世界標準の経営理論

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  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (832ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478109571

感想・レビュー・書評

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  • ふぅ、なんとか最後まで読み終わった、というのが正直なところ。たしか出口治明氏の『還暦からの底力』で紹介されていて、興味を持ったのだった。参考になる部分は多々あったと思うけど、なにせ800ページの大著。一口で説明することはできない。経営学って、よくわからないなという思いは、必ずしも今も払拭されたわけではないんだけどね。ただ、変化が激しく、どうしたらいいかわからない場面においても、判断、決断はくださないといけない。そうした場合の軸になるものを与えてくれる枠組み、くらいな感じなのかな。一応、通読はしたので、今後は参考になりそうなところを拾うリファレンスとして手元に置こう。

  •  平易に書かれた読み物。読書に慣れてる高校生なら読める程度の難易度だと思う。
     「○○大学のティモシー・ルエフリの研究によれば……である」という叙述スタイルなので、とても威厳を感じる。タイトルもかっこいい。
     難しい本が苦手で、かといってあからさまに易しい本は自分のプライドが許せない……そんな見栄っ張りなビジネスマンにオススメの本。

    【書誌情報】
    著者:入山章栄(1972-)  経営学者。元・経営コンサルタント。
    定価:本体2,900円+税
    出版社:ダイヤモンド社
    発行日:2019年12月
    判型:A5版 並製
    頁数:832
    ISBN:9784478109571
    NDC:335.1 経営学
    https://www.diamond.co.jp/book/9784478109571.html

    【主要目次】
    『世界標準の経営理論』を手にされた方へ

    序章 経営理論とは何か
      いまこそビジネスに経営理論が求められる、3つの理由
      column1 理論とフレームワークの違い
      column2 世界の経営学のトップ学術誌

    第1部 経済学ディシプリンの経営理論
    第1章 SCP理論
     「ポーターの戦略」の根底にあるものは何か
    第2章 SCP理論をベースにした戦略フレームワーク
     ポーターのフレームワークを覚えるよりも大切なこと
    第3章 リソース・ベースト・ビュー(RBV)
     バーニーの理論をようやく使えるものにしたのは誰か
    第4章 SCP対RBV、および競争の型
     ポーター vs. バーニー論争に決着はついている
    第5章 情報の経済学①
     「悪貨が良貨を駆逐する」のはビジネスの本質である
    第6章 情報の経済学②(エージェンシー理論)
     人が合理的だからこそ、組織の問題は起きる
    第7章 取引費用理論(TCE)
     100年前も現在も、企業のあり方は「取引コスト」で決まる
    第8章 ゲーム理論 ①
     この世のかなりの部分はゲーム理論で説明できる
    第9章 ゲーム理論 ②
     我々は人を「無償」で信じるか、それとも「合理的な計算」で信じるか
    第10章 リアル・オプション理論
     不確実性を恐れない状況は、みずからの手でつくり出せる

    第2部 マクロ心理学ディシプリンの経営理論
    第11章 カーネギー学派の企業行動理論(BTF)
     経営理論は名経営者の教訓を裏付ける
      column アッパーエシュロン理論
    第12章 知の探索・知の深化の理論①
     「両利き」を目指すことこそ、経営の本質である
    第13章 知の探索・知の深化の理論②
     「両利き」は戦略、組織、人材、経営者のすべてにおいて求められる
      column その他のレベルの「両利き」の研究
    第14章 組織の記憶の理論
     日本企業が「組織の記憶力」を取り戻す術は何か
    第15章 組織の知識創造理論(SECIモデル)
     これからの時代こそ、「野中理論」が圧倒的に必要になる
      column ナレッジ・ベースト・ビュー
    第16章 認知心理学ベースの進化理論
     組織の成長は「進化するルーティン」で決まる
    第17章 ダイナミック・ケイパビリティ理論
     企業が変わる力は組織に宿るのか、個人に宿るのか

    第3部 ミクロ心理学ディシプリンの経営理論
    第18章 リーダーシップの理論
     半世紀を超える研究が行き着いた「リーダーシップの境地」
      column その他のリーダーシップ視点
    第19章 モチベーションの理論
     半世紀を超えてたどり着いた新時代のモチベーションとは
    第20章 認知バイアスの理論
     認知の歪みは、組織で乗り越える
      column マインドフルネス
    第21章 意思決定の理論
     意思決定の未来は、「直感」にある
    第22章 感情の理論
     感情のメカニズムを理解してこそ、組織は動き出す
    第23章 センスメイキング理論
     「未来はつくり出せる」は、けっして妄信ではない

    第4部 社会学ディシプリンの経営理論
    第24章 エンベデッドネス理論
     ソーシャルネットワークの本質はいまも昔も変わらない
    第25章 「弱いつながりの強さ」理論
     弱いつながりこそが、革新を引き起こす
    第26章 ストラクチャル・ホール理論
     「越境人材」が世界を変える、そのメカニズムとは
    第27章 ソーシャルキャピタル理論
     リアルとデジタルのネットワークで働く、真逆の力
    第28章 社会学ベースの制度理論
     「常識という幻想」に従うか、活用するか、それとも塗り替えるか
    第29章 資源依存理論
     小企業が大企業を抑え、飛躍する「パワー」のメカニズム
      column 産業連関表
    第30章 組織エコロジー理論
     変化の時代にこそ不可欠な「超長期」の時間軸
    第31章 エコロジーベースの進化理論
     生態系の相互作用が、企業進化を加速する
    第32章 レッドクイーン理論
     競争が激化する世界で、競争すべきは競争相手ではない

    第5部 ビジネス現象と理論のマトリックス
    第33章 戦略とイノベーションと経営理論
     近未来に戦略とイノベーションは融合し、理論も重層化する
    第34章 組織行動・人事と経営理論
     これから人事がさらに面白くなる、5つの背景
    第35章 企業ガバナンスと経営理論
     あるべきガバナンスを考え抜く時代に、必要な理論は何か
      column 企業倫理と経営理論
    第36章 グローバル経営と経営理論
     「国境」の本質を見直すことが、グローバル経営の未来を映し出す
    第37章 アントレプレナーシップと経営理論
     アントレ領域が拡張する未来に、起業家をどう育てるべきか
      column 起業家の個性・特性に関する実証研究
    第38章 企業組織のあり方と経営理論
     「5つのドライビングフォース」が示す、未来の企業組織の姿
    第39章 ビジネスと経営理論
     現代の経営理論はビジネスを説明できない

    第6部 経営理論の組み立て方・実証の仕方
    第40章 経営理論の組み立て方
     ロジックの賢人ほど、「人とは何か」を突き詰める
      column さらに知っておくべき理論構築のチェックポイント
    第41章 世界標準の実証分析
    ビジネスの実証分析は想像以上に身近で、とてつもなく深い
    終章 経営理論のさらなる視座
     経営理論こそが、あなたの思考を解放する

    『世界標準の経営理論』を読んでくださった方へ

    索引

  • コスパがとても良い本。
    読みやすく書かれた刺激ある800ページの本が、2900円である。
    辞書みたいだけど、何かの雑誌向けに何年もかけて書いたものを集めたからか、とても読みやすい。

    理論は、how、when、whyに応えるものというのは、学生にも読ませたい一文である。多くの研究者が再現性ある真理を求めて研究しているのだから、多くの気づきがあって当然ではあるが、なにより、今自分が興味があるのは何かということが俯瞰して読むことでわかるのは大きい。

    例えば、企業に勤めている中でアドバース・セレクション、エージェンシー問題は本質的な問題だが、どのような対応があるのか。企業のビジョンを考える際、どのようにモチベートしていくのか。

    今後、SH理論とか、業績が上がっている経営者を分析した結果から、違う業界に転職し、イントラパーソナル・ダイバーシティを高める必要があるのではないかとと考えたり。

    3日位読むのに時間はかかるが、毎年読めば、毎年異なる気づきが得られるかもと思わせる良い本でした。

  • 02.09.04(金)晴

  • 335

  • ・SCP理論 構造、遂行、業績
     完全競争〜完全独占のどこに位置してるか。
     独占ならずとも寡占も儲かる。ビールやシリアル、コーラなど。この状態は参入障壁の大きい業界に起こりやすい。大規模生産すれば平均費用安くなる。一定線を越えれば他社は算入できなくなる、規模の経済。

    ・SCPのフレームワーク①⇨5force
      潜在的な新規参入企業、競合、顧客の交渉力、
      売り手の交渉力、代替品の存在

    ・SCPフレームワーク②⇨

  • 史上初の世界の主要経営理論30を完全網羅した解説書です。
    ビジネスパーソンが考え抜くための羅針盤になること必至。
    とにかく分かりやすく、面白いです。
    800ページの大著ですが、一気に読めてしまいます。
    世界の最高レベルの経営学者の英知の結集が、初めて完全に体系化された本です。
    経営理論の教科書となる本です。
    本書の最後の方にある、「現代の経営理論はビジネスを説明できない」という事実には衝撃でした。
    超お勧めです。
    面白かった!

  • 経済学の出発点である「完全競争」の概念の説明に始まり、時代とともに進歩してきた経営理論を時系列・段階的に学ぶことができる。

    経営理論の特に重要な目的は、即ち経済学、心理学、社会学のいずれかの人間・組織の思考・行動の根本原理をもって、経営・ビジネスにおける「なぜそうなるのか(why)」を説明することであると、筆者は述べている。

    まさに本書で述べられている理論はその通りで、日々のビジネスを思い浮かべながら読み進める中で、所属する組織の状態や自分の思考を客観的に捉えることが出来たことは有意義だった。

    特に、イノベーションを起こすためには、「(未知の領域ねな)知の探索」を進める必要があるが、企業・組織は「(既知の)知の深化」に傾斜する傾向がある、という内容は、自分が行動したいと思っていることの後押しともなった。

    800ページ超の大作ながら個人的にはその内200ページ程(特に後半)はパラパラ読みで良かったと感じる内容もあったこともあり、星は4つ。

  • 分厚くて通して読むのは大変(完読はできていない)。経営的な視点が必要な際に参考書として活用。

  • とりあえず現時点の代表として保管。

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著者プロフィール

入山 章栄(イリヤマ アキエ)
早稲田大学ビジネススクール教授
1972年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。三菱総合研究所で主に自動車メーカーや国内外政府機関へのコンサルティング業務に従事した後、2008年にピッツバーグ大学経営大学院よりPh.D.を取得。ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクールのアシスタントプロフェッサーを経て、2013年より現職。専門は経営戦略論、国際経営論。主な著書に『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社)、『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版)、『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』(日経BP社)のほか、Strategic Management Journal、Journal of International Business Studiesなどの国際的ジャーナルへの論文発表も多数。

「2022年 『両利きの経営(増補改訂版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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