夢野久作全集 7 (ちくま文庫 ゆ 2-7)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480026774

感想・レビュー・書評

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  • 久作にしては珍しく大団円で終わる作品。ここまで見事に勧善懲悪している作品はこれと犬神博士くらい?でも犬神博士は未完だからなあ。

    上記のことも含めて、かなり違和感を覚える作品だった。大団円も好きだけど、でもこれが久作作品なのか?という印象。
    だから角川でも文庫化されなかったんじゃないかなあ。内容で見れば(もう絶版ではあるものの)骸骨の黒穂よりもよっぽど大衆向けなのに。

  • 暗黒公使。
    時代背景とかを知っていると面白く読める感じなのかも。
    いや、それなりに面白かったのですけど、
    どちらかと言うと主人公(?)の立ち位置が傍観者的だったので、何となくぼんやりととか。
    NPC凄いなあと言う感じに近いのかな?
    まあ、探偵小説ではないのだから、その辺は別にこだわる所ではないのですけどね。
    夢野久作の文体が読み辛いと言うのもありました。
    これに関しては僕の読み方の問題なので一方的に僕が悪いのですが。

  • 名探偵と呼ばれている元警官で科学の知識が豊富なじいちゃんが大活躍しながら事件を解決するのかと思いきや、登場人物たちの思惑に思いっきり振り回されて、推理はするけどことごとく外して、でも周りは凄い凄いとじいちゃんを持て囃して、最後は悪人は滅び美しい少年とその彼女はじいちゃんの助手になる話。
    科学捜査の大切さを必死に説いていたじいちゃんが人間の第六感を信じて動いたら大外ししているし、探偵はちゃんと名探偵であってほしい私としてはその辺りが残念ではあったけど、ストーリー自体はすごく入り組んでいて凝っていた。

    なによりこの作品のタイトルが「ダークミニスター」と読むっていうのがかっこよすぎる。

  • 暗黒大使(ダーク・ミニスター)。
    謎の美少年・呉井嬢次が元警視庁課長・狭山を訪れ、二年前の外交や政治を多分に含んだJ・I・Cが関わる事件から始まる。
    スパイが活躍する華やかな話かと期待したら裏切られた。
    尤も登場人物は充分過ぎる程華美だった。
    真の暗黒大使は嬢次少年ではなく、樫尾初蔵だった。
    しかし、父親の仇を討つ為に大胆な大芝居を演じた嬢次と母ののぶ子も恐ろしい。
    名探偵気取りの狭山の勘違い推理に何度も振り回された。
    第六感云々と威勢良く持論を述べている割には一番使えない役だった。
    確かに解説と解題を読んで珍しく真っ当な作品だと思った。
    良く言うと大衆向きだ。

  • 懐中時計を読みたい

  • 2009/
    2009/

    暗黒公使

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著者プロフィール

1889年福岡県に生まれ。1926年、雑誌『新青年』の懸賞小説に入選。九州を根拠に作品を発表する。「押絵の奇跡」が江戸川乱歩に激賞される。代表作「ドグラ・マグラ」「溢死体」「少女地獄」

「2018年 『あの極限の文学作品を美麗漫画で読む。―谷崎潤一郎『刺青』、夢野久作『溢死体』、太宰治『人間失格』』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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