ルネッサンス ― 再生への挑戦

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478321003

作品紹介・あらすじ

本書は、ゴーン自身が書いた、ゴーンのすべてである。彼は本書で、驚くべき成果を上げたマネジメント手法と経営哲学を惜しげもなく公開する。そして、その根底にある人間観を、5つの文化-ブラジル、レバノン、フランス、アメリカ、日本-を股にかけて疾駆する半生に重ねてオープンに語る。

感想・レビュー・書評

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  •  元ルノー・日産アライアンスCEOのカルロス・ゴーン氏が当時瀕死の状態の日産自動車を再生するために来日し、数年後に執筆した自叙伝的ビジネス書である。
     本書の前半はゴーン氏の祖父母、両親のルーツからゴーン氏の出生、幼少期、少年期、青年期、社会人までの生い立ちの記録のような構成になっている。
     出版された当時、日産自動車の再生の陣頭指揮を執っており、日産リバイバルプランを策定、実行している最中であった。リバイバルプランを策定する際、ゴーン氏はクロスファンクショナリティを強く意識している。
     これは、過去にミシュランブラジル法人の立上げ、ミシュランアメリカ法人の事業拡大、仏ルノー再建での経験を基に構築したゴーン流のマネジメントスタイルである。
     危機の時代、企業に求められるのは強力なリーダーシップである。ゴーン氏にはその力が備わっている。本書の後半では再生するため、ゴーン氏がなにをしたか、何を社内、社員に根付かせたか、ゴーン氏だけでなく、周辺の社員の発言も記録されており、ビジネスで重要なキーワードが織り込まれたビジネス書となっている。
     今一度、カルロス・ゴーン氏の実績を振り返るための一冊である。

  • 人の話に耳を傾ける。相手が有能だと考えて対する。コアコンピタンスの優先度を判断する。

  • 〇成功するビジネスパーソンに必要なものとは?

    ゴーンは学生時代賢い。数学がとびぬけてビジネススクールよりエンジニアリングの大学を勧められる。
    MITも候補にあった。よっぽど賢い。ミシュランからスカウトの電話がかかってくるレベル。

    入社後も最年少で各ポジションの最高職に就任し、結果を出している。
    3年で工場長、ハイパーインフレカ化のブラジルの地域の管理職をそれぞれ最年少で担当。北米の社長を務めたのも30代という若さ。そこからルノーの社長に嘆願されてルノーに入社し、ここでも立て直す。

    基本的にコストカット戦略で全体の秩序を立て直す事に定評があるように感じる。

    ・学生時代の成績、それを得られた能力
    ・入社後の功績、それを得られた能力、そこで得られた経験
    ・国を跨いで仕事が出来るメンタル、能力
    ・どこでもやっていけるという自信

    工場時代に得た「現場の人間と管理職の隔たり」に対するアプローチ、これを日産でのリヴァイヴァルプラン策定においてまで「社員への透明性と厳格なコミットメント」という方針で意識していたように思おう。
    またミシュラン時代に自分自身が「責任と権限を与えられ、信頼されて自分の裁量で仕事を行えた」という事を繰り返し言っている。その原体験があるから、彼も同じように行いマイクロマネジメントは行わず、現場に裁量を委ねている。

    「読み進めていくうちに、ゴーン氏は人の話をよく聞き、それから考え、自分の考えを出来る限り透明性の高い表現で表すこと、またシンプルに話し、言ったとおりに行動するといった、日本のリーダーに従来決定的に欠落していた姿が浮かび上がる。」
    https://cutt.ly/ZyykNbE 別の書籍のレビューだが引用

    日産の検査における不祥事がなぜ発生したのか?は興味がある、ゴーン流の弱点があったということか?

  • 業務の遂行を任せるということは、制約のない権限委譲をする事ではない。
    会社には守らなければいけないガイドラインや優先順位や重要目的があり、これが全社員の活動や、行動を導く。

    アマチュアは問題を複雑にし、プロは明晰さと簡潔さを求める

    まずは耳を澄ませなさい。考えるのはそれからです。大事なのは、自分の考えを可能な限り分かりやすい方法で表現するよう努め、何事も簡潔にし、自分でやるといったことは必ずやり遂げることです。

    新しい仕事をうける時は先入観を持たず常に白紙状態から始める事。

    神は人間に耳を2つ与えたが、口は一つしか与えなかった

    周囲を伺ってばかりいる名前だけの社長では仕方ないし、かといって支配者となって意見や決断を押し付けるのも間違っている。会社にとって最良の決断を下すために最良の中間点を見出す努力を怠ってはならない。

    社長は審判になってはいけない。審判ではなくコーチのように必要に応じて選手をサポートするのだ。
    どうやればいいかを知っている必要はあるが、その方法を細かく教えるべきではない。

  • 日産に舞い降り、「V字回復」を成し遂げた頃を中心に描く自伝。
    「コストカッター」と呼ばれた、ドラスティックな経営手腕がいかに培われたか。

  • 読んだときはあれこれ刺激的だった。とはいえ、著者自身が逮捕されて、あれこれ言われている今読み返すと、なにを考えるだろうなぁ。

  • 「20代で人生の年収は9割決まる(p.37)」で紹介されていた本。

  • ◯ゴムの木の栽培サイクルを短縮することができないように、ビジネスの世界にもプロセスというものがあり、これを尊重しなければならない。(64p)

    ◯そもそも顧客の要求はクロス・ファンクショナルなものである。コストにせよ、品質にせよ、ひとつの機能やひとつの部門だけで応えられるものではない。(172p)

    ◯常にまず、チームを組んだ相手が有能で、仕事についての知識も豊富だと考えて接するべきである。(208p)

    ★ミシュラン、ルノー、日産で低迷する事業を立て直した。フランソワ・ミシュランや、ルイ・シュヴァイツァーなど人との関わりが詳しい。

  • カルロス・ゴーン自筆の半生記。2001年発行。とても読みやすい。
    天賦の才、絶えることないモチベーション、素晴らしい人との出会い、チャンスとのめぐり合わせ。色々な条件が揃ってなし得た、エリートの物語。

    ビジネスマンとして、上には上がいる。そう感じさせ、強い刺激を受ける一冊。

    経営の観点のポイント
    ・クロスファンクショナルチーム(CFT)
    ・従業員のモチベーション向上が肝(組織のアイデンティティ、そこへの帰属意識がモチベーションの源泉。)※社員の自己実現に頼るだけではなく、会社には”重ね合わせる”アイデンティティが必要。
    ・非マイクロマネジメント。裁量の分配。

  • まだ読んだの途中まで。

    個人的なバイブル、
    20代で一生の年収は9割決まる
    内で紹介されてて
    日産に変革をもたらした経営者の
    ベストセラー自叙伝とゆうことで
    非常に期待。

    が。今のところ夢物語すぎて、
    全然役に立たん。

    まだ要の日産に入社したところまで
    いってないけど、
    大学院生活してたら
    いきなりミシュランから
    入社してくれってオファーあって
    トントン拍子に工場長なって、
    ブラジルミシュランの最高責任者として
    30歳にて送り込まれる…

    って数ページで学生やったのに
    30歳なっちゃってるし。

    その経緯が聞きたいのに。
    日産入社してからの内容に期待。


    終盤に差し掛かってきたところで
    やっと少し面白くなってきた。

    企業規模になっても
    成功と失敗の分かれ目は、
    本人と環境の責任転嫁なんやと理解。
    あとカルロス氏の
    人よりも早い段階からの
    行動力は教訓になった。

    クロス・ファンクショナリティとかゆう言葉を
    使ってるけど要するに
    各部門の話し合いが重要とゆう
    実に当たり前な内容。
    でも大きな企業ほど
    当たり前ができなくなるみたい。

    10年後くらいに読むと
    感じ方変わるかも

    カルロス氏の印象的な名言は
    神は人に口を1つ与えたが、耳は2つ与えた
    です。


    カルロスゴーンとゆう人が
    よくわかりました。

    ただ正直な感想は自慢話長すぎ。
    人の日記読んでる気分。
    後半ほとんど読み飛ばし。
    つまらなくて読むのしんどかった。

    私の改革により
    20〜の製造部門の収益が〜%増加したとか知らんがな。
    ゴーン氏が後から自分で読みたいから
    書籍に残しただけなんやろね。


    ただこの本から得たことは、

    ・自分の意見はまず二の次、
    相手を理解しようとしろってこと。
    特に記者との対談や、日産とルノーとのアライアンスより。
    「神は人に口は1つ与えたが、耳は2つ与えた。」

    ・全体の利益の為なら一部の損害、痛みは
    冷酷であろうとも必要。
    特に痛みを伴う決断こそ、早急に行うべし。
    妻への日本行きの決断の告白、
    日産リバイバルプランでの工場大規模閉鎖、
    大規模リストラ、サプライヤーを厳選したことなどより。

    ・クロスファンクショナルチームの重要性。
    各部門の意見のより合わせ。

    ・人の真価は窮地的状況に
    追い込まれたときこそ発揮されるとゆうこと。

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著者プロフィール

ルノー会長、日産自動車会長、三菱自動車工業会長
1954年生まれ。フランス国立理工科大学を卒業。1978年ミシュラン入社、ブラジルミシュラン社長、北米ミシュラン社長を歴任。1996年ルノー入社。1999年日産自動車COOに就任し、2000年同社社長に。2005年ルノー社長、2016年三菱自動車会長。2017年4月に日産自動車会長に就任し、現在に至る。著書に『ルネッサンス』『カルロス・ゴーン経営を語る』

「2018年 『カルロス・ゴーン 国境、組織、すべての枠を超える生き方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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