から騒ぎ シェイクスピア全集 17 (17) (ちくま文庫 し 10-17)
- 筑摩書房 (2008年10月8日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480033178
作品紹介・あらすじ
舞台はスペイン領シチリア島メッシーナ。凱旋するアラゴン領主ドン・ペドロ軍の2人の青年貴族、フィレンツェのクローディオとパドヴァのベネディックは皆の注目の的。クローディオは知事レオナートの娘ヒアローに思いを寄せ、独身主義のベネディックは男嫌いの知事の姪ビアトリスと丁々発止の舌戦を交える。2組の男女が織り成す小気味よい恋愛劇。
感想・レビュー・書評
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ちくま文庫版シェイクスピア全集第17巻。策略にはまったカップルのために、喧嘩友達の男女が手を取り合う。
無実の罪をきせられたり、騙されて恋した相手を憎んでしまったり。シェイクスピア劇でよくみるパターンに、やたらと口の立つ喧嘩友達の男女が加わるのが本作の特徴。誤解や勘違いが重なってシッチャカメッチャカになる第一幕からもう面白い。シェイクスピアの恋愛喜劇はどれも面白いが、その中でも本作は群を抜いている傑作かと思う。二組のカップルの恋の行方が焦点となるなか、口喧嘩ばかりしている男女が実は心の底では愛し合っているという、ラブコメの典型的なアレがやはり人目を引くのではないかと。あっぱれな結末に拍手喝采。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ニ組のカップルの話。ヒアローはクローディオと、そして、独身主義者同志のビアトリスとベネディック。ヒアローが自分の身の潔白を信じてもらえなかった彼を簡単に許してしまうところは、解せなかった。後のカップルのいがみ合いは、婚姻恐怖によるものか。警察署長の言い間違いが、うんざりするほど繰り返される。翻訳するのが大変だったろう。2024.4.25
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「舞台はスペイン領シチリア島メッシーナ。凱旋するアラゴン領主ドン・ペドロ軍の2人の青年貴族、フィレンツェのクローディオとパドヴァのベネディックは皆の注目の的。クローディオは知事レオナートの娘ヒアローに思いを寄せ、独身主義のベネディックは男嫌いの知事の姪ビアトリスと丁々発止の舌戦を交える。2組の男女が織り成す小気味よい恋愛劇。」
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登場人物の何人かは他人になりすましたり他人と勘違いしたりするため、人間関係がやや複雑でわかりづらい(わたしがやたらと時間をかけて読んだせいもある)。ただそのわかりづらさよりも、不思議さがやたらと気にかかる。この筋書でこの結末というのがどうにもシックリ来ないのである。瑕疵があるとか不満があるとかそういうことではなく、本作が喜劇的な展開で終了することが、ただただ不思議なのである。やはりシェイクスピアは只者ではない。
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2022/8/6
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おもしろいはおmしろのだが、小田島雄志にくらべて、松岡和子の翻訳は上品すぎていまいち笑えない。笑いが突き抜けていない。
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訳:松岡和子、解説:中野春夫