私の東京町歩き (ちくま文庫 か 3-8)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480033789

感想・レビュー・書評

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  • 古本屋で見つけた98年発行の本である。原稿自体は、80年代後半のものばかりだから、実に30年前の文章である。雑誌「東京人」連載を再構成して本に綴じた。

    地方ならばいざ知らず、東京の30年前といえば、3昔も4昔も前だ。本人たちは気がついていないが、時はバブルの真っ最中。文に書かれていない処では地上げが横行し、次々に新しいビルが建っていた。だからこそ、川本は昔の面影を残すが、旧所名跡ではない気取らない下町を歩き通す。既にコンビニも牛丼吉野家もある。携帯はない、マンションもない処がある。今風に言えば「昭和」を歩く。川本の好みもあって、永井荷風や昔の日本映画で扱われた風景がいたるところに飛び出す。​私はある点で川本が嫌い​なのだが、こういう視点は親近感を覚えざるを得ない。近親憎悪の感さえ持つ。

    何と無く予感があって、この本に手が伸びた。そうしたら、年末年始の旅は、外国行きは少し難しく、地方の旅は私の好きな博物館が開いていない。結果、どうも20年ぶりの東京歩きになりそうだ。この本を持って、何処が変わり、何処が遺っているか、確かめるのも良いな、という気がしてきた。

    とりあえず行きたいのは、次の町。というか、駅周辺から歩くコース。阿佐ヶ谷、大久保、百人町、勝鬨橋、佃島、月島、人形町、門前仲町、吾妻橋、両国、浅草、三ノ輪、大関横丁、千住大橋、南千住、東向島、鐘ヶ淵、荒川、三河島、日暮里、篠崎、妙見島、鳩の街。
    2017年10月15日読了

  • 川本三郎 著&武田花 写真「私の東京町歩き」、1998.3発行。路地から路地への東京散歩エッセイ。路地には江戸が残ってますね! そして個人商店のある通りはあたたかいですね! ネコ好きの川本さんと武田さん、武田さんの白黒写真には、さりげなく、でも存在感をもって、ネコが入っています(^-^)

  • 文庫になる前の本で、今までも行ってみる時、部分読みをしていた。昭和の末の時代の東京の町歩きだ。同世代で、生きる深みの違いに、コンプレックスを感じる。映画も好きでよく見た。本も少しは読んだ、町も歩いた。ても、30年前にこんな歩きは出来なかった。
    川本三郎さんの町歩きで、好きな通りの条件は1.車より人間が優先されていること。2.商店が個人商店中心であること。3.高い建物が少なく空が近いことである。
    30年過ぎて、1の車はあまり増えていないかもしれない。2の商店街は、個人商店は、ますます少なくなって、どこで見られるチエンテンばかりだ高層ビルは、タワーマンション中心に、ニョキニョキ建っている。
    東京はいつも普請中、この本に記された町を歩いて、そのへんほうあ確認してみよう。、

  • 再読。改めて読んでみると、初読時には気がつかなかった事柄が多い事に気がつかされる。

  • (リリース:佳奈子さん)

  • 再読する

  • 2015/10/16

  • 1999年12月20日、3版、並、カバスレ、帯無し。
    2014年7月3日、仙台さくら野BF。

  • 川本三郎の文章は読みやすくてよい。しかし、山の手や下町というのはなじみがないためにいまいちぴんとこないのは残念。

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著者プロフィール

川本 三郎(かわもと・さぶろう):1944年、東京生まれ。新聞社勤務を経て、評論・翻訳活動に入る。訳書にカポーティ『夜の樹』『叶えられた祈り』、近著に『映画の木洩れ日』『ひとり遊びぞ我はまされる』など。

「2024年 『ザ・ロード アメリカ放浪記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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