「超」入門 空気の研究 日本人の思考と行動を支配する27の見えない圧力
- ダイヤモンド社 (2018年12月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478102206
感想・レビュー・書評
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鈴木博毅さん超入門「失敗の本質」に続き2冊目。こちらも別著者の「空気の研究」を現代版に解説したもの。空気とは前提。いわゆる場の空気(前提)がどのように構成されて、いかに逆らえなくなるか。戦艦ヤマトの例や、忖度、パワハラ、いじめ、同調圧力、無責任主義など日本によくある逆らえない空気に隠された真実。解説は少々難しいが、最終章の空気を破壊する4つのアクションプランが嬉しい。1.空気の相対化、2.閉鎖された劇場の破壊、3.空気を断ち切る思考の自由、4.流れに対抗する根本主義。「失敗の本質」と併せて再読したい本。
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日本人は海外に行くとその国に溶け込んでしまう。=状況に即応する。何かに染まりやすい=自ら進んで塗り替える。
同調圧力とは、空気=前提に従わない者を弾圧すること。意図的な前提を押るけることで、現実を隠ぺいする可能性がある。集団による問題解決能力を破壊する。
それ以外に道がない、という誘導が空気を作る。
空気を読む、とは、前提を理解する、ということ。お墨付きがあると促進される。
民はよらしむべし、知らしむべからず、は日本人をコントロールするのに都合がよい。
努力は尊い、は危険な発想。
会議室と飲み屋で意見が変わる。
多数決は、マイナス面を無視していい、というサインではない。多数決で決めたことだからこそ、反対意見のマイナス面を考慮するべき。
外から来た論理に従うときは、強さを発揮する。内からでた論理に盲目的に従うことは危険。
まったくしがらみがない第三者から見たらどう考えるか、を考える。
日本人には特定の宗教ではなく、日本教がある。日本人は神に支配されたくない、努力が好き、怠けもの、神任せはきらい。 -
日本人をディスりすぎててあまり気分のいい本ではなかった
日本が島国体質で争いをおこさないようにしてきた知恵でもあるとは思うんだけど
確かに日本らしい空気はあると思うんだけど
文中には空気を表す時に外国の事例が引用されている事もあるのに
そんな中でなぜ日本ばかり?と思った
その通りだと思うところもたくさんあって
コロナの状況も空気というよりものすごい
圧があったと思う
それがマスコミだったり、一部の権力者の意のままになっているということは大いにあると感じる
それが日本人がみんな悪いってことではなくて、力のない人間が空気を変えていくのは難しくて、それに対するハッキリとした答えは出なかったなぁという印象
でも知ることからはじめるという意味では勉強になった -
2階書架 : 361.42/SUZ : https://opac.lib.kagawa-u.ac.jp/opac/search?barcode=3410164948"
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空気という重要な要素の片鱗が理解できた。
ただし、原文を少し差し込まれているが、非常に難解。解説は非常にわかりやすく説明してくれているが、その断片しか理解できていないだろうことが残念。本書の問題というより原著の理解の難しさをどう突破するかという解決法が自分にないこと。 -
日本人が陥りやすい空気を読むことのメカニズム、その弊害と打破するポイントを分かりやすく解説
企業不祥事やある大学の問題等はまさにこの空気にあるのではないかと感じる。とても示唆に富んでいて、自分事として意識したい -
「変わってしまった状況に『即応する』のが日本人の行動原理」と言うのと、「状況倫理、つまり異なる『物の見方』を持つムラ同士が張り合う場合、(横断的な社会正義を追求するのではなく)どちらが正しいかを決めるため、それぞれの物の見方から超越した(より広い影響を持つ)象徴をつくり、象徴としての権威からのお墨付きを得た側が正義だとしてきた」と言うのは、八百万の神がいる宗教的。支配ー被支配の関係が歴史的に見て流動的だからだろう。「空気」とは、ごく特定のムラだけに都合のいい前提である。それは「前提」なので論理的ではない。日本では、利害の異なるムラは存在しないという(ムラ内部の)虚構のもと、忠孝一致というか、忠(契約)と孝(血縁)が混同、意図的に悪用されて「君、君たらずとも臣は臣たれ」との言葉も生まれた。この思考は現代の組織でも見受けられ、会社でも暴力団組織でも上司のことを「オヤジ」と呼ぶ者がいる。その虚構は、自己を正当化してムラを支配するツールである。
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空気に流される、組織の色に染まってしまう
ということをより言語化してくれている本。
どのようなメカニズムで空気がつくられているのかが分かる。面白い論理だと思った。