チェーンストア組織の基本―成長軌道を切り開く 「上手な分業」の仕方
- ダイヤモンド社 (2008年11月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478090053
感想・レビュー・書評
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『#チェーンストア組織の基本』
チェーンストア経営の神様、渥美俊一著、2008年の本。
なるほど、そう言う考え方もあるのか…と、感心した箇所も少なくないが、全体としては、せいぜい干支がひと回りくらいしかしていないのに、時代が違う感を多分に覚えた。
その理由の最大のものは次の通り。すなわち、役職名だけで責任も権限も不明確な「何でも屋」を作ることなく、しっかりジョブを定義し、そこに含まれないタスク(例えばバイヤーにとっての事務作業)は、極力排除ないし専任スタッフに任せられるようにする。その基本コンセプトは全くその通りなのだが、各ポジションに充てられる人を定義するのに、年齢(経験年数)を最優先事項として置いているのだ。
著者が理想とするビジネスプロセスを実現するための組織としては、譲れない条件なのだろうが、逆に言えば、その制約を打ち破ることができなかったから、従来型のチェーンストアもでるは、Amazonをはじめとするオンライン勢に打ち破られた。
ひとことで言えば、特にITの助けを借りることで、この経験年数の壁を打ち破り、「誰でもできる仕組み」を構築することが、昨今の流通業のKSFであるところが、すっぽり抜けているのだ。
その意味では、現代において本書は、むしろ反面教師として参考にするところの多い「バイブル」と呼べよう。
ただ、冒頭にも記した通り、慧眼に感服する箇所も多い。例えば以下のような内容である。
古くからあるチェーンストアに反する組織形態としての「暖簾分け」は、一般に理解されているように「主家での貢献に報いる」ものではなく、そのまま雇用していると賃金が上がっていくので、フランチャイズチェーンの「ジー(加盟店)」側にしてしまうアイデア…である。
バイヤーの役割はベンダーから出来上がった製品の買い付けを行うことではなく、お客に商品を供給するまでの方法と手順すべて(原料仕入から生産工程も含めて)を決めることであり、江戸時代に急成長した商人は皆これを地で行っていた。
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「チェーンストア」の組織の基本
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まさにバイブル