志ん朝の落語 2 (ちくま文庫 こ 21-3)

制作 : 京須 偕充 
  • 筑摩書房
3.95
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本棚登録 : 87
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (466ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480038722

感想・レビュー・書評

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  • 子別れ下、井戸の茶碗、唐茄子屋政談、刀屋、百年目、おかめ団子、火事息子、佃祭、柳田格之進、甲府い、文七元結
    大好きな志ん朝師匠の落語が本で読めるとは有難い!京須偕充さんの解説がまた良い。
    今作第二巻は人情噺が集めてある。何度読んでも江戸時代を味わえる素晴らしい本。

  • おうっ、なんだね、ひさしぶりだね、っとくらあね、こんちきしょう。

    そォそう、なんにしても、あれだよ、下品はいけませんよ、下品は人のためならずって昔からの言い伝えがあるくらいなんだから、んん、これはやっぱり、ちゃんとですね、きっちり守んないとばちが当たりますよ、ほんとに、あァた。

    ええっ? ああ、冒頭のイントロはですね、こちとら江戸っ子だってえのが、やっぱり江戸落語の真髄ってえところを、きっちりポンポーンと、最初に掲示しといた方が、なんにしてもスカッと綺麗に映るという、まァ、あたしの習性というか美学というかねェ。

    それにしても姿もかたちも品もいい志ん朝さんが、嫌だわ今日はいきなりどうしたの、なんだか少しガラが悪そうだで、これがまた屈折したいい感じで、割と不良っぽくてくすぐられるわ、ってんで面喰ったり惚れ直したり、んまあ、小憎らしくてかわいい、なんてえことをのたまう御婦人や旦那衆がいらっしゃる。

    そこから普通と違った、こう、強烈な引き込まれ方が芽生えて、すぐに、一気に話の核心部に入るなんざあ、たいへんに憎いねェ、どうも、よっ錦松梅。

    まァ、なんですな、こちとら古いよ、そうとうに古い。今からですね、ええー、かしこくも偉そうにだな、自分の故事来歴をくっちゃべろうとおもんぱかっておわしますれば、お後がよろしいようで、って、もう今から終わってどうするんですか、ああた。

    そらなんだね、ええー、つまりは、かれこれ72年前の話ですよ、おー1938年の、3月の10日ってえ日にあたしは生まれて、ええっ?、どこでって、そりゃあ、あんた、東京は本駒込というですね、由緒正しき場所でお生まれになったんでございますよ、わたしという一個の落語の運命を変える逸材は・・・、って、いけない、これはいけませんよ、こりゃあ何だか、口調が立川談志みたいになってきましたよ、こういうときは、逃げるが勝ち、とんでもない大ごとにならないうちに、早々に退散するに限りますよ、こういう雪の日にゃあ。

  • 2003-10-00

  • だんだん読むのに慣れてきて、落語のパターンが理解できた。聞いているときはオチがかなり強く印象に残るのだが、活字になるとそうでもなくなる。また、最後の文七元結では、中国の話のアレンジということが解説を見ないとわからない。

  • 落語の本は読んでいてもリズムがあって、江戸っ子言葉が聞こえてきそうな臨場感がありますね。必ずしも五七五ではないのに、韻を踏んでいるように感じてしまうのが不思議です。また解説にもありましたように志ん朝だけでなく志ん生、金馬なども十八番にした演題など、同じ作品を語り手によりどう表現するのかという、オペラと同じ楽しみもあるのですね。初めて解りました。私としては「井戸の茶碗」「佃祭」「柳田格之進」「文七元結」などの江戸下町の人情、武士の心意気を描いた情緒ある作品が非常に興味深かったです。主人公が板ばさみになって進退極まるというのはどれも共通した可笑しさの秘訣のように思います。そしてそそっかしい中心人物、親孝行の娘、働き者の苦労人若者、譲らない硬い(律儀な)周辺人物というのが一つの類型のようですね。それが又、楽しく描かれているのが、これまたオペラの愉しみと同じでした。中でも「佃祭」は佃島を毎日のように見ているだけに、江戸から昭和30年代までの渡し舟の情景が思い浮かび、その意味でも面白かったです。

  • ちくま文庫「志ん朝の落語」シリーズ全6巻より第2巻。古今亭志ん朝(1938-2001)の落語11題を人情噺を中心に収める。京須偕充による音源からの書き起こし。巻頭には「編者のマクラ」、題ごとに簡単ながらも編者ならではの解説を附す。巻末に音源一覧、シリーズ全6巻の索引。カバー写真は横井洋司(「柳田格之進」1983.11.17)。口絵として高座の写真(撮影・横井洋司)、「文七元結」「火事息子」の筆記(撮影・森幸一)をそれぞれ収める。

    収録内容:
    子別れ・下/井戸の茶碗/唐茄子屋政談/刀 屋/百 年 目/おかめ団子/火事息子/佃 祭/柳田格之進/甲 府 い/文七元結

    466㌻。2003年、筑摩書房、定価950円(税別)。

  • (子別れ・下、井戸の茶碗、唐茄子屋政談、刀屋、百年目、おかめ団子、火事息子、佃祭、柳田格之進、甲府い、文七元結)

    そりゃぁ・・文七でしょう。
    だけど甲府ぃでしょう。
    子別れは全部聞きたい。上中下。全て聞きたい。

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著者プロフィール

1938年、東京生まれ。落語家。父は五代目古今亭志ん生、兄は十代目金原亭馬生。57年初高座。落語家としてはもちろん、俳優としても活躍。齋藤明氏との共著に『志ん朝の風流入門』がある。

「2011年 『世の中ついでに生きてたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

古今亭志ん朝の作品

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