- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478373484
感想・レビュー・書評
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戦略マネジャー8つの心得のうち、特に⑤と⑥は、本書が世に出た20年後の今を見通しているのかのようだ。
①「抜去り」の戦略思考を捨て、「先回り」の戦略思考を身につけよ
②「市場に働く重力場」を見定め、「その先の展開」を読め
③「戦略の待機時間」を縮め、「組織の耐久時間」を伸ばせ
④「成功の鍵」を分析するのではなく、「市場の理」を洞察せよ
⑤「山登り」の戦略思考を捨て、「波乗り」の戦略思考を身につけよ
⑥「重層的な戦略」を準備し、「戦略的反射神経」を鍛えよ
⑦「戦略と戦術の垂直統合」を図り、「戦略の創発プロセス」を促せ
⑧「機械的なデザイン」を描くのではなく、「生命的なビジョン」を語れ
本書が世に出てから20年も経っているのに、日本は本書で語られた古いマネジャーばかりはびこっている。本書の説く新しいマネジャーにとって代わることができるのか。この20年、何もしていたのだろうという気持ちにさせられる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでおいて損はない
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10年後の今読んでも色あせることない内容であることがこの本が良書であったことを証明しているかと思います。
私個人としては、弁証法は常に意識しておくべきことだと学びがあった。
それだけでも未来に対する戦略の方法かと思います。 -
<本の紹介>
21世紀、戦略は最高のアートになる。情報化の嵐が「戦略の進化」を加速する時代。いまマネジャーに求められる新しい思考スタイルとは?その先を読め、そこから戦略思考が始まる。その先に戦陣を築け、そこから戦略行動が始まる。
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この本は、戦略系の仕事をしている経営者や管理職、リーダの人たちに限らず、いろんな人が読んでみるといいと思います。自分の将来どうしていきたい、に対してのアプローチが変わると思うので。
以下、自分の勉強になったポイント。
・「危機感」を持つということは一種の「才能」であり、ビジネスにおける「天才」と呼ばれる人々は、例外なく、まさに野性的といえるほどの鋭敏な「リスク感覚」を持っているが、この「リスク感覚」は使わないと「退化」していく。「リスク感覚」を喪失するということが、実は「最大のリスク」である。
・現代の市場においては、先行ランナーがこれまで走った後を追いかけ、追いつき、追い越す、という「抜き去り」の戦略思考ではなく、先行ランナーがこれから走っていく方向を見定め、その場所に最短距離でいち早く先回りするという「先回り」の戦略思考を身につける必要がある。
・戦略とは、決して「楽をする」為のものではない。「楽ができる戦線」を探す為のものではなく、「苦労すべき戦線」を選ぶ為のもの。ビジネスは、それがビジネスである限り、必ずきわめて現実的な苦労や困難に直面する。問題は、どの苦労を選ぶか。
・「ネット革命の本質」とは、「情報主権革命」。これまで「情報弱者」であった人々が「情報主権」を獲得していく革命。
・誰でも容易に欲しい情報を入手できる「情報バリアフリー革命」
・誰でも容易に自分の意見を発信できる「草の根メディア革命」
・誰でも容易に高度な知識を利用できる「ナレッジ共有革命」
・これまでのような「山登り」の戦略思考では、ドッグイヤーならぬシカダーイヤー(蝉の年)では通用しない。「波乗り」の戦略思考(偶然性のマネジメント)が必要になっている。
・単に「瞬時の判断力」や「責任を持った決断力」を身につけただけでは、「戦略的反射神経」を身につけることはできない。それには、「重層的な戦略を準備する」ということが必要。
・重層的な打ち手を準備すること。
・重層的な目標を準備すること。
・「優れた戦略」とは、たとえそれが失敗に終わっても、極めて価値ある何かを残すものであることを理解するべき。
・行動とは、最も洗練された認識のスタイルである。実際に戦術を実行して、現実の市場に働きかけることこそが、その市場を深く理解する為の最良の方法。
まだまだ勉強になったところはありましたが、全部書けないのでこのくらいで。
歴史に学ぶことはもちろん必要だけど、かつて起こったことから学んだことをそのまま活かせる部分と、より現状にマッチした形に加工しなきゃいけない部分が絶対にあって、それをどう見つけるのか。どういう変化がありそうで、その変化があっても大丈夫なやり方ってどんなやり方なのか。
自分の戦略を考える上で、いいヒントもらえました。 -
新しい時代(情報革命によるビジネスの変革)の流れの中で経営者やマネジャーが採るべき戦略とは何か、これからの経営戦略の考え方、について深い思想で分かりやすく説明している。<HR SIZE=1 NOSHADE><key word>
ドッグイヤー、ニューミドルマン、抜去り戦略→先回り戦略、ヘーゲル弁証法、市場の理、山登り戦略→波乗り戦略、偶然性のマネジメント、重層的な戦略、戦略と戦術の垂直統合、創発プロセス、機械論的パラダイム→生命論的パラダイム、暗黙知、矛盾のマネジメント、カオスの縁、戦略はアート
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2001年出版されているが,今読んでも古さを感じさせない良書.8つのポイント?「先回り」?「その先の展開」?「戦略の待機時間↓」「組織の耐久時間↑」?「市場の理」?「波乗り」?「戦略的反射神経」?「戦略の創発プロセス」?「生命的なビジョン」