菜の花食堂のささやかな事件簿 木曜日のカフェタイム (だいわ文庫)

著者 :
  • 大和書房
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本棚登録 : 371
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479320364

作品紹介・あらすじ

おいしい料理と謎解きは相性抜群!?
大人気のハートフルミステリー!

「あの、ランチが終わったら、ちょっと話を聞いてもらってもいいですか?」
おいしいくて新鮮な野菜たっぷりの料理が評判の菜の花食堂は、

感想・レビュー・書評

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  • 日常の謎のお仕事ミステリーですね。
    『菜の花食堂の事件簿』の五巻目です。
    今回も五話の短篇連作物語です。
    短篇なのだけど、長編の趣もあるので一冊で、『菜の花食堂』『料理教室』で、起きる出来事を味わえる魅力があります。
    今回は、奏太君という小学生を中心として物語が展開します。
    そして、もちろん優希さんの恋愛成長物語も楽しめます。
    靖子先生の名推理と冴え渡り、香奈さんとのタグマッチのお弁当のフェスティバルを皮切りに、『菜の花食堂』は忙しさを加速させます。
    グルメ情報もあり、楽しみが盛りだくさんのこのシリーズ、面白く、ほんわかとお話が進む優しさがたまりませんね。
    次回作が待ち遠しいですね。

  • 菜の花食堂シリーズ第5弾。

    今回は、弁当屋さんのご主人が駅前フェスティバルの2日間限定イベントで菜の花食堂が出店したお弁当を買いたいと来る。
    もともとイベント限定で普段はレストラン中心なのでお弁当は扱わないとのことなのだが…
    一生懸命に頼むご主人に平日に容器持参で特別ということで受ける。
    これが、誰かのためだと気づくオーナーの靖子先生。

    さすがです、子ども食堂に行きたがらない男の子のために手伝いをさせ、簡単な料理を教えていっしょに夕ごはんを食べるという…。
    負担にならずためにもなる良いアイデア、流石だなぁと凄いなぁと思う。

    空き巣事件の謎解きもするっと解決し、最後には優希のために花ことばを教えて川島さんの気持ちをさりげなくわからせるというキューピッド的なことをする。
    なんでもやるやん、靖子先生。

    料理人であることを忘れてしまいそうになるくらい、誰かのために、誰かの悩みを見抜いて解決してしまう今作も納得の癒やし系探偵⁇健在である。

  • 〈菜の花食堂〉シリーズ第五作。

    「こころを繋ぐお弁当」
    ワンコイン弁当をイベントで出したことから始まった、おかずだけ毎日売って欲しいという奇妙な依頼。
    靖子先生の、いつものごとく見守る姿勢から始まった男性の依頼だが、いつものごとく鋭い考察で男性の事情を見抜く。
    靖子先生の良いところはそこで終わりではなくて、ではどうすれば良いかという提案をしてくれるところ。
    こういう落としどころは物語としてはホッとするけれど、現実的には逆に悪く取る人もいるから難しい。

    「木曜日のカフェタイム」
    穏やかな雰囲気の菜の花食堂界隈だが、なんと空き巣が出没しているらしい。しかも事前に下見に来たり親しげな様子で生活パターンを聞きこんだりと準備もしているとのこと。
    緊張感が走る優希だが、そこに強引な怪しい男が客として現れるようになる。
    これは何となく予想が出来た。なんだか当たると嬉しい。

    「キャラ弁と地味弁」
    高校生の娘からインスタ映えするキャラ弁を作ってくれと頼まれ頑張っていたら、ある日突然作らなくて良いと逆切れされ落ち込んでいる岸田さん。
    個人的にはキャラ弁なんて作ったことがないのでそれだけで感心するのだが、子供にそんな態度を取られたら最後、私ならもう弁当など作らん!とキレそう。
    親子の問題に切り込むのは難しいが、靖子先生の背景あってのアドバイスはこのシリーズだから素直に聞ける。
    それにしても強引男は結局つまらん男だった。だが靖子先生の辛辣な態度にスカッとした。

    「インゲンは食べられない」
    アラフォーキャリアウーマンながら最近婚約したという園田さん。相手はフリーカメラマンだそうだが、食のアレルギーがあるので少し大変。
    そんな時に園田さんの愛犬が行方不明になる。
    こちらも何となく分かったけれど、その後の展開を思うと少し辛い。
    だが園田さんとお弁当の件で仲良くなった奏太くんに繋がりがあって良かった。

    「大根は試さない」
    久しくシリーズを読んでいなかったので川島さんって誰だっけ?と思ってしまったが、思い出した。
    優希は鈍感だなと思っていたが、さすがに意識はしているらしい。
    だけど、こういう子だから花言葉で伝えられても。私も全く分かりません。
    まぁ上手くまとまって良かった。

    シリーズ作品一覧
    ①「菜の花食堂のささやかな事件簿」
    ②「菜の花食堂のささやかな事件簿 きゅうりには絶好の日」
    ③「菜の花食堂のささやかな事件簿 金柑はひそやかに香る」
    ④「菜の花食堂のささやかな事件簿 裏切りのジャム」
    ⑤「菜の花食堂のささやかな事件簿 木曜日のカフェタイム」本作
    全てレビュー投稿あり

  • 大和書房webに2022年1月15日〜3月30日かけて6回連載されたこころを繋ぐお弁当、木曜日のカフェタイム、キャラ弁と地味弁、に加筆修正し、書き下ろしのインゲンは食べられない、大根は試さないを加えて2022年2月だいわ文庫刊。薔薇の花言葉はまぁよいとして、その本数にまでこだわるのは花産業の宣伝戦略の片棒かつぎで盛り過ぎ、マニアックですよ(大根は試さない)。面白いけど(笑)。無理も多いが、楽しい話が多くて面白いです。

  • シリーズ第5弾!
    思ってもみなかったラストににんまり。幸せのお裾分け頂きました。

    こちらは「菜の花食堂」という食堂と料理教室も開いているお店が舞台。
    料理上手・聞き上手なオーナーの靖子先生が、お客様や生徒たちの身近にある謎を解くコージーミステリー。

    テーマ食材を決めて開かれる料理教室のレシピが、実践的でいつも作ってみたくなります。
    靖子先生は穏やかなお人柄で物腰も優しく、頼りがいがあって素敵。ときに厳しく諭してくれるのもいい。

    持ち込まれる相談事にからめて、子ども食堂、ジェンダー問題、結婚問題などにも触れられています。
    このシリーズで寄せられる悩みは女性目線が多いし身近に感じる分、共感も多い。
    お弁当作りに関しての靖子先生のセリフには共感と拍手を送りたい。
    まだまだ続編がありそうなので楽しみ♪

  • 料理って、誰かのために作るだけじゃなく、ただ一緒に食べたり、作り方を教えてあげることも、その人を助けることに繋がるんだなぁと思った。
    例えば靖子先生が奏太くんにお手伝いのやり方を教えたり、優希が川島さんに料理を教えて一緒に食べたりすること。
    結婚への向き合い方も人それぞれ。子どもが欲しいけど結婚はしたくないとか、契約結婚とか。家族の形や幸せに正解はないけれど、子どもと親が満たされて生活することってシンプルなようでいて、難しいんだなぁ。。

  • 【収録作品】こころを繋ぐお弁当/木曜日のカフェタイム/キャラ弁と地味弁/インゲンは食べられない/大根は試さない

  • シリーズ第五弾。

    <菜の花食堂>のオーナー・靖子先生が、日常系から空き巣“事件”等、様々な謎を解明していく、連作5話が収録されています。

    第一話「こころを繋ぐお弁当」で登場した、シングルマザー世帯の小学生・奏太君が靖子先生のお手伝いをする代わりに、料理を教わる事に。
    話が進むごとに、奏太君の料理のレパートリーが増えていくのが読んでいて楽しかったです。
    そんな奏太君の父親らしき男性も登場するのですが、言動が大人気なくて、靖子先生にもビシっと言われていましたね。
    大人気ないといえば、今回登場した男性陣は、ちょっと身勝手な人が多かったような・・。
    第一話のお弁当屋の店主も、いい人なんだけど独りよがりでしたし、第四話「インゲンは食べられない」に出てきた園田さんのフィアンセのやらかした事は身勝手の極みですよね(園田さんにブチ切れされていましたが、自業自得でしょ~って感じです)。
    そして、主人公・優希と“ええ感じ”になっていた川島さんも、想いの伝え方が遠回し過ぎて“わからんやろ~!普通!!”とツッコみたくなる程でした。で、案の定優希に伝わらず勝手に落ち込むという・・(第六話「大根は試さない」)。
    ということで、謎解きよりも(?)私のだめんずセンサーが反応しまくりの本巻でしたが、靖子先生のサポートもあって、ラストはハッピーで何よりでした。
    唯一(?)メンズでまともだった奏太君は今後も登場するのですかね?
    とりま、優希・川島さん、お幸せに~!

  • 優希、やっと…
    でも川島さんの告白方法にどうしても納得がいかない。アンナの普通の人は気づかないよ。私が無知なだけで、薔薇の花言葉って一般常識なの?
    ちゃんと言葉で伝えて欲しいな

  • 「ささやか」ではない事件が起きたり新しく小学生の男の子が登場したり、いつもの料理教室の生徒ばかりじゃない広がりを感じた。
    優希のキュンキュンが一気に加速して次回どうなっていくのか楽しみ〜

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著者プロフィール

愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家デビュー。大人気シリーズ作品「書店ガール」は2014年度の静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」を受賞し、翌年「戦う!書店ガール」としてテレビドラマ化され、2016年度吉川英治文庫賞にもノミネートされた。他の著作に「銀盤のトレース」シリーズ、「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズ、『スケートボーイズ』『1939年のアロハシャツ』『書店員と二つの罪』『駒子さんは出世なんてしたくなかった』『跳べ、栄光のクワド』などがある。

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