- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478942161
作品紹介・あらすじ
映画評論家・おすぎの最近7年間にわたる、日記形式の映画評を完全掲載。
感想・レビュー・書評
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もはや映画評論では第一任者になった人だが、おすぎという芸名のせいで何となくデビュー時の胡散臭さが抜けないのではないか? 実際に金城武さんをいう時の口調は、そういう視点から抜け出しません。
実際、同性愛の感性は私には判らない。レッド・クリフは確かに黒沢のコピーだが、それ以前に「ロードオブ」の製作方式に似ていてロードを重ね、その周辺で見てしまう。
いや私の方には国際感覚もないが……ナビィの恋がOKで、双生児がNGなのか、私には判りません。まるっきり判らないとあれば踏ん切りもつくが、障害児映画に対しては同じ評価を出します。
私は、マイフレンドフォーエバー、マイフレンドオブメモリー、サイモンバーチに関して、勝手にシリーズ物と思っていました。おすぎさんによると違う。おすぎさんも3本を並べて支持します。
私の場合は健常児と障害児の友情を通し、人間の連帯を謳った映画で、この点の主張の前にウムを言わせない。先行の1本に啓発され同じ主張の映画が2本続いたらしい。
ここで私には兄弟のピーコさんの事が浮かびます。しかしおすぎには加えてカリエスの姉がいるとあります。感性として同じなのか現実の重複か、怪しくなって私はますます頭を抱え込むのです。
実質的な違いの分かれ目は「山の郵便配達」あたりにある。山はずいぶん評価の分かれた作で、実質は父子の細やかな仕事での伝達を描いています。最後にその伝達が幻想であるト観客に伝わる。
父のような仕事をしていては出世が出来ない、それは母によって明かされます……おすぎさんもラストを無視して、幻想に酔ったまま作品評価とする……らしい。それとも途中で席を立ったか? どちらにしろ父権の死ですね。
「風」とかベン・ハーの能天気な世界観が私は苦手で、グラディエターはローマ帝国の滅亡と重ねて見ました。映画は子供っぽさの肯定かもしれない、おすぎさんを読んでいると思えてきます。
スピルバーグも黒沢もある意味では子供っぽい。まあスピルバーグが特にそうで子供を出すと勢い説得力が出る(笑)恐竜が追ってくるかサメが追ってくるかダンプが追ってくるか、違いは何もない。
風は女性の子供っぽさを描いた映画で、男性映画は男の子供っぽさを描いた世界に過ぎません。風に共感した人がグラディエターを笑うのは、目くそ鼻くその例えです。
ああ、そうか。そういう事なのか……私はリストアップされた映画に納得するのです。ウエストサイド、ロレンス、2001年、太陽がいっぱい……ベストの映画は誰でも同じです。
おすぎはチャップリンを押し、私はリドリー・スコットを押します。そんなに大きな違いではない……(笑)スターウォーズの言及がありますが、ジェイク・ロイドについては「海辺の家」の方がいいのでは? 興行への影響を考える批評なのか。
愛の13夜日記というタイトルもだが、パソコンで長文のブログを読むように、この本は読みにくい。明朝、2段組みになぜしなかったのダイアモンド社さん。詳細をみるコメント0件をすべて表示