- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478490341
作品紹介・あらすじ
本書の構成は大きく2つに分かれている。前半部は大局的に問題全体を構想する「問題発見構想編」、後半部は発見した問題をさらに深掘りするための「問題発見分析編」であり、問題を構造的に分解するテクニックを網羅している。
感想・レビュー・書評
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問題とは現状とあるべき姿のギャップ。
これが一番大事。
真の問題を突き止めることができれば、あとは手を打つだけ。すごくシンプルでわかりやすい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
問題発見→問題解決というプロセスが繋がる中、前者にフォーカスを当てた内容。「的確かつ具体的な問題発見が出来ていない」「なぜ、その現象が起きてしまったか」「本当に問題なのか」「問題発見が緻密であれば解決策も相当含まれる」など、問題発見の重要性が並べられている。特に「なぜ、その現象が起きたか」を間違いなく捉えないと、場当たり的な解決、解決しない、次に生かせない、など問題が派生する。
問題の発見のためには「あるべき姿」と「現状」の「ギャップ」を捉える事、そのために戦略的問題発見思考(自らあるべき姿を構想する姿勢)を使いながら、あるべき姿を「問題発見4P」+4つのスキルで押さえ、捉えた問題を深堀するため仮説思考とゼロベース思考をツールにし、「拡がり」「深さ」「重さ」の観点から評価する。
問題発見ができない理由として「あるべき姿を描けていない(+設定されてるが間違ってる)」「現状が分からない」「問題の本質を優先付けできない」「解決策から逆算してしまう」ということがある。現状が分からないはWILLとSKILLに分かれる。浅いギャップでは裏返しの解などに飛びついてしまうことや、ギャップがあいまいなので全部やらないといけないように見えてしまう。
KNOW-WHYで「なぜそれが問題なのか」をしっかり問うことで、従来型である固定化されたあるべき姿とのギャップから問題を導く「オペレーション的問題発見」から抜ける。対して、「あるべき姿を構想する」ことで問題を発見するパターンを「戦略的問題発見」と呼ぶ、また、このあるべき姿を描けていない、描けないケースが増えていく。4つのスキル(統合力、観察力、分解力、判断力=今後は統合力と判断力が特に重要)を基に、4つのP(Purpose,Position,Perspective,Period)のフレームワークを利用する。この中では特に目的が全ての上位に位置する。ここで導き出される問題を、拡がり、深さ、重さの観点で深堀する(この中に解決策を出す一端もある)。
分析に際してのポイントとしてチャート化があり、チャート化にあたり「2次元、SO WHAT?、定量と定性両輪」を意識する。
「拡がり」を押さえるにあたってのツールは、MECE、トレンド分析、+/ー分析、集中・分散分析、付加価値分析(ビジネスシステムに代表される、バリューチェーンに対してかかっているコストを明示する)、CE/CS分析があり、これらで適切に領域を捉える。どういった塊がいるのか、どこは分散しているのか、などでギャップを生み出す要因を明らかにする。
「深さ」を押さえるにあたってのツールは、ロジック、コーザリティ分析(良い循環、悪い循環など事象の因果関係を導き出す。ロジックツリーも員が特定に有用)、相関分析(現象と相関がある因子、ドライバーを選び出し、二次元で分析する)、シェア分析などがあり、現象として発生している事象を論理的に構造化することを目指す。
「重さ」は感度分析(影響因子を特定し結果に与える振れ幅を評価する)、パレート分析、ABC、ピーク分析、リスク・期待値分析がある -
問題解決の本は何冊か読んだが、問題発見の本は読んだことがなかったので、読んでみた。
問題とは「あるべき姿」と「現状」のギャップであり、あるべき姿の考え方や現状を正しく認識するための分析方法がわかりやすく記載されている。 -
20200107
問題解決プロフェッショナルの次の題として、問題発見能力=構想力と分析力を説いた作品。
問題をどのように捉え課題認識するかが、その後の解決策策定に重要なファーストステップになる。ミント氏が言う、SCQで課題設定をする部分である。
その課題設定に当たり、重要な考え方が4Pである。以下詳細。
個別の解決フレームワークについては、使いこなすにはまだまだ訓練が必要だが、大枠を捉えるMECEとロジックツリー、そしてその中から解決策を立てるゼロベース思考と仮説思考は意識して日々暮らしたい。とにかく全体感とSoWhatを考えることで思考力が身に付いていくだろう。
//MEMO//
問題解決のフレームワークは前書を援用しつつ、今回は問題発見の部分=課題設定の部分がテーマであろう。
構想する思考と、分析する技術をシンプルに学びたい。
問題=あるべき姿と現状のギャップ
問題発見できていない4つの問題
①あるべき姿をイメージできていない(ビジョン構想、目標設定)、または間違っている(パラダイム転換)
②現状分析が足りない(WillとSkill)
③解決策の具体化・優先順位ができていない
④実行可能な解決策から短絡的に考えるために、広がりを見失う
問題解決の4つのP
①Purpose 目的軸
・目的意識、意図を持つ。目線を上げて発想を現状の範囲から広げる
②Position 立場軸
・自分と異なる視点を複数持つ
③Perspective 空間軸
・目的の抽象度や視点を上げてみる
④Period 時間軸
・時間軸を未来において考える
分析のチャート化
①2次元でとらえる
②分析から導かれる意味合いを必ず引き出す
③定量分析と定性分析を使い分ける
広がりを捉える
①MECE
②グラフ分析
③+/-差異分析
④集中・分散分析
⑤付加価値分析
⑥CS/CE分析
深さを捉える
①ロジック
②コーザリティ分析
③相関分析
④シェア分析
重みづけを行う
①感度分析
②パレート分析
③ABC分析
④ピーク分析
⑤リスク・期待値分析 -
1.最近コンサルの友達と飲みに行ったところ、話が面白かったので、そんな業界の人達がどのように現実の課題と向き合っているのか知りたくて購入しました。
2.この本は、問題を的確に発見するためにはどうしたら良いかということがコンセプトです。問題を正確に発見できない理由として4つあります。1つは、理想を明確にしていないこと。2つめは、現状把握をしっかりしていないこと。3つめは、問題の本質(構造)を具体化、優先順位付けをしていないこと。4つめは、偏った解決しかやらないため、間違った問題把握をし、理想を見失うことです。
そして、上記を踏まえた上で、どんな能力が必要か、あるいはどんな分析をしていかなくてはならないかが述べられています。
3.「問題を分析するうえで大切なのは、拡がり、重さ、深さの3つが大切だ」と述べたところが印象に残りました。自分は読書量ではそこそこだと思うのですが、考える量が少ないことが目下の課題です。ずっと考えていると、何に着いて考えているのかわからなくなるという迷宮入りすることま多々あります。そのため、自分に合った分析手法を見つけていきます。
また、演習問題をやってみたところ、全然解けないことが多かったです。これは日々やっていくしかないので、定期的に解いて、思考力を鍛えるしかないと思いました。
4.2回/週のペースで演習問題を解いて、思考力を鍛えていきます。 -
問題とはあるべき姿と現状のギャップである。
「あるべき姿」の適切な定義は、適切な「問い」をいかに投げかけられるか、で決まってくるのではないかと思っている。
その適切な「問い」の発見こそが非常に難しく、そこが問題発見の真髄だと思うのだが、「問い」の発見方法についての言及がなかったため、どのようにあるべき姿を定義していけばいいのかわからなかった。
後半には様々な分析方法が載っているが、
その分析方法も問題を発見したあとの解決策を探る段階で使用するツールであり、
問題発見段階(問いを立てる)で使うものではないので直接的には参考にならなかった。 -
ものっすごく面白かった。教科書っぽいけれど、論理的思考の基本的なものが押さえられるのではないかな?いろいろ書きこんじゃって他人に貸せるような状態ではないけど、後輩に貸してあげたい本。買う価値あると思うけど。
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ご本人による研修を受けるにあたって、読みました。
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3月25日(月)読了
20-80の法則
問題も重要な20 %にフォーカスすれば80%は解決できる
事例を用いながら考え方と演習による分析が記載されている。
教科書的で前作に比べ難しいように思えた。
これはやりながら覚えていくのが良いかと思う。
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[出典]
「解像度を上げる」 馬田隆明 P.365
2023.07.08