人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている
- ダイヤモンド社 (2018年8月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478106341
感想・レビュー・書評
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・バイアウト経験済みの20歳起業家
・ブログで月1000万
・1ヶ月でフォロワー1万人増やしました
Twitterを眺めていると、こういう人たちは無数に目に入る。
そういう人たちはすべからく多くのフォロワーを集め、Noteなどのコンテンツを売り多くの収入を得ている。
そして「プログラミング学習1年で年収1000万超え」と名乗る人が、日本有数のプログラマーより多くのフォロワー、影響力を持つ時代である。
そういった仕組みを人間の脳の仕組みから論理的に紐解いた本であり、それを道具として使う方法を記した本である。
その仕組みを考えると10代、20代というカードはそれだけで稀少性がある。
例えば「30代で年収1000万」と「20代で年収1000万」では価値が大きく異なるだろう。
そういう意味でも「若い人」が非常に影響力を持ち始めているように見え、「若くない人」となっていく自らの戦い方を含め考えさせられる1冊だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
浅目の内容かと思ったら違った。
表がたくさん出てくるし、イラストもあるから気安く読み始めたけど、プレゼン能力の高いパワポのような本だった。もう一度読もう。 -
今までなんとなく感じていたようなことがズバッと書いてある。文章形式は合う合わないがあると思うが、個人的には読みやすかった。イラストやグラフも多数あり、イメージしやすい。繰り返し読んで実用していきたい内容。
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自分に相いれない価値観を否定して、別の価値観を打ち立てることで精神の安定を計るやり方がある。
それは短期的には安心できるけど、続けていたら、どんどん
社会不適合になって、つまはじきになってしまう。
昔に思っていたことを、大きな文脈の中で教えてくれた。 -
ベストセラーになっているので敢えて穿った見方をすると、この本も従来の成功指南書同様、「読者に夢を見させる」というフォーマットに則っている。実際問題、効果的な「錯覚資産」を作るのは難しい。だから、痛い肩書・経歴がツイッターのプロフ欄に溢れている。世の大多数の人はしょぼい経歴しか書けないからだ。
とはいえ、自分はこの本を実に面白く読んだ。例えば、「胡散臭い」と感じる人間(特にカウンセラーを自称する人間に多い)は、ハロー効果という張りぼてを被っている。「錯覚資産」という名称を始め、このような直感的に感じていた怪しいものの数々に名前が与えられるだけで、世の中をすっきり見通す視点を手に入れることができる。読んだ後に世界がよりクリアに見えるなら、その本はいい本だと思う。 -
人気ブロガー『ふろむだ』氏の初の著書。「勘違いさせる力」は、作中では『錯覚資産』と呼んでいる。あまり聞き慣れない言葉だけれど、作中では「人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚」という意味だそうだ。
・成功・失敗を収める要因は、「運+実力」ではなく「運+錯覚資産+実力」であることをベースとして考える。
・錯覚を意識して利用すれば、『錯覚資産』で下駄を履かせた状態となり、他者との比較の際に有利に働く。ただしマイナスの錯覚も同様なので注意。
・「思考の錯覚」を複数掛け合わせることで、『錯覚資産』が複利で増やせていける。
・この錯覚は認識できない。直感が騙されてしまう。意識しておかないと、バイアスのかかった認識をしてしまう。判断が難しい時に直感が出した答えは、思考の錯覚に汚染されていることが多いので、粘り強く思考することが大切。
人間が無意識のうちに、もしくは自覚していると思っていても、思考の錯覚が働いていて、見えない下駄(錯覚資産)のハロー効果が働いてしまうということを徹底的に意識しないと、騙されてしまうことに繋がるわけですね。
選択肢は本当に足りているのか。錯覚で物事がよく見えていないか、または悪く見えていないか。図式化するなりして客観的に確認することを心がけたいと思います。また、この錯覚を意識して利用することで、成功確率を上げられるかもしれない。失敗確率を下げられるかも知れない。そんなノウハウを伝授頂けました。 -
運により成功し、成功すると良い機会、良い人脈、良い仕事が手に入り、実力がついて、また成功できる。確かに、と思うところが多い。成功、成果は実力が生み出すと考えていたので、面白い着眼点だと思った。
フレーズ
「錯覚資産によってよい環境が手に入り、よい環境によって実力が育ち、実力があるからそれが成果を生み、その成果を利用してさらに錯覚資産を手に入れる」というループが回ることで、錯覚資産と実力が雪だるま式に増えていくという構造があるのだ。
自分に才能があるかないか? を悩む時間があったら、その時間を、単純に、試行回数を増やすのに投資したほうが、はるかに成功確率が高くなる。悩んでる暇があったら、 1回でも多くサイコロを振ろう。これは運ゲーなので、悩んで悩んで悩みまくってサイコロを振ったって、悩んだほどには、いい目が出る確率が高まったりはしないのだ。
つまり、なにもすべての属性について、自分自身の属性 Xをプラスにする必要なんてない。むしろ、それぞれの属性について、その属性がプラスの人間をうまく使って、自分の人生を切り開いていったほうが、効率がいい。
真に読む価値のある本は、読者に、新しい世界認識をもたらしてくれる装置になっている。 -
有名ブロガーかつ本業はアントレプレナーでもある著者による本。
本著において、著者は一貫して「今の社会は実力主義という欺瞞に満ちており、実際には「実力があると周りから勘違いされた人」が活躍する世界である」と主張する。
そして、人間は他の人を正しく評価することなどできなくて、その評価のほとんどは「認知バイアス」によって決まっているとする。
著者は大学では認知心理学を学んでいたらしく、この心理学側からの切り口が主となっている。
本著で挙げられている心理的な効果や実験は有名どころがほとんどで、ひと通り認知心理学・行動経済学の基礎を知っている自分からすると内容は物足りなかった。
ただし、著者の主張は実際のビジネスでのケース/シーンときちんとリンクしており、その説得力はあると感じた。文章も平易なので、初学者にはおすすめできる本だと思う。
「現在のビジネスでの評価が「勘違いさせる力」で決まっている」という主張には個人的にもその通りだと思う。
自分の直属の部下であろうが、100%客観的な評価をすることなどできはしない。その評価には主観的な印象やイメージが混在している。
「こいつはやっぱり優秀だな」は起こりやすく、「こいつはダメだと思ってたけど意外と優秀だな」を起こすにはより明確な成果が必要だ。
それでも初めの錯覚を引き起こすのは本人の資質と努力である。だから、本著の捉え方としては「どうせ評価は勘違いで決まるのだから何をしても一緒やん」ではなく、「自らの努力と思考によって周りに積極的に勘違いさせてやる」という方が生産的だと思う。
周りに自分の能力を錯覚であろうが高く評価してもらうことでより良い・難しい仕事にアサインできるようになるし、それをこなすことで本当の実力も上がっていくのだ。 -
「錯覚資産」と「感情ヒューリスティック」という概念が非常に参考になった。
職場を思い浮かべると思い当たるところが多々あり、今後に活かせそうです。