とにかく仕組み化 ── 人の上に立ち続けるための思考法

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478117743

作品紹介・あらすじ

3千社以上が導入したマネジメント法・識学。「とにかく仕組み化」という考えを元に、ルールによって問題解決をする方法を伝授。

感想・レビュー・書評

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  • 会社の評価は仕組み化により、よりよく比較し、評価できる。組織の中では誰もが歯車になっていくのが組織としては良い。1人の天才に頼っている会社ではダメ

  • 属人化は良くない、そんなことは大抵の人は分かっているはずだけど、じゃあどうしたらいいのかが分からない。その答えが“とにかく仕組み化”。
    おっしゃる通り。メッセージは単純明快。
    「かけがえのない人になるな」「会社の歯車となれ」「得意なことだけ頑張るのではなく、なんでもソツなくこなせ」等の一見逆張りに思えるような目を引くメッセージの数々。どれも詳しく読めば内容は理解できる。

    思えば新入社員の頃から「もっと頑張れ」とか「もっと気をつけろ」みたいなアドバイスや説教ってあまり意味無いなーと感じていたので、この本の考え方はすごくしっくり来た。既に実践してることも多かった。

    『リーダーの仮面』は抵抗を感じる記述も少なくなかったが、この本は当たりだった。書かれていることは一般化されたグランドメッセージばかりだから、具体的にどう落とし込むかは自分で考えなくちゃいけない。

  • 「余人をもって代えがたし」という言葉を時々耳にするが、私は未だに良いイメージで捉えていた。

    私自身、前任者や他の同僚が思いつかないような施策を発案・実行することで、「オンリーワン」としての価値が向上し、評価(人事考課)に直結すると思い込んでいた。何らかの実績を上げたことに対して、その手法を公開するのではなく、実績だけをアピールしていたわけである。そして、陰で行っている大量の作業や複雑な手順は絶対に公開しない。

    上長や経営層にとっては、扱いづらい社員になっていたのだろう。要は、全体を作動させる「仕組み」の一部として(歯車として)機能していなければ、評価はされないわけである。

    この本では、「明確な線引き(ルール決め)」「上長・部下とのほどよい距離感」「ヴィジョンを示す」「帰属意識を高めさせる」などなど、スタッフが同じ組織で成長し続けることができるように(部下が退職しないように)、リーダーとして仕組みを整える心得が解説されている。

    ただし、決してリーダー向けの本ではない。もちろん「仕組み」を作ることができる立場はリーダーだけだが、労働者としても、早いうちから「仕組み」を理解することが重要。自分の職場に不満がある人、評価に納得のいかない人にも一読いただきたい。

    転職のために退職する人が「俺がいなくなったらお前たちは本当に大変だぞ。俺がどんなに大変だったかお前たちは知らないだろ!」という感情を露わにしていた。私自身も若いころにそのような感情を抱いた経験が少なからずあり、この本を読んで改めて反省した。

    これからは他人との比較を気にせず、大きな功績は求めず、わざとらしく自分のPRをせずとも、「歯車」として動きながら過ごしていきたい。一見、つまらないサラリーマンに落ちぶれたと思われるかも知れない。でも「誰に聞いたら良いのか分からないので、あなたに相談しました」と声をかけてもらえるような存在でありたい。

  • やることが決まってしまって今の自分の仕事が
    属人がしてるので、何かきっかけになるかと思い読みました
    誰か1人が体調崩すとフォローしにくい環境は
    不味いかと思ったのがきっかけです
    職場の
    周りに声をかけて少しでも良いふうに
    動いていきたいと思います

  • 良書、わかりやすかった

    本書のメッセージとは、『マネージャーの仕事とは、誰にかわっても業務が回り続けるために、仕組みづくりをすること』です。
    そして、個人の役割は、組織の歯車となって生きる覚悟を持てです。
    そして、そのためには、人をどう動かすか、ということが語られています。

    気になったことは以下です。

    「仕組み化」とは、「ルールを決めてちゃんと運営すること」
    協力せざるを得ない仕組みを、人の上に立つ人が作り上げる
    仕組みがあれば、ピンチを救える、そのためには、組織の中で替えが利くようにしておく、つまり、自分がいなくても回る仕組みを作る です。

    ■なぜ、仕組み化なのか

    ・個人を責めるな、仕組みを責めよ
    ・プロはルールを決め、線引きをして、仕組みを守り切ります
    ・仕組み化の反対は、属人化です。
    ・マネージャーは属人化を壊す存在でなければなりません
    ・何も言わない人、優しいからではありません、見捨てているのです
    ・優秀な人が不在でも、チームとして機能することで勝てる組織、それが、優秀な組織です
    ・会社の判断 
     ちゃんと成長したい人が成長できるかどうか
     不適切な人にはバスを降りてもらう

    ■正しく線を引く

    ・「属人化」ではなく、「仕組み化」に頭を切り替える
    ・人の上に立つ人はルールを決める責任がある
    ・権力とは、権利を持つことが許された人が、それを正しく行使するということ
    ・上司が、「そのルールはおかしい」と判断するのなら、「悪い権利」としてつぶさなければなりません
    ・上司が許可したなら、他の社員に前もって了承をもらう必要はありません
    ・人の上に立つなら、主語は絶対に「私」であるべきです
    ・「任せる」とは、明文化した責任と権限を与えることです
    ・「何をしなければならないのか」、「そのために何をやっていいか」その線引きをするのです。
    ・大事なポイントは、「上司は一人である」ということです。一人だから、部下はまよいません。
    ・客観的に誰が見てもわかるように、ちゃんと文章にして共有する
    ・「能力」よりも「機会」が先にある。リーダーに任命して、「責任」と「権限」を与えて育てる。あくまで機会を与えるのみ
    ・優秀さとは、その組織に入ることで、いかに適応し、成長するかです。「仕組み」によって組織に合わせていく能力です

    ■怖い人

    ・仕事で求められる基準は高い
    ・中途半端な仕事では評価してくれない
    ・フィードバックが適切で反省する そういう人が、本質的に怖い人です

    そういう上司のもとで働くと
    ・手を抜いたことを見抜かれる
    ・言い訳が通じない
    ・ルールを守らないと指摘される 基準が明確で、誰が見ても、「理不尽な部分」がありません

    ・悪い怖さというのは、人格否定などをすることです

    ・明文化されたことについて指摘するだけです。書いていないことで罰を与えてはいけません

    ・怖さの定義を押さえた上で、人を動かすもの、それは、「危機感」です。

    ・人の上に立つ人は、距離感を保つ、制限時間をつくる という仕組みを実践してみてください。

    ・人間は、人間である限り、ずっと満たされないのです。満足した瞬間というのは、成長が止まるときです。
    ・どんな仕事でも、やり続けると、つねに新発見があり、壁が現れます。それは、仕事をすることで解像度が高くなりからです。それが一生続くのです。

    ■比較と平等

    ・いかなるときも、「成長したい人」を基準に判断しましょう。「成長する機会」を奪わないことです。
    ・ルール、基準は、人の上に立つ人が、明文化して伝える
    ・人の上に立つ人は、人ではなく、仕組みを見る。それは、「平等を保つため」です、
    ・頑張った人に報いるのが、本当の「平等」です。
    ・「負けたことを正しく認識し、危機感が芽生える」⇒「次こそは頑張る」
    ・評価すべきものを評価する、評価すべきでないものを評価しない
    ・明文化されたルールの中で評価を下されているわけですから、納得して受け入れるしか選択肢はありません。他人や環境のせいにできないのです。
    ・仕事の悩みは、「競争がつらい」からおこるのではありません。「人間関係のなやみ」が原因です。
    ・降格した人を特別にサポートすることはしません。
    ・まず、押さえておいてほしいのが、やる気を出させてあげたり、頑張る理由を与えたりしないということ、モチベーション管理をしないということです
    ・プロセスをほめることがただしい、結果がついてきていなくても、過程をがんばっていたら、それを評価しよう

    ■企業理念

    ・仕組み化とは、あくまでも目指すべきゴールがあってこそ、つまり、手段です。
    ・そんなに不満があるなら、早く成長して人の上に立ち、自らの責任において「仕組み」を変えればいいのです。そのチャンスは、全員に与えられているはずです。
    ・伸び悩む人が、うまくいっている人に話を聞きにいく。人の上に立つ人が、「聞かれたことは隠さずにオープンにすること」というルールを設けておくことも必要です
    ・意思決定は、上から下に行われます。ただし、下から上に情報をあげることは正しい
     トップダウンの側面もボトムアップの側面もあるということです。

    ■進行感

    ・会社が変わる とは、会社の仕組みが変わる ということです
    ・会社全体で社会に貢献し、企業理念へと近づいていく。 一人ではとても手に負えないような大きなことができている という感覚を覚えます
    ・腹を据えて、一つの組織を大きくしていく、マネジメントを軽視しないでほしい
    ・会社が企業理念の実現に血がづいていく実感が得られることによる進行感がもっとも大切です。
    ・アウトソーシングの限界とは
      進行感がえられない
      いざ、いらなくなったときに、一気に仕事がストップします、契約がきれれば、それでおしまい
      同じ仲間という意識が芽生えません
      育てる、育つという目的が発生しないのです

    目次
    はじめに 人の上に立ち続けるための思考法
    序章 なぜ「とにかく仕組み化」なのか
    第1章 正しく線を引く―「責任と権限」
    第2章 本当の意味での怖い人―「危機感」
    第3章 負けを認められること―「比較と平等」
    第4章 神の見えざる手―「企業理念」
    第5章 より大きなことを成す―「進行感」
    終章 「仕組み化」のない別世界
    おわりに

    ISBN:9784478117743
    出版社:ダイヤモンド社
    判型:4-6
    ページ数:320ページ
    定価:1600円(本体)
    発売日:2023年05月30日第1刷発行
    発売日:2023年06月13日第2刷発行


  • 企業で何かあれば仕組みかに目を直ぐ向けられているか?というとかなり懐疑的です。
    ミス、経営理念、あらゆるものをスタッフに任せず、感情に任せず、仕組み化をすることのメリットが理解できました。

  • 話題作「リーダーの仮面」「数値化の鬼」に続く第3弾のような位置付けである一冊。
    この3冊の関係について、著者は、このように述べています。
    ・マネジャーとしての実践は「リーダーの仮面」、プレーヤーとしての実践は「数値化の鬼」、最後の仕上げとして、「仕組み化」の考えを理解し、仕事に役立ててほしい
    ・プレーヤー時代は「数値化の鬼」を、マネジャー1年目には「リーダーの仮面」を、さらに上を目指していくには「とにかく仕組み化」を、それぞれ読むことで組織のピラミッドは完成する
    副題が「人の上に立ち続けるための思考法」とあるように、本書は、経験を積んだマネジャー向けのような印象がありますが、個人的には、自らの責任と権限の範囲におけるリーダーシップを語っている内容とも読めるため、大きな組織の所属する人はもちろんのこと、すべてのビジネスパーソンが読むべき内容と感じました。
    冒頭、次の2文を示し、これまでの常識に疑問を投げ掛けます。
     『組織のなかで、「替えの利かない人」は、今の位置にとどまる。
     「歯車として機能する人」は、人の上に立てる。』
    本書の目的について、著者は、「人の上に立つべき人」に向けて、仕事の型になる「仕組み化」の考え方を伝えるものだとしています。読む前の印象としては、「仕組み化」という言葉から、マニュアルや報連相といった、型にはまった内容かと想像していました。
    しかし、「仕組み化」の反対は「属人化」とし、属人化のリスクを理解した上で仕組みを構築することの重要性を考えます。仕組みは創造性を阻害するものではないか、という疑問は全く当てはまりませんでした。
    また、構成としてこれまでの著書と同様、各章の終わりに質問を投げ掛け、理解を深める工夫をしていることも特徴です。
    組織で働くことの重要性、そのための仕組み化の重要性を説きながら、現代社会の課題にまで言及しています。組織のあり方とは何かを考えさせられる内容です。

    ▼「とにかく仕組み化」のための5つの考え方
    ①「責任と権限」を手に入れる
    →決めたことを守り切るようにすること
    ②「危機感」を利用する
    →正しい恐怖を感じ続けるようにすること
    ③「比較と平等」に気をつける
    →正しく人と比べる環境を整えること
    ④「企業理念」を再認識する
    →自分がどこに向かっているかを迷わないこと
    ⑤「進行感」を感じる
    →他者と共に大きなことを成し遂げること


    <目次>
    はじめに 人の上に立ち続けるための思考法
    序章 なぜ「とにかく仕組み化」なのか
    第1章 正しく線を引くー「責任と権限」
    第2章 本当の意味での怖い人ー「危機感」
    第3章 負けを認められることー「比較と平等」
    第4章 神の見えざる手ー「企業理念」
    第5章 より大きなことを成すー「進行感」
    終章 「仕組み化」のない別世界
    おわりに

  • 「危機感」を生み出す仕組みを作るという章の中の「距離感」や「制限時間」の仕組化という話が参考になりました。ゆるいブラック企業にならないためには、正しい危機感を持つことが必要=安全の中で、出来るだけ追い込む仕組みが必要であり、そのためにどうするか?

    緊張感がなくなる要因は、頻繁に会い、仲良くなってしまうと緊張感がなくなること。マネージャーはとにかく時間をかけて仲良くなれば良いと思いがちだが、著者は、適正な緊張感を保つために「打合せは週に1回30分のみ」など頻度と時間を区切ることで「話をし過ぎないことも重要」と言います。

    心理的安全性の向上のために、コミュニケーションや傾聴が重要と言われるなかで、アンチテーゼ的な考え方で面白いし、たしかにそういう面もあるのだろうと思いました。

  • あなたじゃないと、、という麻薬に惑わされず、組織の歯車として働くことが大事。この年になるとよくわかる。
    ルールと仕組みをしっかりと作り運用していく。なんのために仕事をしているのか、厳しい中にも成長感を感じられるような組織が強い!

    プライベートの世界では替えが効かない人であることも忘れずに、、というメッセージも納得。

  • 自分の中で「鬼の仕事三部作」と銘打って読みました。
    プレーヤー、マネージャー、経営者としての3つの視点からすべきこと、帰るべきことを教えてくれました。時に今の自分の思考だと厳しいこともありましたが、納得できない部分はほとんどありませんでした。
    組織として成長する愛すべき歯車になることも、悪くはないのかなと思わせられる本でした。読み直し必須ですね。

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