宮沢賢治全集 (7) (ちくま文庫 み 1-7)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (632ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480020086

感想・レビュー・書評

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  • 「ポラーノの広場」

  • セロ弾きのゴーシュ。
    地下鉄の中で読んだ。
    読みかけの本をやめて、
    賢治を読んだ。
    体がこういう童話、言葉を、
    凄く欲求しているのが判った。
    タイムリー!!

  • 「銀河鉄道の夜」の推敲過程でもある異稿「初期形第一次稿」「初期形第二次稿」「初期形第三次稿」が掲載されているとのことで、購入。ブルカニロ博士による入眠中のジョバンニに「考えを伝える」実験としての物語から、第四次稿/最終稿ではブルカニロ博士は明確には登場せず所々ぼんやりと浮かび上がっているのがわかってくる。

  • まさに、「喰わず嫌い」でした。

    小学校の教科書で「やまなし」を、
    中学校の教科書で「オツベルと象」を
    読んだ時に、あの独特の擬音語の用い方が
    何故か受け付けなくて、文字を見るだけで
    背中がぞくっとしてしまい、結局作品を手に取ることなく
    過ごしてきました。

    ところが、その話をある人にしたところ、
    「そんな先入観だけで…」と半ばあきれたように言われ、
    とりあえず「銀河鉄道の夜」とか「風の又三郎」とか、
    もう少しメジャーな作品を読んでから判断するようにと薦められました。

    それで、手に取ったのが「宮沢賢治全集7」に収録されている
    「銀河鉄道の夜」。

    なるほど、その人の言ったことが分かりました。
    クセがあってなかなかとっつきにくいけれど、
    後からじわじわと、印象に残る部分が思い出されてきます。

    でもその一方でこんなことも思いました。
    どんな辛いことも、ほんとうのしあわせに続くひとあしづつ、とあるけれどそうやって心の底から納得できるのは、
    やはり命がけともいえるような極限状態の時なのかな。

    日常生活の中では、その「辛いこと」になかなか向き合えずに、
    途中で逃げてしまうのかもしれない。そんなことを考えました。

  • 代表作のみ拾い読み

    銀河鉄道・セロ弾き・風の又三郎どれも
    雰囲気が違うのに楽しく読める小説でしたが

    童話的な雰囲気のセロ弾きのゴーシュが一番スキでした

  • ●銀河鉄道の夜●
    ぼくはおっかさんが、ほんとうに幸になるなら、どんなことでもする。けれども、いったいどんなことが、おっかさんのいちばんの幸なんだろう。
    二人も胸いっぱいのかなしみに似た新しい気持ちを、何気なくちがった語で、そっと談し合ったのです。
    なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら、峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから

  • 「なにがしあはせかわからないです。ほんたうにどんなつらいことでもそれがたゞしいみちを進む中でのできごとなら峠の上りも下りもみんなほんたうの幸福に近づく一あしづつですから。」
    燈台守がなぐさめてゐました。
    「あゝさうです。たゞいちばんのさいはひに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです。」
    青年が祈るやうにさう答へました。

    「カムパネルラ、また僕たち二人きりになったねえ、どこまでもどこまでも一緒に行かう。僕はもうあのさそりのやうにほんたうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまはない。」
    「うん。僕だってさうだ。」カムパネルラの眼にはきれいな涙がうかんでゐました。
    「けれどもほんたうのさいはひは一体何だらう。」ジョバンニが云ひました。
    「僕わからない。」カムパネルラがぼんやり云ひました。
    「僕たちしっかりやらうねえ。」ジョバンニが胸いっぱい新らしい力が湧くやうにふうと息をしながら云ひました。


    『銀河鉄道の夜』異稿(第一次稿から第三次稿)も収録。

  • ジョバンニ

    走り続けておくれ。

  • 「銀河鉄道の夜」収録。
    現実味のない幻想的な日常風景と余白の世界に淡々と描かれる死や人の業や運命の残酷さ。
    素朴ながらも美しい言葉がたくさん。

  • 2007.11.23

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著者プロフィール

1896年(明治29年)岩手県生まれの詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、生前は理解されることがなかった。また、生涯を通して熱心な仏教の信者でもあった。他に『オツベルと象』『グスグープドリの伝記』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『セロ弾きのゴーシュ』など、たくさんの童話を書いた。

「2021年 『版画絵本 宮沢賢治 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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