ウイルスバスターの冒険: トレンドマイクロ創業物語

  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478330920

作品紹介・あらすじ

コンピュータウイルスの誕生期からその撃退に全身全霊を捧げ、ウイルス対策市場を先導してきたトレンドマイクロ。あくまでも陽気で、あくまでも創造的な同社の軌跡を、創業者自らが、余すところなく語り尽くす!「アジアで最高にクールなハイテク企業」と称賛され、日本と米国で株式公開を果たした驚異的な成功の秘密とは何か。

感想・レビュー・書評

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  • (2003.12.17読了)(2003.10.24購入)
    副題「トレンドマイクロ創業物語」
    コンピュータウイルスのワクチンソフトの代表メーカーとしてのトレンドマイクロ。
    日ごろ大変お世話になっております。今年の8月のブラスターウイルスのころからは、そのありがたみをひしひしと感じております。
    トレンドマイクロは、アメリカの会社? それとも日本の会社? などと思ってましたら、なんと台湾の会社でした。日本やアメリカの会社でも間違ってはいないようですけど。
    社長は、台湾の人で、その右腕の夫人も台湾の人でした。そんなことがこの本で分かりました。
    早い時期からコンピュータウイルスに目をつけて早い時期にコンピュータウイルスのワクチンソフト専業に切り替えてきたのはたいした先見の明です。
    最初は、ソフトの不正コピー防止のT-Lockと言うものを扱っていたようです。
    そのうちソフトの不正コピーをすると特殊なプログラムが作動して懲罰を加えるというパキスタン人の開発した「C-Brain」を見つけて入手した。これがコンピュータウイルスの元祖になってしまったものという。このときからウイルスの分析と収集が始まったという。
    1990年のコムデックスにPC-cillinというウイルス対策ソフトを展示したという。このときマイクロソフトは、Windows3.0を出展している。ウイルス対策ソフトは結構注意を引いたという。
    ウイルス対策ソフトの基本は、パターン・マッチング方式といい、既知のウイルスの特徴によってウイルスかそうでないかを判断する方法をとっている。でもこれでは、新種のウイルスは見逃してしまうことになる。トレンドマイクロのウイルス対策ソフトはそれだけではなく、挙動不審者も捕らえるように工夫してある。
    インテルと提携してネットワーク用ワクチンソフトを開発した時は、ユーザビリティ・テストの大切さを学んだという。製品のソフトと説明書を元に誰かにインストールして、実際に使用してもらうテストだという。これによりソフトのユーザーインターフェースの使い勝手や、説明書の不備等が分かることになる。ソフトパッケージの開発会社はみんなこんなことやってるのだろうか?
    PC-cillinの出荷後に、テストがインテルの386CPUだけでしかテストしておらず、286CPUでは動かないことが判明してあわてて回収したという話も載っています。
    Windows95がでたときには、同時期にPC-cillin95を出したというのだからすごい。
    日本への進出は1992年のことで、リンクという会社と販売提携した。
    日本での製品名は、ウイルスバスター。PC-cillinというのは、ピーシーシリンということで、非情に発音しにくいという理由。もっともだ。世界的にウイルスバスターだと思っていたらそうではなく、日本だけの呼び名だというのは驚きだ。

    コンピュータソフトを知らなくても楽しく一気に読める本だ。

    ☆著者
    スティーブ・チャン 張 明正
    トレンドマイクロ代表取締役社長
    1954年台湾生まれ
    1989年米国でトレンドマイクロ設立
    ジェニー・チャン 陳 怡蓁
    1956年台湾生まれ
    スティーブ・チャンと結婚
    トレンドマイクロのグローバル・マーケティング部門統括責任者
    (「BOOK」データベースより)amazon
    コンピュータウイルスの誕生期からその撃退に全身全霊を捧げ、ウイルス対策市場を先導してきたトレンドマイクロ。あくまでも陽気で、あくまでも創造的な同社の軌跡を、創業者自らが、余すところなく語り尽くす!「アジアで最高にクールなハイテク企業」と称賛され、日本と米国で株式公開を果たした驚異的な成功の秘密とは何か。

  • 2000年の本だから、もう6年前か。トレンドマイクロという会社は今でもあるし、ウィルスもなくなってない。実際このpcにも入っているし、電源入れるたびにアップデートしますかと聞いてくる。24時間ウィルスに対応しているんだと思う。買うときは7000円ぐらいするので、どうしようか迷ったけど、ウィルスバスター、買って良かったのだろう。

    で、この会社、スティーブ チャン、ジェニー チャンという台湾人の夫婦が創業者で、この本の著者は奥さんのジェニー チャン。やっぱ頭いいんでしょうね・・・先見の明があるっちゅーか。今じゃトレンドマイクロといえばとにかくスゲー会社なわけだ。この本では最初のころの苦労話なんかが綴られている。

    社内では「サンダル、コーラ、ジーンズ」だってさ・・・ホントかね〜。こういうIT企業なんかの社内ってなんだか大人の遊園地みたいな風情で、仕事してんのかよと不思議でしょうがないのだが。でもこんな会社で働ける人、うらやましーよなーと思う。仕事場のイメージって、先輩格のやつらからボロクソに言われて怒鳴られたりケリ入ったり残業させられたりっていうのがオレなんかはイメージするのだが・・・ぜんぜん違うんでしょうね。

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