- Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479393658
作品紹介・あらすじ
17歳の息子に父が伝える、料理と人生のこと
「あのね、料理は特別なことじゃないんだよ。
まずはキッチンに立ってごらん」
シングルファザーとして日々の食事を作り続けてきた著者が、息子にそのレシピを伝える感動の料理エッセイ。
なぜ料理をするのか、なぜこんなにも美味しいのか。
コツやタイミング、経験から導き出した知恵も盛り込みながら、辻家の定番料理の数々を伝授していく。
読めばきっと、大切な人に料理を作りたくなる。
感想・レビュー・書評
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パリの空の下、二人で生きてきた、辻さんと息子さんが一緒にキッチンに入る。
やがてひとり立ちをする息子さんから望まれて、料理を教えているのだ。
人は生きるためには毎日食べなくてはならない。
そして、大切な人にエールを送り、心も体も元気にしてあげられるのは料理。
息子さんに話しかけている文章。
料理の作り方も語りかけ口調。
合間に、父ちゃん(息子さんに対しては、パパ)の人生観が語られる。
いつもの辻さんのTwitterの語り口。
今までになかった料理本だ。
喜びも悲しみも、キッチンの中にあり、オーブンの温かさに包まれていく。
小さな幸せは日常にある。
「パリ」と「人生」って言葉、なんだか合うなあ・・・(自己陶酔気味、笑笑) -
“辛い時はいつでもここに逃げてこい。
つまりだな、
キッチンは裏切らないんだよ”
フランスで息子を育てる父ちゃんが、息子に向けて、食べることの素晴らしさと奥深さを語り、生きて行くための辻家の定番料理を教えて行く。
父ちゃんが息子に語りかける。
“生きることは大変で大人でもめんどくさいことがたくさんある。そんな時父ちゃんは、料理を作る。料理をしていると嫌なことを忘れられるからだ”
“人間てのは何を食べたいと思うか、食べようとするかが大事だ”
キッチンで、一緒に料理をしながら語りかけるように。そして、料理を教え始める。
料理の作り方も、語りかけるように説明するので、とてもイメージしやすい。読みながら、まな板の上や、フライパンへの移動、オーブンの予熱のタイミングなど、まるでキッチンにいるみたいに想像できる。
フランス風イカめし
チキンときのこのクリームソース
ラモンおじさんのスパニッシュ・オムレツ
中華風蒸し魚
ボロネーゼ
ボンゴレビアンコ
ミントと松の実の蕎麦サラダ
魚のポワレ、オレンジ塩がけ
辻家のアメリカン・クッキー
どれもこれも、イメージの中で作ってみたけど、美味しい(イメージの中では)
シングルファーザーになって、一人で息子を育てることになり、息子のためにできることは、きちんと食事をとらせて、育てることだ。と奮起して、立ち上がったそうだ。誰かのために、というのはやっぱり、強くなれるんだ。 -
辻仁成さんが息子に伝えたいフランスの家庭料理(辻家アレンジ)をエッセイとともに紹介したレシピ本。レシピ本としては、初心者向けじゃないかも?私は結構作れるから十分判りやすかったけど。でも、これだけのメニューを作ってみたらかなり料理のスキルは上がると思います。応用効くような基本的なものがメインだし。日本でも手に入れやすい材料になってるし、なんなら隠し味が醤油や味噌なことが多くて面白かった。
離婚時は、奥さんが超有名なために辻さんの方が批判されたのかなぁ、あんまり覚えてないけど。でも、子ども一人をしっかり作って食べさせて、愛情注いで大人にするのは大変!それをちゃんとやっているだけで偉いと思うよ。
辻さんは料理エッセイしか読んだことないけど、小説も読んでみようと思った…けど芥川賞か。難解かな…。 -
食べることは生きていくこと。
手の込んだ、愛情のこもったお料理。
写真も素敵で、美味しそう。
ただのレシピ本ではなく、息子さんに語りかけていくスタイルも印象的。
時間をかけて煮込み料理を作ってみたくなった。 -
控えめに言って想像の上の良さだった。図書館で待って借りましたが、彼の地で孤軍奮闘する辻さんのために買っちゃうつもり。
思えば彼には何度も驚かされている。ECHOESの辻さんが作家さんになって芥川賞を取った時。その作品がよくて若い頃何冊も読み耽ったこと。そしてミポリンと結婚、フランスで暮らしていること。しばらく見ないと思ったら髪がストレートになって似合ってなかったこと(失礼すみません)、そしてその髪を洗わないと聞いた時。そのミポリンと離婚してシングルファーザーになった時。
そんな辻さんの日々のフランスでの暮らしをNHKで本当にたまたま拝見した時に、彼の作る料理の美しさに目が点になりました。すっごい美味しそうだったんです、しかもどれもこれも!!そして受験生だった息子さんからの合格電話を受けていた時の辻さんは本当に息子さんを愛しているひとりの小さなお父さんだった。
この本は彼の料理と息子さんへの愛が溢れていて、離婚後とてつもなくどん底にいた男子二人の再生物語でした。やっぱりどの料理も美味しそうだし、フランスの聞いたことない食材とかはほとんど出てこないから日本在住の私も作れるだろう感。そして作り方が息子へ語る口調で書かれていて、最後にさあ、喰うか!って書いてあるので、それを読んでこちらも自然にはいっ!ってなるの。
林真理子先生がお勧めしてました。星野源さんのもでしたが林先生お勧めの本今のところ間違いなし。 -
ミュージシャンであり作家でもあるパリ在住の辻仁成さんが、子育てしながら日々作ってきた料理を、写真、材料、調理法などをエッセイとともに紹介しています。
コンセプトは、これから大人になる息子に今まで口にしてきた大好きな料理を教えている(一緒に作っている)ように、語り口調が軽快です。
息子への愛、料理への愛が溢れていて、そしてフランスのエスプリも散りばめられていて、読んでいて楽しい。
料理を通して人生も語っているところも良い。
そしてどの料理も美味しそう!
洋食ばかりですが、材料も近所のスーパーなどでも手に入りやすい者ばかりで、作ってみたい料理ばかり。
私たちにとっても料理教室になるような、そしてエッセーとしても、料理写真集としても楽しめる、読み返したくなるお得な1冊。
図書館で借りたものだけど、手元に置いておきたいので買おうかな。 -
そうでした。この人は超一流の小説家でした。文章が素晴らしい。食べることの好きな人だとここまでできるようになるんだな。ともかく読んでいて楽しい。
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キッチンが逃げ場、に凄く共感する。料理をする時の無心な感じ、達成感、満足感、そしてそれを一緒に味わってくれる人のいたら、さらに幸福感。。
辛くてもそれでも親子が前向きに進まなければならない時、父が選んだ方法が手作り料理で、それで父ちゃんも息子も楽しく豊かで幸せで、良かった。 -
すべて美味しそう。(写真付き)
母親がいない淋しさを父ちゃんの手料理で少しでも、紛らわせられたのかな。
これだけ、プロ並みの腕ならいいよね。
オリーブオイル、にんにく、生クリームは欠かせないみたい。