統合失調症―精神分裂病を解く (ちくま新書)

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著者 : 森山公夫
  • 筑摩書房 (2002年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480059611

統合失調症―精神分裂病を解く (ちくま新書)の感想・レビュー・書評

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  • 今、現在、統合失調症と呼ばれるようになったかつての精神分裂病と呼ばれていたものの変遷のようなもの。多少、専門的で新書レベルを超えている。精神科医に感じる違和感は仕方がないものがある。こういう風に言葉を使ってある程度定義し共有し共に考えていかないことにはいけない側面もあると思うからだ。著書は、おそらく優秀な治療者ではないかと思う。かつての定義では捉えられないものを治療可能なものとして捉え直そうというのはクライアントを思っての結果だと思える。やはり、精神の極北というようなレベルには、日常の共感性を超えていて、大変な仕事であろうなと思う。絶望的な印象を受けつつなんとか道を探ろうとする姿勢には敬意を覚える。

  • 「組織に狙われ、監視され、迫害される」という迫害妄想型を中心に書かれている。どのように治療するかについてはほとんど書かれてない。
    http://www.geocities.jp/toku2501/byousiki.html

  • 薬理学の講義の中で、多少統合失調症に関する説明も受けていたけれど、それは、分子生物学的な観点を基調としたもので、本書の筆者の言うところの「人間学的」な視点は欠けていた。

    僕らは、DISC1だの、ドーパミン仮説だのと、客観的、科学的、物質的な視点から病気を見る立場に陥りがちだけれど、殊、精神科領域では、患者に向き合って、じっくり訴えを聞き、患者がどのような心的、外的な状況を経て今の状態になったのか、把握していこうとする姿勢が大切なのだと改めて感じた。
    特に本書では、主に筆者が体験した多くの症例が提示されており、大変興味深い。
    対人/社会恐怖様段階→幻覚・妄想段階→夢幻様段階
    という経過や、各段階への遷移について、本書を読んでおおまかに「了解」することができたように感じた。

    ところで、本書を読んでいると、独特の言葉/言葉遣いが多く見られ、読みづらく感じた。
    例えば、「了解」という言葉が、ディルタイ哲学的な意味で用いられており、慣れるまで、違和感が拭えなかった。
    また、筆者は本書の中で、先人の視点を度々援用しているのだが、その際それぞれ、病態の分類の仕方が異なっている。
    この人のこの概念は、ほぼあの人のこの概念に対応する、などといったことが述べられているのだけれど、
    正直言って、全てを追いきることはできなかった。
    これは著者の書き方の問題というよりも、精神医学に固有の難しさなのだろうとは思うが…。
    身体的な疾患と比べて、精神科が扱う疾患では、患者間の客観的な比較が難しく、そのため、分類も困難であるのだろう。

    精読したわけでなく、割にさらっと流して読んだけれど、統合失調症について症例に基づいた経過とその人間学的理解を得、精神医学の雰囲気を感じ取ることはできたように思う。

  • [ 内容 ]
    これまで、「わからない病」「治らない病」として差別的に扱われてきた「精神分裂病」という名称が「統合失調症」に変わった。
    過労・不眠によって心が閉ざされてゆく発病までの初期段階から、対人恐怖・迫害妄想の段階を通り発病に至るまでの経緯を解明。
    心・身体・社会という統合的視点から、この病を了解的に捉えなおす。
    汎精神疾患論のアプローチから、精神病理を解体する。

    [ 目次 ]
    精神分裂病から統合失調症へ
    1 精神疾患とはなにか?(精神の危機と自明性の喪失;狂と狂気;汎精神疾患論の提起)
    2 関係失調としての統合失調症(「精神分裂病」概念のはらんできた矛盾;迫害妄想論の展開)
    3 迫害妄想病の人間学的構築(迫害妄想型の三段階;対人/社会恐怖様段階;迫害的幻覚・妄想期;夢幻様状態)
    「慢性化」の問題と「経過型」について

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  • やや趣味に走りすぎの印象。もう少しスタンダードな内容を期待していたので残念。学問的には面白いと思うけどね。睡眠障害に注目しているあたりは臨床的に正しいと思われる。

  • 大学教員としては重要な知識。一般解説書としての執筆だろうが、やや難しい。
    専門性:★★★★☆

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