日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478024379

作品紹介・あらすじ

恐れる必要はない、しかし、備える必要はある。たった3つの金融商品で「国家破産」は怖くない/経済的リスクを"奇跡"に変える。

感想・レビュー・書評

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  • 「リアルすぎて怖い」そんな近未来小説から物語がはじまります
    その最悪の状況(ミニ)を考え、その中で最善の行動(マックス)を提案しているのが今回の内容です

    「あとがき」には本書のメッセージが書かれています

    ①日本の財政がたとえ破綻に向かっているにしても、当分は金融資産は普通預金で持っていればいい。

    ②日本の財政が破綻したとしても、手近にある金融商品だけで資産のかなりの部分を守ることができる。

    ③たとえ「海外投資」をする必要があるとしても、ネット銀行の外貨預金でじゅうぶんだ。

    今回の作品も橘玲ワールドが満載で著者の言葉の使い方がたまらなく好きで文中で書かれている投資手法を真似することはなくとも関心ある中身です
    コラムではわかりづらい金融の話題も難しい言葉や難解な数式を用いない著者の解説は頭に入ってきます

    疑問点をいくつか・・・。
    文中では「国債ベアファンド」が登場していますが[長期的に減価していく仕組み]のリスクを書かれていますがもうひとつ[高コスト]という問題もあります
    右肩下がりのファンドを買い待ちするのはまったくおすすめ出来ません
    文中にもあるように宝くじを当てに行くようなものです

    もうひとつコラム9では世界市場に効率的に分散投資する方法として「上場MSCI世界株」を紹介していますが説明のところで
    『「上場MSCI世界株」は円建てで取引されていても、すべての資産が外国株で構成されています。』
    ・・・とありますが実際の「上場MSCI世界株」は投資対象の大半が現物株ではなく指数先物中心の運用を行なっています
    新たに登場するiシェアーズのETFがJDR(日本型預託証券)形式で東証に上場したのでそちらも大きな選択肢となりそうです
    つくづく金融商品は日進月歩なんだな・・・と思い知らせれます

  • 【知識として必要】
    日本が国家として破産することが、ありえなくもないような状態になってきたと感じます。知識として、知っておく必要のあることが書かれています。

    本書の中で株式等の「売り」から入る説明はすばらしいです。いままで「売り」から入るイメージがつかめていませんでしたが、すーと胃の中に入るような感じで理解できました!

    今、アベノミクスでインフレ策が講じられています。しかし、経済はどうしてもやり過ぎてしまいます。ちょうどいいところでは終わらないものです。
    株価も○○ショックが発生したら、必要以上に下がります。下がり過ぎます。それが買い時ではあるのですが。。。
    インフレもちょうどいいところでやめることができません。行き過ぎてしまいます。経済は基本的に効率的に動いているのですが、ときどき集団心理的な感情的な動きを見せます。不思議です。

    だからヘッジをしておく必要があるのですね。(←自分で納得)

  • 後半のくだりは過去に読んだ内容と同じような感じがしたが、前半部分のデフレになるから円高になっていくという他国との為替の関連がすごくよく分かった。
    金利と為替がよく分かる本だと思う。

  • これからの経済見通しを著者の考える3つのシナリオ(楽観、悲観、破滅)を想定し、日本の国家破綻に備えるための方法が記されている本。
    楽観、悲観シナリオでは預貯金が有効だとしています。
    財政破綻は国債暴落により金利上昇し、地価や株価の下落、住宅ローン破産、企業倒産、失業率の増加などが予想され、対策をすべきとの主張です。
    「日本の国家破産」については、随分前から沢山の著者が指摘していますが、それらの著書に現実的で具体的な対策が記されていることは少ないと思います。この本はタイトルのとおり「マニュアル」であり、分かりやすく書かれています。ただ、私が思うに、このような対策ではなく、外貨を生み出す何か(米国株や海外の収益不動産など)を手に入れるほうが良いと思います。簡単に出来るかどうかは別ですが。

  • 10年前に予想してたことの答え合わせの一つとして読むの当時の知識として大事かなと。
    こんなことになるとは、とか当時円高になってたなとか、世界って結構劇的に変わるんだなとか色々思うところがあるけれど、当時読んでたら結構参考にしてただろうなと思う。

  • 国家破産はこわくない 日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル 改訂版 2013/3/14

    日本の財政がたとえ破綻に向かっているとしても、当分は金融資産は 普通預金でもっていればいい
    2015年7月25日記述

    橘玲氏による著作。
    題名にあるように日本の財政破綻の混乱から自分の資産を守るには何をしたら良いのかを示している。

    ①日本の財政がたとえ破綻に向かっているとしても、当分は金融資産は普通預金でもっていればいい。

    ②日本の財政が破綻したとしても、手近にある金融商品だけで資産のかなりの部分を守ることが出来る。

    ③たとえ「海外投資」をする必要があるとしても、ネット銀行の外貨預金で十分だ。

    今、国と地方の借金が1000兆円を超えている。
    (2000年では500兆円ほどだった)
    今までの所、深刻な事態にまではなっていない。
    しかしこのまま永遠に国債を発行し続けることは出来ない。
    どこかの段階でこの体制は行き詰まらざる得ない。
    構造的な問題は現実化するのだ。

    本書ではアベノミクスの楽観、悲観、破滅(1~3)ごとに今後のシナリオを設けてそれぞれどうしておけば良いのかというと破滅シナリオの第一ステージまでは普通預金が最強の資産運用なのだという。

    財政破綻ときくと円が紙くずになりそうなイメージがある。しかし本書にあるようにある朝、目覚めたら日本円が紙くずになっていた、などということは絶対にない。
    あと地味に重要なのは変動金利での住宅ローンはしないということ。
    必ず固定金利でローンを組むことだ。

    第一ステージ:国債価格が下落、金利が上昇する。
    第二ステージ:円安とインフレが進行し、国家債務の膨張が止まらなくなる。
    破滅ステージ:日本政府が国債のデフォルトを宣告、IMFの傘下に入る。

    どう転ぶか分からない第一ステージでは、普通預金が最強の金融商品。
    第二ステージに入れば、以下の三つの対策。

    ●国債ベアファンド  (日本国債が下がると、利益を生まれる)
    ●外貨預金
    ●物価連動国債ファンド(インフレになるほど、価格が上がる)

    可能性は極めて低いが、「預金封鎖」「新円切り替え」などが起こる
    破滅ステージでは、以下の対策を挙げている。
    ●日本国債ベアETF
    ●海外銀行の外貨預金

    ただ個人的には一日中PC前で色々している事は難しいと思う。
    混乱期は会社や家庭でやらないといけないこともきっと多いはずだ。
    現実的に出来そうなのは第二ステージなら外貨預金。
    破滅ステージでの海外銀行(HSBC等)の外貨預金くらいかな。

    あとがきでも著者が指摘しているように、資産運用に成功する黄金率は「金融機関が熱心に勧誘するウマそうな話は全て無視する」ことだろう。
    日本の財政破綻を気にしてよくわからない金融商品を買ったりしない事も資産防衛に必要な事に違いない。

    2021/12/26(日)記述
    文庫版(2018)も出ており、殆ど内容は2015年の書籍と同じなのだが、コラム欄などでいくつかの内容の追加があり、その中でもコラム9世界市場に効果的に分散投資する方法の項目は注目に値する。
    特にETFで1554上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本というETFを紹介しており、個人の金融資本を日本国のリスクから完全に切り離した上で、なおかつ世界市場の成長に賭けることができるのです。と紹介している。

    この1554のETFが出てきたのは2011年。ただしETFはごく一部を除いて自動積立投資ができない。面倒でも手動で再投資をしていく必要がある。これは小さいところだけれども、人間は面倒くさいことや下落時に平常と同じように積立投資ができるほと強くはない。
    その点も踏まえると近年だとインデックスファンドという投資信託を積立投資していくことが最も合理的な投資と言える(橘玲氏もマンガ 投資のことはなにもわかりませんが、 素人でも株でお金持ちになる方法を教えてください2020)の中でインデックスファンドを推薦していた。1554のETFと同じような全世界株式(除く日本)や、S&P500や全米株式に投資するインデックスファンドも1554と値動きはほぼ同じである。その意味において本書が登場した時以上に日本国の財政破綻への備えをする為の金融商品は増えたと言える。もちろん幸運にも日本国の財政破綻はしないまま20~30年後を無事迎えた場合であったとしてもインデックスファンド投資をすることで金融資本を大きく増やす事につながるので、とりあえずはこのインデックスファンド投資はやってみると良い。
    普通預金とインデックスファンドで金融資産を構成するのが現段階における日本国の財政破綻に備える個人にできることではないだろうか。銀行の外貨預金は手数料が多すぎるので外貨預金よりもインデックスファンド投資が良いと個人的には感じる。

    印象に残った点

    日本の財政が破綻すれば深刻な金融危機が起き、国内の株式市場は大荒れとなって日本株は暴落するでしょう。日本はGDPで世界第3位の経済大国ですから、その経済が大混乱に陥れば世界の株式市場も大きな影響を受けることは間違いありません。そんなときに株式に投資するのは自ら進んで損をするようなものではないか、そう思う人も多いでしょう。しかし、世界の株式市場が大きく下落するときこそ投資の絶好の機会かもしれません。

    もちろん2008年のリーマンショック後は株価が50%も下落しましたから、「ACWIを買えば必ず儲かる」などということはありません。ただ「世界の株式市場の時価総額に合わせて通貨を分散投資する」などということを個人で(機関投資家でも)やろうとしても不可能ですから、それを勝手にやってくれるACWIはやはり画期的な金融商品なのです。
    さらに2011年3月、東証に「上場MSCI世界株」(1554)が上場されました。これはACWIから日本市場を除いた株価指数に連動するETFで、日本の個人投資家のニーズに最適化されています。(日本人投資家はたいてい日本株を別に保有しているので、ACWIでは日本株の比重が高くなってしまうのです)
    これまでACWIに投資するには、アメリカの証券会社に口座を開設するか、日本のオンライン証券などで外国株取引をするほかありませんでした。以前に比べれば格段に敷居が低くなったとはいえ、大半の人にとっては外国の金融機関を利用したり、外貨建てで投資をするのは不安かもしれません。その意味で、日本株と同様に円建てで取引しながら世界市場に投資できるこのETFは、金融資産をグローバルに分散したい個人投資家にとって究極の金融商品ともいえるものです(円をドルに替える手間が不要なうえに為替両替コストがきわめて低く、ネット証券を使えば売買手数料も格安です)。
    ここで改めて確認しておくと「上場MSCI世界株」は円建てで取引されていても、すべての資産が外国株で構成されています。(逆に円高で株価が下がります)これによって、個人の金融資本を日本国のリスクから完全に切り離した上で、なおかつ世界市場の成長に賭けることができるのです。

    リスクを取りたくなければ普通預金、リスクを取るならシンプルに株価指数ETFに投資

    それと当時に、日本人はあまりにも「合理性」を軽視しています。ネットでもマスコミでも、日本中のあちこちに「合理的なものは不愉快だ」と叫ぶ人があふれています。もちろん合理性は幸福な人生を約束しませんが、その一方で、(ギャンブルで一発当てるような事を別にすれば)市場では合理的な行動からしか富がもたらされないことも確かです。
    投資の世界では、感情だけで動く人は”カモ”と呼ばれます。日本という国の経済的リスクが顕在化したときに、感情でしか考えられないひとたちが真っ先に犠牲になっていくでしょう。私はこれは、ある意味、仕方のないことだと考えています。日本人の全てが正しいフィナンシャルリテラシーを持つようになる、などという荒唐無稽な理想を掲げても意味がありません。

    インフレ対策なら金を買えばいいのではないかと考える人もいるでしょうが、金投資についての私の考え方は、ウォーレン・バフェットやジム・ロジャーズと同じです。すなわち、金は鉄や銅などの金属と違って工業用としてはほとんど用途がなく、地中から掘り出されて退蔵されるだけで、株式や債券のように配当が得られるわけでもありません。
    金に価値があるのはひとびとが「金に価値がある」と思っているからで、貨幣と同じでその実体は共同幻想です。この幻想が続く限り価格は上昇するかもしれませんが、人々が王様は裸だと気づけばただの石ころになってしまうでしょう。
    金投資は純粋なギャンブル(投機)なのです。

  • 国債ベアファンド=国債暴落=金利上昇と思ったらこれを買う。金利はゼロ以下にはならないので、ベアファンドはゼロ円にはならない。国債の空売りより安心。

  • 日本がもし国家破産することになったら?を題材にどのように投資すべきかが学べる本。世界は成長し続けるを信じて、先進国インデックスファンドを買うことしか信じてない私にとっては参考になる内容。債権の仕組をあまり知らなかったのでその辺も勉強になった。騙されないためにも読むべき本

  • 巻頭の小説が、あまりに現実にありそうで怖いです。
    金融の知識がなくても大丈夫なようにといろいろ解説がついていますが、まったく知識がない人には厳しいかと。知識があると面白く読めます。

    ただし、著者の言っていることがすべて正しい訳ではなく、自己判断・自己責任が必要か。

  • 日本の財政破綻をテーマにした本は多いけどこの本は、それに対してどう防衛すべきか、具体的な投資商品を挙げて説明しているのでその点かなり役立つ。

  • 「あらゆる経済的リスクは、金融市場でヘッジする(保険をかける)ことが可能です。資産に対して最適なヘッジをかけさえすれば、「国家破産」は何も怖くありません。」(まえがきより)
    本書では、もし日本が国家破産するような事態に進んでいったとしても資産を守るためにどのような金融資産を保有すればいいかを解説している。要点は、あとがきから引用すると、
    1.日本の財政がたとえ破綻に向かっているとしても、当分は金融資産は普通預金で持っていればいい。
    2.日本の財政が破綻したとしても、手近にある金融商品だけで資産のかなりの部分を守ることができる。
    3.たとえ「海外投資」をする必要があるとしても、ネット銀行の外貨預金で十分だ。
    ……ということ。
    株式投資や投資信託の本は何冊か読んできたけれど、物価連動国債ファンドなる金融商品の存在を初めて知った。

  • タイトルはおどろおどろしいが中身はまとも。
    1.国家破綻は急には起きない。ゆっくりと進む。
    2.当面は普通預金で十分。
    3.破綻が進んできても、手近な金融商品(国債ベアファンドなど国債の下落をスワップする商品、FXなど円安をヘッジする商品、日経平均オプションなど株価下落をヘッジする商品)で十分
    4.海外投資をするとしても、ネット銀行の外貨預金で十分

  • 国家破産がどのようにくるかは分からないが、明日突然くるわけではないから備えができる。必要な備えは、高金利対策=国債ベアファンド、円安対策=外貨預金、インフレ対策=物価連動国債ファンド。

  • お金

  • アベノミクスによって景気は回復していると言われるが、見通しは不明。
    デフレは「良いデフレ」「悪いデフレ」はなく皆「デフレ」。
    インフレは経済セ成長を伴う「良いインフレ」と伴わない「悪いインフレ」がある。
    インフレになっても経済成長を伴っているかは別で、ここでアベノミクスの評価が分かれる。

    国家破産(ハイパーインフレ)になった時に起こるのは、
    1金利の上昇
    2円安
    3インフレ

    最初の時期は預貯金で十分だが、さらに進めば
    1国債ベアファンド
    2外貨預金
    3物価連動国債ファンド

    *世界市場に投資 上場MSCI世界株

    さらにさらにすすめば、
    FX、金融先物オプション取引、株の信用取り引き
    で辛酸を守るとともに、利益を得る。                             

  • アベノミクス後のシナリオは
    楽観 景気回復、躍進
    悲観 デフレの継続
    破滅 財政破綻、ハイパーインフレ、国債暴落

    どのケースにしても現状最も有利なのは普通預金
    破滅ケースが現実化してきた場合に有用なのは
    JGBベアファンド、外貨預金、物価連動国債の三つ
    さらに日本に政治的リスクが出てくれば海外金融機関での外貨預金、JGBベア

    説明は平易でわかりやすく中立的に思える

  • 投資

  • 日本国家破産が起こった時にどう対処すれば、逃げ切れるかとても参考になった。

  • 課題図書。
    序破急で、日本がどのように崩壊していき、どのタイミングでどんな運用をして資産を守るかシンプルに書かれてある。導入としては読み易い。結局、「理論上は」という内容なので、一情報として自己判断材料の一つにすればいいと思う。どうせうまい話なんて、人に教えるわけもなく。そこをカバーできるほど印税が入るわけでもないだろうしね。シンプルで国家崩壊の危機についてわかりやすいので、導入本としてはいい。

  • 国家の財政破綻と言っても、戦争などと違って突然起きるものではなくある程度時間がかかるので、以下のような対応をすれば良いということです。下にごく簡単に要約的なものを書きましたが、私のレベルでは内容的に結構難しいので、本当にこういう状況が来たら改めて読み直さないといけないと思いました。


    第1ステージ ・・・・・ 国債価格が下落して金利が上昇する
     → 普通預金:現在がデフレ状態なので、実質的金利はプラス。リスクはほぼ0で
            何かあったときの自由度の高い。

    第2ステージ ・・・・・ 円安とインフレが進行し、深刻な金融危機が起き、国家債務の膨張が止まらなくなる
     → ・国債ベアファンド:国債価格が下がると価格は上がり、上がれば下がるが、
         現在の金利が非常に低いので、下がる余地は小さい。ただし金利が変動
         しないと、長期的には価格は下がっていくので、投資タイミングが重要。
       ・外貨MMF:米ドルが一番無難。
       ・物価連動国債ファンド:物価が上がると価格も上昇するが、逆にデフレに
        なると下がってしまうので、その点は注意が必要。

    第3ステージ ・・・・・ 日本政府が国債のフェフォルトを宣告し、IMFの管理下に入る
     → ・海外銀行に口座を開いて外貨預金。日本人にはHSBCが一番メジャーで、
        香港に行けばパスポートと住所証明で口座が開ける。
       ・米国の証券会社で、日本国債ベアETF(JGBS、JGBD)を購入する。


    また海外投資に最適なのは、ACWIやACWIから日本株を除いた上場MSCI世界株1554などのETFとのこと。ただし1554はまだマイナーで売買数が少ないのが難点とのことです。
     
     
     

  • ●要約:破綻には予兆があり段階的に起こる。知識を貯め、その段階に応じた対応をすればサバイバルできるかも。
    ●所感:いつもの橘節。コラムがとても良い。2013年刊行だが考え方の基本は変わらんので参考になる。
    ●メモ:・国家の財政危機は国債価格の下落から始まる
    >第1ステージ(国債価格下落→金利上昇)
    >第2ステージ(国債下落、円安と物価上昇)
    >最終ステージ(日本国債デフォルト)

    物価連動型国債、世界株式連動ETF(除、日本)、ACWI Index
    上場MSCI世界株(1554)
    http://www.ifinance.ne.jp/glossary/index/ind150.html

  • 楽観、悲観、破滅の3つのシナリオごとに展開される。漠然と不安を抱えるのではなく、しっかりと知識武装したうえでどうすべきかを考えて実行していきたい。平たい表現なので読みやすかった。

  • 日本経済の未来は楽観シナリオ,悲観シナリオ,破綻シナリオの3つの可能性が考えられるというが,国家が市場をコントロールできず政治家が選挙第一で財政再建ができない現在,先行きを考えると暗澹たる思いにかられる。救いを求めこの本を手に取った。リスクはヘッジできるので資産に対し最適なヘッジをかけさえすればいいしその方法を示して入るが,素人に果たしてそれができるのか…

  • アベノミクスにかかわらず、いつか訪れる財政破綻がおきるまでの日本経済がどのような様相となるか、それにどう対処するばよいか、平易に解説されている。
    第1ステージ(国債価格下落→金利上昇):普通預金(円高ならさらに有利)
    第2ステージ(国債下落、円安と物価上昇スパイラル):日本国債ベアファンド、外貨預金・外貨MMF、物価連動国債
    最終ステージ(日本国債デフォルト):海外銀行の外貨預金、日本国債ベアETF
    円高局面では「上場MSCI世界株(1554)」がよい?





  • ・楽観シナリオ アベノミクスで日本経済は大復活する
    ・弾かんシナリオ 現在と同じデフレ状況がこれからも続く
    ・破滅シナリオ 財政が破綻して経済的な大混乱が起こる
    アベノミクスがどんな結果になろうとも、備えておくべきお金の知識を説く。

    取り合えずば、普通預金で良い論に少しがっかり。その後、上級者向けに国債ベアの話とか出てくるが、全体的には物足りない内容。

    その中でも、覚えておきたい点

    ・財政危機は国債価格(金利)を見ればわかる。国家の財政危機はいついかなる場合でも、国債価格の下落から始まる

    ・金利の高い通貨は下落する
    ・金利の低い通貨は上昇する

    ・外貨預金は、仕組みがちゃんと動けば、得も損もしない。円安で、儲かってもその分物価高になっているので、価値としては同じ。ただし現実には為替レートはインフレ率よりも遥に動きが早いので、その分はメリットがある。

  • 円の普通預金と米ドル預金を進めている。ファンドのたぐいは運営会社が危うくなるリスクから勧めていない。金投資はギャンブルと言い切っている(工業需要が少なく、貨幣と同じように皆がGOLDに価値があると思っているうちしか価値がないしろものだと主張している)。

  • ●経済には強い継続性(粘性)がある。
    仮に破滅シナリオ(国債価格の暴落・金利の急騰と高インフレで財政は破綻し、大規模な金融危機が起きて日本経済は大混乱に陥る)が現実のものになったとしても、次の順番で進行する。
    1)国債価格が下落して金利が上昇する
    2)円安とインフレが進行し、国家債務の膨張が止まらなくなる
    3)日本政府が国債のデフォルトを宣告し、IMFの管理下に入る。
    書店に行けば「国家破産」のタイトルのついた本が並んでいます。日本国が抱える1000兆円の借金を考えれば、誰も財政破綻の可能性を否定することはできません。しかしここで強調したいのは、危機は順に悪化していくのですから、ある朝目覚めたら日本円が紙くずになっていた、などということは絶対にありません。だとすれば私たちは、いたずらに「国家破産」を心配する必要はありません。仮に日本国がデフォルトするとしても、それまでの間に自分と家族を守るための時間はじゅうぶんに残されているのです。

    ●たった3つの金融商品で「国家破産」はこわくない
    1)国債ベアファンド
    2)外貨預金
    3)物価連動国債ファンド

    ●日本人はあまりにも「合理性」を軽視しています。もちろん合理性は幸福な人生を約束しませんが、その一方で(ギャンブルで一発当てるようなことを別にすれば)市場では合理的な行動からしか富がもたらされないことも確かです。投資の世界では、感情だけで動くひとは「カモ」と呼ばれます。日本という国の経済的なリスクが顕在化したときに、感情でしか考えられないひとたちが真っ先に犠牲になっていくでしょう。

  • 国家破産時に何が起こるか予想し、リスクをヘッジする方法が述べられている。
    経済初心者にも読みやすく、丁寧に書かれている。字も大きく、難しい計算式も使っていない。
    国家破産や不況のときこそ、株や土地など資産価格の値動きが激しく、儲けるチャンスもある。
    これをきっかけに、本格的に経済を勉強しようと思わされた。

  • 人類は放射能を安全に管理する科学技術を持っていません。だとすれば、「核」はもともと手を出してはならない禁断の果実だったのです 財政破綻のインフレでは地価も株価も下落する 金投資はギャンブル 日本人の海外投資に最適なETF「ACWI」 内容的に難しいと感じる 腰を据えて取り組む必要あり 2013.3の出版

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著者プロフィール

2002年、金融小説『マネーロンダリング』(幻冬舎文庫)でデビュー。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)、『日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル』『橘玲の中国私論』(以上ダイヤモンド社)『「言ってはいけない? --残酷すぎる真実』(新潮新書)などがある。メルマガ『世の中の仕組みと人生のデザイン』配信など精力的に活動の場を広げている。

「2023年 『シンプルで合理的な人生設計』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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