rakutaさんの感想
2018年2月11日
貧困問題の碩学が御年70歳にまとめた本書は、もしかしたら、著者のライフワークの集大成なのかもしれない。「下流老人」とか「ネカフェ難民」など現在の貧困に関する言説は多いが、戦後史として、より広い時間・世相がまとめられていて、読み応えがある。特に、貧困の「かたち」という言葉で示される、貧困状態にある人々の諸々の様相をリアルに扱っているところが興味深い。 本文もさることながら、「あとがき」に味わいというか、著者の色々な感慨が詰まっている。
日本女子大学名誉教授 「2019年 『POSSE vol.42』 で使われていた紹介文から引用しています。」