- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478108659
感想・レビュー・書評
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ブクログではこれまで機会がなかったので特に言う必要はなかったのですが、わたしは東方神起が好きで、二人とも好きなんですが、どちらかというとユノの方が好きです。
で、この作品はユノの愛読書であるとか。
それを知って読むことにしたのですが、読んでいる最中にまさかチャンミンが結婚を発表するなんて、思ってもみなかった。この皮肉な偶然に、なんとも言えない気持ちになってしまったことを、作者であるハ・ワンさんには申し訳ない気持ちを持ちつつ、でもそんな偶然も、ユーモアと独特なタッチのイラストで笑い飛ばしてくれそうな、そんな感じがしている。
訳が大変読みやすく、小説と小説の合間に気分転換で読めつつ、マインドフルネス効果もあり。
ああーという相槌を打ちながら、時に爆笑しながら、読み進めた。
刺さったフレーズを、わたしの心の声とともにお届けしたい。長いです、お許しを。
P32「努力は、必ず報われるわけじゃない」
→そうそう。努力が全部報われていたら、きっとわたしの人生、こうなってない。
P44「『なぜ結婚しないの?』は、みんなが正しいと信じる価値観に同意しない者への暴力」
→よくぞ言ってくれた!これを「暴力」と定義づけてくれたことに、わたしは拍手を送りたい。
P73「人生に正しい選択なんてない」「人生のすべてをコントロールしようと考えてはいけない」
→読み終えた直後より刺さってくる。それは昨日、初対面の人に、わたしの我の強さを指摘されたからに違いない。自分の中の「こうしたい」が強すぎる。「こうしたい」方向にいくかどうかもわからないし、「こうしたい」方向にいったところでどうなるかなんてわからないのに。反省だ。
P85「人生が一つのジョークのようにも思えてきた」「深刻になりすぎる必要はない。毎度毎度、真摯に向き合わなくてもいい。答えを探す必要はもっとない」「人生は『答え』じゃなくて『リアクション』が重要な試験なのだから」
→人生に降りかかってくる困難を「ジョーク」と捉えること。これまでマインドフルネス関連の本を読んでも、こういう記載の仕方ってなかったから、すごく斬新な捉え方だった。これで落ち込み過ぎずに済む。
P110「ひとりの時間を望むのは、それだけ人間関係に疲れている証拠だ。だから、一人の時間は必要だ」「ひとりの時間は、帰り道が約束された旅行でもあるのだ」
→深い。自粛期間中に、「一人は楽だ」と思う一方で「人と関わらなさすぎて孤立に感じる」と両方の気持ちがシーソーのように揺れていた。でもそれは、人との適度な距離感の再認識だけでなく、次のことも教えてくれた。結局のところ人間は社会的な生き物で、だから人と関わらざるを得ない。一人の時間は、誰かと過ごす時間をより有意義に過ごすために必要な時間。人と関わるためのエネルギーチャージの時間。
P122「挑戦したいことがあるのに年齢を理由にあきらめるなんて、どんなに悲しいか」「誰かをダマすためではなく、自分自身をダマすためだ」
→この「自分自身をダマす」という視点が大事なのかも。合コンで年齢をごまかすのとは違う。だからわたしは、これから28歳の設定で生きていく。※現在ミドサー。
P186「試しもせずにあきらめるなんて、実にもったいない!」
→このフレーズを読んだ直後、ずっと懸案事項だった、ちゃんと別れてない元彼に連絡を取ってみたら、連絡が取れなくなってた。やっぱり終わってたらしく、ブロックされてた。いいんだ、それがわかっただけで。
P232「そう、人生の大半はつまらない。だから、もしかすると満足できる生き方とは、人生の大部分を占めるこんな普通のつまらない瞬間を幸せに過ごすことにあるのではないか?」
P278「期待すればするほど、人生が、『これぽっちの人生』としか思えなくなる。自分の願いとかけ離れた『引きずられていく人生』としか思えなくなってしまう」
→そう、人生なんて暇つぶし。だから期待なんてしちゃいけない。でも、その「期待しない」が難しいんだよね。わたしは、人に対しても、自分に対しても、期待をしがちだ。まずは、脳内ビジョンに映る自分の姿を、幻想を幻想だと思うこと。そこからスタートするか。
韓国でも「ありのままの自分」という言葉は最近のブームのようで、きっと「ありのままの自分でいること」が幸せに大きくつながっている。
考えていくと「ありのままの自分」も何なのかよくわからなくなってくるし、今自分が向かっているのは幸せの方向だと信じて生きてるけれど、果たして向かっているその方向にあるものが幸せなのかなんてわからなくて、そうしたら幸せの意味すらよく分からなくなった。
しかし、こうしてレビューを読んでくださる人がいる。いいねとコメントをくださる人がいる。それはまぎれもなく幸せだ。この作品に出会えたことも、フォロワーさんに出会えたことも、まぎれもなく幸せだ。
もしかしたら、「幸せに向かっているのかどうか」も考えなくていいのかもしれない。大切なことはきっと、今が幸せかどうかだ。 -
「不平不満ダラダラの人間になっていた。
体中が毒でいっぱいで圧倒的な敗北感に打ちひしがれていった。全力で走り続けているのに、良いところの一つもない敗者。気分は最低だった」
おお。これは良い、共感できるなぁと思いながら読み始めたのだが、結局よく分からない主張。競争社会からはドロップアウトしてしまおう、でもそのままでは良くないから、得意のイラストで本を書いたら成功したよ、という感じが参考にならないからだろう。韓国人の著者が村上春樹を始めとした日本文化、コンテンツに馴染んでいるのは新鮮な感じ。
韓国は、日本より激しい受験戦争、メンツ社会、出世信仰があると聞く。そこから抜け出すべきだというのは良くわかる。無理に競争なんてする必要はない。マウントを取る必要などないし、高いブランドを身に付ける必要もない。
弱っている時に読めば慰められるだろう。ただ、本の内容としては、タイトルの主張をダラダラ反復、敷衍していくだけで、読み応えはない。何故なら、頑張らない人の本だからだ。
あやうく一生懸命ではない本に課金して、一生懸命それに共感する所だった。人生に麻酔をかけるような自己啓発本、だ。 -
めちゃくちゃ良かったです❕
読みながら、何度も「うんうん、その通り❕」と共感してしまいました(笑)
読み終わったら、とても心が軽くなった感じがしました。
ぜひぜひ読んでみてください -
【感想】
「あ、今オレ一生懸命生きすぎちゃってるな」と思って読んだ1冊。笑
一生懸命生きている自分に嫌気がさし、その生き方を否定する男のエッセイのような内容。
一生懸命生きるのを辞める事に全フリしたこの男の物語は、読んでいて滑稽でもあったが結構ためにもなった。
ただ、この本にハマったら自分も一生懸命生きなくなっちゃうから、気を付けなくちゃ。笑
確かに、「何か分からないレース」に参加して、遮二無二生きている今日この頃だなーと自分でも思っている。
何のために頑張っているのか分からなくなることもたまにあるし、「こんなにやんなくてもイイっしょ」とサジを投げがちな自分もそこにはいる。
だけど、当たり前だけど、サジを投げちゃいけないと思う。
こう言うと元も子もないかもしれないが、ドロップアウトした先の人生のほうが、自分からすればよっぽど退屈で味気がないモノになると分かっているからだ。
うん、この本の内容と自分の考えで、根本的に違うのがココだな。
嫌気がさしたからって、ドロップアウトしてしまう必要なんてない。適当に空気抜きをすればいいだけだ。
結局は、"何も考えずにがむしゃらに一生懸命に他人に言われたことをやる"事が問題なのでは?
まぁ、この本が流行って、このようなマインドの人間が増えてくれたらイイと思う。
競争する人が脱落してくれるのは願ったり叶ったりだ。
筆者のハ・ワンさんは他にもエッセイを執筆されているみたい。
ドロップアウトした人間が、具体的にどのようにして生計を立てているのか、そのあたりの生々しい話も是非興味があるから書いてほしいなぁ。
【抜粋】
1.これは何のレース?
何のために頑張ってるんだっけ?
これ以上、負けたくないから、一生懸命をやめよう。
レースを棄権したようなそんな気分だ。今はレースに参加していないから、当然、勝ちも負けもない。
ところで気になるのは、これは何のレースだったのか、全く見当がつかないことだ。
僕は正体不明のこのレースで、好成績を叩き出そうと必死に足を動かし、しゃかりきになっていたようだ。
2.見返りはいつだって気まぐれ
憤りつつも“認める”ことだ。
努力してもどうにもならないとか、努力した分の見返りがない場合もある一方で、努力した以上の大きな成果を収める場合もある。
この現実を認めれば、苦しみから少しは解放されるだろう。
自分が「こんなにも」努力したのだから、必ず「これくらい」の見返りがあるべきだと言う思考こそが苦悩の始まりだ。
3.人生にも「ストップロス(損切り)」が必要
あきらめとは卑屈な失敗ではない。懸命な人生を生きる上で、あきらめる技術も必要だ。
あきらめなければ大損害を被る可能性もある。
失敗を認める勇気。努力と時間が実を結ばなかったら、潔く吹っ切る勇気。失敗しても、新たなことにチャレンジする勇気。
我慢して闇雲に努力することだけが能力ではない。
4.普通で、つまらない毎日を幸せに過ごす
僕の人生は概してつまらない。だが、つまらなく見える日常を愛そう。
人生の大半はつまらない。
だから、もしかすると満足できる生き方とは、人生の大部分を占めるこんな普通のつまらない瞬間を幸せに過ごすことにあるのではないか?
【引用】
あやうく一生懸命生きるところだった
p4
今日から、必死に生きないと決めた
2ヶ月後に40歳になる。まさか自分がそんな年齢になるとは。もう40歳だなんて。いつの間に、そんなに時が流れてしまったのだろう。
まだ何も成し遂げていないのに。
p7
この生き方で正しいのか?
間違わずに、前に進めているか?
40歳はターニングポイントだ。そんな理由から決心した。
今日から必死に生きないようにしようと。
p18
・何のために頑張ってるんだっけ?
これ以上、負けたくないから、一生懸命をやめよう。
レースを棄権したようなそんな気分だ。今はレースに参加していないから、当然、勝ちも負けもない。
ところで気になるのは、これは何のレースだったのか、全く見当がつかないことだ。
僕は正体不明のこのレースで、好成績を叩き出そうと必死に足を動かし、しゃかりきになっていたようだ。
p33
・見返りはいつだって気まぐれだ
憤りつつも“認める”ことだ。
努力してもどうにもならないとか、努力した分の見返りがない場合もある一方で、努力した以上の大きな成果を収める場合もある。
この現実を認めれば、苦しみから少しは解放されるだろう。
自分が「こんなにも」努力したのだから、必ず「これくらい」の見返りがあるべきだと言う思考こそが苦悩の始まりだ。
p39
・やる気はすり減る
自分が何かに熱中しているときは、その気持ちは自分のためのものなのか、それとも他人のためなのかをよく考えてみる必要がある。
知る限りでは、やる気とはそれほど頻繁に生まれるものでも、持続可能なものでもない。
やる気がすり減る。むやみに使ってはいけない。
自分のやる気は自分がコントロールしよう。
p65
・人生にも「ストップロス(損切り)」が必要
あきらめとは卑屈な失敗ではない。
懸命な人生を生きる上で、あきらめる技術も必要だ。
あきらめなければ大損害を被る可能性もある。
失敗を認める勇気。
努力と時間が実を結ばなかったら、潔く吹っ切る勇気。
失敗しても、新たなことにチャレンジする勇気。
我慢して闇雲に努力することだけが能力ではない。
p72
すべてが自分の選択に委ねられていると考えるのは実に傲慢だ。
僕らは人生を望み通りに進められると信じているが、たった1度の波にさらわれる、か弱い存在なのだ。
人生には自分の力ではどうにもできない部分がかなり多い。
p227
・普通で、つまらない毎日を幸せに過ごす
僕の人生は概してつまらない。だが、つまらなく見える日常を愛そう。
人生の大半はつまらない。
だから、もしかすると満足できる生き方とは、人生の大部分を占めるこんな普通のつまらない瞬間を幸せに過ごすことにあるのではないか?
p241
・手っ取り早く自分を不幸にする方法
それは「他人との比較」をお勧めする。これはかなりの確率で不幸になれる方法だ。
嫉妬なんて、どんぐりの背比べに過ぎない。
激しい嫉妬覚えるのは、自分と同等または格下に見ている相手だ。
美加レベルの人間同士のどんぐりの背比べは不毛である。する価値がない。
p250
・挫折感の正体は、高度に計算されたマーケティング戦略
多くの人がブランド品への欲望を抱く理由は、簡単に購入できないからだ。そんな挫折感がブランド品の価値を高める。
ようやくそれを買えた人は、挫折感から抜け出した喜びを享受する。と同時に、まだ入手できていない人たちにまた別の挫折感を抱かせ、ほんの一瞬の優越感を味わう。
しかし、そんな喜びもすぐに消えてしまう。挫折感を休みなく降り注ぐからだ。
富の真の目的は「誇示」である。 -
友人に勧められて読んでみた。
エッセイってほとんど読まないけど読みやすくて面白かった!
頑張ることをやめるって日頃から思うように頑張ってたけど(矛盾 笑
こうやってエッセイでも他の人に無理しないこととか、気楽に生きる方法を聞くとやっぱりこれでいいんだと安心できる。
一生懸命頑張りすぎてる方へオススメの1冊 -
【感想】
韓国は、大卒エリートであっても就職ができない社会だ。韓国では大卒貧困者の割合が世界トップレベルである。国民の8割が大卒にもかかわらず、就職できるのは6割程度であり、しかも一流企業以外は意味がないとされている。韓国では非正規雇用から正規雇用になるのが極めて難しく、副業や起業も奨励されていない。いい大学を卒業したエリートから、まともな仕事の枠を埋めていく。
要するに、一度失敗すると挽回できない社会なのである。
筆者のハ・ワンもそうした韓国社会において、「生きづらさ」を抱えた一市民だ。
筆者は韓国一の美大こそ出ているものの、就職の難しさという意味では、地方大学の学生となんら変わらない。いい大学に入るために必死で受験勉強をして、学費を稼ぐために学業そっちのけでバイトをし、一流企業に入るために懸命に就職活動をする。しかし、ほとんどの会社に断られるうち、次第に入れる会社なら手あたり次第受けるようになっていく。やっとの思いで入った会社では、長時間労働と薄給が当たり前。そうした現状を目の当たりにして思ってしまうのだ。「こんなに一生懸命生きて、何かいいことはあったのか?」と。
成長主義社会に生まれてしまったわれわれは、自発的に進歩し続けなければならない。資本主義において停滞は悪であり、個人においても成長とスキルアップが求められ続ける。だが、「ここで頑張れば将来楽になるから」と言われたものの、一体その将来はいつ来るのか。
「あと10分我慢して登れば山頂だと言われてひぃひぃ登ったのに、10分経っても頂上は現れなかった」。
本中の言葉が語るとおり、筆者もデスレースに巻き込まれた人間だったのだ。
そして何より、社会ははみ出し者に厳しく、失敗者にはもっと厳しい。いい大学を出ていなければ落ちこぼれで、大企業に就職していなければ負け組、サラリーマンをやめてフリーランスなど狂気の沙汰だ。仮にそうした一般的なレールに乗っかっていても、プライベートに欠陥があるとダメだしを受ける。いい歳して結婚していないのはおかしい、子どもを作らないなんて人間としての義務を果たしていない……。
世間様からの突き上げに限界がきた筆者は、すべてを諦めた。会社をやめ、イラストレーターになり、ほどほどにのんびり生きることを選んだ。こうした経験を経て、「この努力至上主義社会はおかしいのではないか」と書かれたのが、本エッセイなのだ。
「努力は、必ず報われるわけじゃない。自分が『こんなにも』努力したのだから、必ず『これくらい』の見返りがあるべきだという思考こそが苦悩の始まりだ。」
「あやうく一生懸命生きるところだった」というタイトルではあるが、中身はペシミズム一辺倒ではない。「試しもせずに諦めると、諦めたことは心の片隅にずっと残り続けるから」だとか、「僕らには挑戦する権利がある」など、割と前向きな言葉も多い。筆者が呈しているのはただの厭世論というよりもむしろ、韓国という特定の社会に対する不満であると言えるだろう。
本書の面白いところは、韓国の社会システムと日本の社会システム――受験勉強→就職活動というルートや、家父長制――が似ており、筆者の嘆きが決して対岸の火事とは思えない部分にある。もちろん、韓国ほどラディカルではないものの、筆者の心をくじいた要素は、日本においても広く散見される。
他人事だけど、どこか他人事とは思えない。そうした距離感の絶妙さがこのエッセイの醍醐味だ。
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【メモ】
全力で走り続けているのに、良いところの一つもない敗者。
あと10分我慢して登れば山頂だと言われてひぃひぃ登ったのに、10分経っても頂上は現れなかった。
もう少しだよ、本当にここからあと10分だから……。その言葉にダマされながら40年も山を登り続けてきた。ここまで登ったついでにもう少し登って見ることもできる。必死に登り続ければなにか見えてくるかもしれない。でも、もう疲れた。気力も体力も底をついた。
チクショウ、もう限界だ。
これ以上、負けたくないから、一生懸命をやめた。
そもそも、誰と戦って何に負けるのかは、さっぱりわからない。
努力は、必ず報われるわけじゃない。
自分が「こんなにも」努力したのだから、必ず「これくらい」の見返りがあるべきだという思考こそが苦悩の始まりだ。
ほんの少し顔を上げて周囲を見渡すだけで、ほかの選択肢がいろいろとあると気づくのに、執着してしまうとそれが見えなくなる。
たった一つ、この道だけが唯一の道だと信じた瞬間、悲劇が始まるのだ。
会社員時代、自分の時間をほしがっていた理由は、何かをしたいからではなく、何もしたくなかったからではないか。ひょっとして僕らは、本当の自分の望みを知らないまま、どうでもいいモノやコトでこの渇いた気分を満たしているのかもしれない。
本当にやりたい仕事は「探す」のではなく「訪れる」ものなのだ。
ひょっとすると、僕らは仕事に対し、あまりにも多くのことを望みすぎているのかもしれない。食べていくのは大前提として、お金をたくさん稼げるほどいいし、自己実現もできて、面白くて、そこまできつくなくて、それに休みも多くて、尊敬されて…
それってどんな仕事だろう。
時代が変わっても、教育は変化についていけずに古い価値観を押し付け続けてきた。夢ではなく成功を教える教育のことだ。
しかし、ここ数年でいきなり態度を豹変させた。若者たちに「夢を見ろ」と言い始めたのだ。
その言葉が上滑りにしか聞こえないのは、僕らの社会が夢を見て何かを成し遂げるには困難な「正解社会」だからだ。
思いっきり夢見ることが許される世の中になってほしい。心からそう思う。そして何よりも、特別な夢なんかなくても幸せでいられる世の中であってほしい。
人はそれぞれ、その人なりの速度を持っている。
自分の速度を捨てて他人と合わせようとするから、つらくなるのだ。
そう、人生の大半はつまらない。だから、もしかすると満足できる生き方とは、人生の大部分を占めるこんな普通のつまらない瞬間を幸せに過ごすことにあるのではないか?
世界は僕らが不幸だとダマしている。不幸になりたくないなら、もっと所有しなさいと囁きながら。本来はない欲望を生み出してこそ、資本主義経済が回転していくから。
そんな資本主義社会で騙されることなく生き抜くのは、たやすいことではない。騙されていないか、常に自分自身に問いかけることが大切だ。
「今の自分の欲望はどこから来たものか?」
「自分の人生は本当に不幸なのだろうか?」
「世間に騙されることなく生きているだろうか?」と。
期待すれば期待するほど、人生が「これっぽっちの人生」としか思えなくなる。自分の願いとかけ離れた「引きずられていく人生」としか思えなくなってしまう。
あまりに結果を得ることだけを急ぎ、過程は「結果を得るために我慢する時間」くらいに考えていた。その過程だって十分に楽しめたはずなのに。
結果のために耐えるだけの生き方じゃだめだ。課程そのものが楽しみなのだ。 -
文章が語り口調でユーモアがあって読みやすかった。
韓国のサラリーマン兼イラストレーターだった著者が、サラリーマンを辞めて自由に生きてみて思ったことが綴られている。
一生懸命頑張れば手に入ると信じて頑張っていたけれど、何かが違うと思い始めた時、肩の力を抜くのには最適な本だと思う。
何かに一生懸命になることはとても大切なことだと思うけど、それが執着になると人生を見失いかねないし、諦める勇気が必要になることもある。
人間は生まれつき不公平で、努力は必ず報われる訳ではない。思い通りに行かないことのほうが多いかもしれない。でも、社会が言う「正解」を忘れて、自分の人生を認められたら、幸せを感じられるんじゃない?
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韓国の本ですが、大変読みやすくて人生の指南書になると思います。
こういう本があること、こういう考え方があることで人生楽しく豊かに生きられると改めて思いました。
究極この考えがあれば自殺は減るんじゃないかと…韓国は日本より学歴社会が横行してると聞きますからね…
人によって価値観は違うし自分は自分でいいと思いました。他人と比べない、求めすぎない、努力は報われない事を知った方がいいですね。諦めも肝心です。マイペースでいいんですよね。他人は他人ですから。
『たくさんの物語を知ることはより多くの理解を得ることにつながる。重要な自己理解書』
このフレーズ大好きです。色んな小説を読むことで色んな人の考え方に触れる事ができて色んな考え方ができますからねー -
世の中、富士山やエベレストに登れた人が、ハイ人生の成功者です、という予め正解が設定された社会だけど、そもそも山に登ることにすら興味のない僕も十分楽しい人生送れてますけど、そんな生き方もあってもいいんじゃないでしょうか、というエッセイ本。随所のパンツ姿のイラストがこれまた脱力系でなんとも言えない。
今疲れちゃっている人は、こういう生き方でも良いんだという自己受容に繋がり、今踏ん張りどきの人には、自分を追い込みすぎないための万が一のときの脱出ポッド的な役割を果たしてくれそう。でも今本当に一生懸命やっている人、やろうとしている人には(そもそもこの本を手に取らないかもしれないが)、あまり刺さらないかもしれない。
また、子を持つ親世代にも読んでほしい。この本は画一的な価値観や生き方を子どもに押し付ける社会への反論でもある。子どもに対して、色んな生き方があって良いのだよ、という声をかけてあげたり、むしろ失敗を受容し次への糧にできるよう背中を押してあげられる親でありたいなと思う。ま、まだ結婚もしていないけれど。集団生活至上主義な教育の中では、人と違うコトをすることへの恐怖感は増す。失敗は成功のもと、とはよく言われたものだが、シンプルでありながらそれをすんなり受け入れられているオトナって実はあまりいないのではないかなと思ってしまう。自分含めて。
"自分の人生なのに、自分の気持ちなのに、どうして他人の評価によって大丈夫だったり大丈夫じゃなかったりするんだろう?"42
"世の中にはたくさんの道が存在する。一つの道にこだわりすぎるのは、ほかの道をあきらめていることと同じだ。あまりにもつらく、耐えがたいならあきらめろ。あきらめたって問題ない。道は絶対、一つじゃないから" 62
"そうだ、本来楽しむことが目的のなぞなぞに、僕らはあまりにも死に物狂いで挑んでいるのではないか?答えを探すことだけに集中し、問題を解く楽しさを忘れてはいないだろうか?" 80
"それでも僕らは検索する。失敗したくないから。自分にピッタリのものを探し、無鉄砲にチャレンジするよりも、失敗しないと検証された中間以上を選ぶ。そうしてだんだん自分の感性が退化して、いつしか自分の選択を信じられなくなっていく。自分がどう感じたかよりも他人がどう感じたかが重要になり、選択権を他人にゆだねてしまう現代の僕ら。たった食堂一軒、映画の一本さえ、失敗を恐れ、勇気を出せないでいる。"
"自尊感が低い人たちは、自身を過大評価し、素晴らしい人間だという幻想を持っている。この幻想と現実のギャップが大きいほど、悩みも大きくなるのです。...自分はこんなに立派なはずなのに、現実の自分は惨めで取り柄もなく、認められてもいない。...幻想の姿に自分を合わせようと抗うことは好ましくない。幻想を捨て、ありのままの今の姿を認め、愛しなさい。自分はまあこのくらいの人間なのだ、それでも悪くないね、と。" 236-237-
2021/05/05
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2021/05/07
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コメントありがとうございます!
手帳に書き写すなんてすばらしいです!!
そうです、リセットと充電です!「...
コメントありがとうございます!
手帳に書き写すなんてすばらしいです!!
そうです、リセットと充電です!「帰り道が約束された旅行」というのが、わたしにはすごくしっくりきました。
非常に読みやすく、言葉が刺さってくる作品でした。ぜひ、一人の時間やお仕事へ向かう道中で読んでみられるといいかもしれません。
よろしければ感想を共有しましょう^^
お仕事、ゆったりとやっていきましょう♪
naonaonao16gさん。お返事ありがとうございます。
この本は、以前から本屋さんで気になっていたのですが、今日
nao...
naonaonao16gさん。お返事ありがとうございます。
この本は、以前から本屋さんで気になっていたのですが、今日
naonaonao16gさんの感想を読み、私の気持ちを押してくれました☆そして、いい日曜日を過ごす事ができました。
明日買いに行って来ます!
これからもよろしくお願いいたします^ ^
この本は私も前から気になってい...
この本は私も前から気になっていて、読みたいリストに入ってるのですが、私も東方神起のユノが大好きで共通点を見つけてしまい、コメントしちゃいました!(といっても、最近はヲタ熱下がり気味ですが、TONEの時はヲタ熱がピークで、ライブあちこち行きまくってました)
私は真面目に考えすぎてしんどくなることが多くて、この本は気持ちを楽にしてくれそうなので、naoさんのレビュー読んで一層読みたくなりました!
またちょこちょこレビュー読ませてもらいますね(^^)