- Amazon.co.jp ・本 (149ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479650072
作品紹介・あらすじ
ぼくは生意気でユウウツな中学三年生だ。この夏、十五歳になる-。繊細にして傲慢、冷静にして感情的な少年たちの輝かしい季節を描く、とっておきの成長物語。
感想・レビュー・書評
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再読。心理描写についていけなくなりつつあるのは、私も大人に(?)なったから?(大間違い)ラストに向けてパズルのように誤解が解けていくけど、前半は胸が痛んで読むのが苦しくなる。こういう作風だって、わかっていたのにな。何でかなー。
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家族や友情、恋、思春期の少年らしい悩みに、さらに長野さんお得意のBL要素をプラスした作品。
主人公・イッくんは、クラス委員を務め、成績優秀でクラスメイトの面倒見もいい中学三年生。でも実は、他人には言えない秘密を抱えている。周りからの信望も厚いと自分でも思っていたけれど、ある事件をきっかけに崩れてしまい、自分の何に価値を認めていいのか分からなくなる。
不確かな出自と人とは違う性癖、家族にも友達にも甘えられず、心も体も消耗していく様子が痛々しい。そして最後に明かされる過去の出来事の真相。身勝手だと思っていた家族の優しさに心が温かくなる。
長野さんらしい美しく透明感のある文章が、海辺の田舎町に漂う排他的な雰囲気や、あの年頃の残酷さ、繊細さを際立たせている。 -
この本も例にもれず。タイトルからしてね。
同性愛ものは普段読まないけど、長野まゆみさんの本はすき。いやらしさを超越して、なんだかアートのような、尊い綺麗なものに感じるから不思議。
直接的な表現もあるけれど、全体として抒情的で透明感がある。(それをクサいと思う人はいそうだけど)
人とは違う性癖というのは苦しいだろうなあ…,。
同性間の恋愛というモチーフを最大限活かしながら、心情描写をはじめ、少年と青年のあいだの繊細で軟いその一瞬を描き出すのがとても上手。悩みもがいていて、感情が瑞々しい。
シリアスな事実が多々出てきたり、読んでいて痛々しい場面もあったから、最後、後味のいい終わり方でよかった。 -
甘えたくても甘えられない。自分に素直になれない、不器用で、未熟な少年達が成長していくお話。
日常の中にも微かな色っぽさや儚さが潜んでいて、終始彼等には魅了されっぱなしでした。 -
苦労性の主人公。優等生で面倒見が良いので、教師たちもついつい頼ってしまい、面倒を背負ってしまう。ああ、たしかにこういうタイプの人いるわ~。
友人とのつながり、家族の愛情を改めて確認する。中学生って、そんな年頃よね。 -
中学1年の頃に何度も読み返していた本。
自分が読書好きになった原点の本ともいえる。
あれから10年たって再び読み返してみた。
やはり素晴らしい本だ。 -
主人公は、途中、これでもか! と言われんばかりにエライ目にあっている。その場面を読んでいる最中は、痛々しくてしょうがなかった。
作者は、甘えたくても甘えられない、不器用な少年を書くのに長けていると思った。 -
ウオオオオオオオオ…カラッとライトに美少年たちの戯れが…
設定からして好みだなあ…こういうごてごてしたの好きだから…伊達眼鏡、クラス役員、でも憂鬱、甘やかされないなどなど。あ、あとトラウマとかね。
もっと大きなお話かと思ったらそうでもなかった。極普通のありふれた中学生。……ありふれた? うん。転校生七月との複雑な距離感とか。健の適当さも中学生っぽくていいな。
一がぼろぼろに疲れちゃう場面はガッツポーズしてしまった。好きだわ。でも解決までが割とあっさりで拍子抜けしちゃったかもしれない。あと、トラウマのくだりは個人的にはものすごく楽しいんだけど、種明かししてほったらかし感があったかなあ。掘り下げるならもっと…!
予想以上に爽やかに終わった。でも長野さんって割と後味のいい終わり方のお話が多い気がする。ものによるか。でもこれはめちゃくちゃ爽やかだな。中学生だもんな…
ハブにする過程とかはなんだか妙にリアルでちょっと怖かった。中学生って一番怖い時期だと思う。
一と亜細亜の絡みとかもっと読みたいなあ。長野さんの描く、ちょっと離れた身内の保護者ポジション大好き。従弟とか叔父とか。 -
苦い