前章で出て来た「キーワード」による誤解もこれを引き起こす
* 強いリーダーシップを発揮するのがリーダシップ
* Aさんは年末の大掃除でリーダシップを発揮した
* Aさんはリーダーである
帰納法の罠
1. 軽率な一般化
* サンプリング数が少ないと判断ができない
* 「学校の英語教師は英語が喋れない」
* この人が知っている英語教師がたまたま喋れないだけ?
* 「英語が喋れない」とはどういう状態?
* クリティカルシンキングではこのような罠に陥ってしまうのはNG
2. 不適切なサンプリング
* 六本木の若者は〇〇と言っていた…事象①
* 渋谷のクラブにいた若者も〇〇と言っていた…事象②
* →若者は〇〇という意見を持っている…誤った結論
【社会人によくある論理展開の悪いクセ】
1. 言いきれない病
* 事象を並べるだけで結論を導き出そうとしない
* 失敗を恐れる
2. 一足飛び病
* ウチは顧客維持ができていない→リピート割引を充実させましょう!
* 間に論理の飛躍がある
* 他の可能性を指摘されると困ってしまう
3. 諦めが早い病
* 論理が緻密だとすぐにあきらめてしまう
第二部:状況を分析する
【分析の一歩目:現状を知る】
現状を知るための基本動作
1. 構成要素に分解する
2. 分析対象を多面的にとらえる
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1. 構成要素に分解する
* MECE:モレなく、ダブりなく
* ロジックツリーやマトリックスを利用しながらまとめるとMECEにかんがえやすい
* 注意点①全体をきちんと定義する
* 男性からの売上と女性の売上に分けた
* →法人からの売上があったためMECEでは無かった。
* 注意点②違う切り口で分けない
* 10代、20代、男性、女性のように混在させた分け方をしない
* MECEな分け方の例
* 年齢層、売上=数量×単価、プロセスで分けてAIDMA
2. 分析対象を多面的にとらえる
* 最近遅刻が増えて来た
* →部門別?遅刻時間別?交通手段別?
* どの分け方だと問題を解決できるのか、多面的にとらえる必要がある
※MECEだけでは意味がない:感度の良い切り口を探す
・製品に不良品が出ている
→A.B,C工場共に同じ程度不良品を出している…(何もアクションにつながらない)
→D社から仕入れた原料を使っている製品に不良品が集中…(次へのアクションいつながる)
これらの基本動作を行い、以下の4つの視点を持ちながら分析対象の特徴を掴んでいく
1. 全体の構成と、構成要素のばらつき具合を把握する
* 現状の方よりを把握する
* 1~5号店の中で1~2号店だけ売り上げが高い(ばらつき)
* 1~2号店は駐車場が広い
* →駐車場が広い店は売り上げが上がる?
2. インパクトの大きさを把握する
3. 比較して、差分を見つける
4. 法則性と特異点・変曲点を見つける
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考えるスタートはアウトプット
* ダメな例
* 売上が上がらない…(アウトプット)
* →商品が悪い、店員が悪い、広告が悪い…。…(インプットからの分析)
* アウトプットに影響を与えるインプットは複数あることが多いので、個別のインプットによった議論をしても本質的な解決につながらない場合が多い
* 良い例
* 売上が上がらない…(アウトプット)
* 売上=来店客数×購買率×客単価…(アウトプットからの分析)
* どこに問題があるのかを考えて適切なうち手を打てる
【第4章:因果関係】
因果関係と言えるためには
1. 時間的順序が正しいこと
2. 相関関係が存在すること
* 交番の数が多いほど、犯罪件数が多い
* 因果関係ではない
3. 第三因子が存在しないこと
* コーヒーショップが近くにある本屋ではビジネス書が売れる…(誤った因果関係)
* オフィスがある地域である(第三因子)
* だからコーヒーショップが多い
* だからビジネス書が売れる
因果関係を考えるステップ
1. 考えられる要因を具体的に洗い出す
2. 「Aの原因はB」→「Bの原因は何?」
3. 因果の要素をさらにつなげ、構造化することでその関係性や影響度を把握する
* 図を描いてみて構造を把握することで徹底的に考えることができる
にわとり-卵の因果関係
* 売上高と広告支出
* 好循環になれば良いが、悪循環にはまってしまう可能性もある
5回のなぜを繰り返す(トヨタ)
1. なぜ売り上げが伸びないのか?
* 営業が振るわなかったからだ
2. 営業が振るわなかったのは何故か?
* 商品が顧客ニーズに合致していなかった
3. なぜ?
* 顧客ニーズを正しく聞き出せていなかった
4. なぜ?
* 正しい担当者を訪問できていないから
5. なぜ?
* 顧客の意思決定権限を持つ部署が変わっていたからだ。
【因果関係で陥りがちな錯覚】
1. 直感による判断
* 学生時代にリーダー経験があると希望の会社に入社できる
* 感覚と自分の周りの少サンプルだけで判断するのは危険
2. 第3因子の見落とし
* 他者が市場に新規参入→売り上げが下がった…(誤った因果関係)
* 自社サービスの劣化…(第3因子)
* だから他者が参入
* だから売り上げが下がっている
3. 因果の取り違え
* 海外で長期勤務すると多様性を受け容れられるようになる
* 多様性を受け容れられるから、海外で長期勤務していた。
4. 最後の藁
* 荷を背負ったラクダが疲労困ぱい。最後に藁を乗せたらラクダが倒れた。これは藁が原因?
* 最後の事象だけを観察して因果関係を考えるとミスにつながる。
【目的と手段に関する錯覚】
1. 真の目的が共有されない
* 「私用でも構わないから、他部署の人とコミュニケーションを獲れ」
* →不適切なMTGの乱発につながった
* 目的がずれてしまい、手段だけが独り歩きする
2. 手段の目的化
* 「健康のために」ダイエット〇
* ダイエットのやりすぎで栄養失調✖
3. 予期せぬ副作用
* アルコール中毒の対策として禁酒法を施行
* →密輸で質の悪い酒が入ってきたことでさらに中毒者が増加
著者プロフィール
ビジネスの創造や社会の変革に挑戦する高い志を持ったリーダー輩出のために尽力。2022年2月時点で在校生・卒業生の累計は約1万人に達し、日本最大のビジネススクールへと成長しています。その他、関連事業として、 グロービス・コーポレイト・エデュケーション、グロービス出版、GLOBIS 学び放題、グロービス・キャピタル・パートナーズ(ベンチャー・キャピタル事業、 GLOBIS知見録、出版/電子出版事業 一般社団法人G1、一般財団法人KIBOWがある。
「2023年 『読めば3年後の未来に先回りができる 入社1年目からの「働き方」』 で使われていた紹介文から引用しています。」
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