35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書 869)
- 筑摩書房 (2010年10月7日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480065728
作品紹介・あらすじ
成功のセオリーが変わる!大企業に入れば、それで成功という時代ではなくなった。40歳で給料が頭打ちになり、それ以降は徐々に給料が下がる時代に突入している。こんな時代に、20代、30代のビジネスパーソンはどう対処すべきなのか?本書では、35歳までに、「動機」と「能力」をもとにした「稼げる力」を増強することを提案する。自分の市場価値を高めるために、能力・動機はどこにあるのか、どのようにすれば開発できるかなど、具体的な事例にそって解説する。迷える若者のための一冊。
感想・レビュー・書評
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現実的ゆえに破壊力の大きい本。きついっす。
全体を全く網羅していないけど取り急ぎメモ↓
●働いて初めて分かることがある。やりたい仕事なんて、いくら学生時代に自己分析したって分かりっこない。
→本当にその通り。
●「ポテンシャル+稼ぐ力=その人の価値」。ポテンシャルは毎年残酷にすり減っていく。稼ぐ力が身についていれば、ポテンシャルが減っていても転職できるかもしれないが、稼ぐ力ない人材は、歳行ってるほど修正がきかなくなる。
→キツすぎるがその通り。
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仕事は「できる事(能力)」と「やりたい事(動機)」のすり合わせの上にあるべきである。社会人になって10年目までに仕事が能力と動機の重なる所に位置できるように目指すべきだ。
まずやりたい事がどのような事かを見極める。その上で、出来る事が稼げる能力となるように自分のキャリアの位置を見極めるのがポジショニングである。
著者のやりたい事は「社会全体や公共を相手に広く社会貢献したい」というもの。なので、いずれ発表されることをいかに早くライバル社より手に入れるか競う新聞社や一つの会社だけを相手にするコンサルタントは欲求を満たせなかった。
そして能力としてストレングス・ファインダーに触れられる。著者の強みは①最上思考、②戦略性、③責任感、④信念、⑤未来志向だった。その上で新聞社で元からセンスがあると感じていた文章力を磨き、コンサルタントで論理思考や戦略を身に付けた。
そこからネット新聞という今の仕事に能力を生かしている。新聞記者は全国紙だけで各社2000~3000人×5大紙で10000人強。大手コンサルタントも10000人程度だろうが、その両方を3年以上経験している人がどれくらいいるだろうか。
その上で、入社後にまず考えねばならないのが「職種」と「業界」である。
共にずれている時は最も転職が難しいので、20代の内に最優先で考える必要がある。
同じ業界で「職種」を変えたい時は社内での異動が新規採用よりは垣根が低い。要望が通らなければ辞めるくらいの考えではっきりと要請すべき。
職種が同じで「業界」を変える、は今後王道になるだろう。銀行員の経験を生かして、ホテルで融資の担当職に就くとか。
さて、こう見る時コールセンターのSVは「業界」とは言えるだろうけれど、「職種」として転職市場で認められないだろう。
自分の強みは①着想、②達成欲、③収集心、④学習欲、⑤内省。
今の部署の人数が職員を含めて100人弱で仕事の内容を強みを生かしたものに出来るようになってきたのは楽しい。それでも、社外で評価されるのは難しいだろう。とすると、この会社の浮沈と人事制度に縛られる事になる。資質には自信があっても、出来る事(能力)を磨く事を考えないと通用しない。
とても考えさせられる本でした。著者以外の事例もたくさんでてくるので、参考になります。 -
様々な職種を経験した先人達へ行ったインタビューならびに著者の経験、思想をベースとしたキャリア本。先人達のキャリアは多様で、文系職(営業、人事 etc.)ならびに理系職(エンジニア etc.)両方に言及され、全員の複数回の転職を理由まで詳細に記述している。
他のライフデザインに関する書籍からの引用も不自然ではなく、好印象だった。 -
価値観と能力がマッチするところで働くこと、社内人材ではなく社外で通用するスキルを身につけることなど転職・キャリア系の本を読むと出てくる内容がざっと網羅されている印象。
初版が10年前なことにびっくりしました。そんなに昔から言われていたことだったんだ、と…。
新卒で入った新聞社がよほど嫌いなのか、ことあるごとに出版業界叩きが入ったり、キャリア本なのに政策提言が入ったり(提言の内容自体は同一労働同一賃金とか?時代にあったものだとは思う)ちょいちょい私情で脱線しがちなのが玉に瑕でした。 -
『医療・介護職の新しいキャリア・デザイン戦略』より。
2010年ともう10年以上前に出た本だけど、わかるなあと思うところ多々ある。当時大学生だったが、その時読んでも半分も理解できなかっただろう。旅行が好きだから旅行会社って、なんか違うとはわかっててもそれでも憧れを捨てきれなかったもんなあ。学生という身分を失って、働き始めて初めて見えてくるものがある。「35歳までに読む」と言っているが、実際は20代前半までに読まないと取り返しがつかない内容。もう30歳を数年過ぎた人が読むものではない。絶望するだけ。
35歳過ぎたら転職(就職)厳しいと言われるのは、戦後の雇用政策(終身雇用や解雇規制など)を未だにひきづっているからなんだと改めて実感。あと大卒文系は新卒採用の時は総合職としてジェネラリスト採用するのに、中途だと専門スキルの即戦力が求められるという矛盾な。「与えられた目の前の仕事を一生懸命やれば、やりがいが見つかり、能力も身につく」という経営者や自己啓発セミナーは戦後のパラダイムを引きずっている。企業自体の寿命が短くなっているのに、企業を中心に社員個人のキャリアを考えるのは本末転倒。
著者は能力と動機が合致するところを伸ばしていくといいと言う理論を展開し、自分の能力と動機を知るためには診断ツールも有効だが、それよりライフストーリー分析が確実だという。つまり、「他者に比べ圧倒的に能力を発揮できた瞬間」、動機はキャリア年表(時間軸とテンションの浮き沈み)を書いたり、他者にきいたりして探る。
動機(want)と能力(can)の交わるところが現実的な仕事内容(must)。
能力とは、15歳ごろまでに決まる先天的な資質。いくら才能がないところで夢を追いかけたって無駄、とバッサリ。
自分を探すよりまず企業で仕事をする。
目先の年収より将来の能力に投資。
氷河期世代の必勝パターンとして、日本の大学卒業後アメリカの大学で英語とIT・ビジネス知識を学んで優良外資企業に就職した27歳の例が紹介されていた。就職留年は不利で、フリーターをやっていて27歳になりましたは価値がないと論破するが、非現実的。裕福な家庭じゃないと無理。ただでさえ日本の大学の奨学金が何百万とのしかかる家庭も多いのに。。
まあ、それが無理なら企業のブランドや規模にこだわらず、とりあえず中小で2,3年修行して転職するというパターン。それすらできない学生も少なくないと思うのだが。
本社部門の企画やマーケティングの人気が高いことは企業もわかっているから、配属比率を明かさずだまして学生をとる→こわ。運しだいやな。外資は新卒から職種採用らしいが、働いたこともないのに職種を決めることなんてできるのだろうか。
職種・業種両方のキャリアチェンジは20代まで。
職種だけなら社内異動を狙う。
従来の、大久保幸夫の「いかだ下り論」や金井の『働く人のキャリアデザイン』中のキャリアドラフトを木端微塵にしてる。
「35歳までいかだ下りをして流されていたら完全に手遅れ」「鈍感な人が40歳のミドルで『今が節目だ』と感じてもリストラ予備軍になるだけ」
でもこれは筆者が毒舌なわけではなく、そういう新卒一括採用重視や非正規雇用の量産、解雇規制などしている日本社会(政府)の問題。
「もちろん、毎日死期を意識していたら疲れてしまうので、キャリアの節目や悩みが深い時に思い出して内面に向き合うのが良い」→ほんとうに・・・。
「若者には無限の可能性が・・・なんて嘘っぱちなのだ」→(笑)
★既知のもの
キャリアアンカー(エドガー・シャイン)
ストレングスファインダー
無能な働き物は銃殺(ゼークト)
『七つの習慣』
『深夜特急』
チクセントミハイのフロー状態
『会社は2年でやめていい』
『フリーエージェント社会の到来』
★チェックする本
『若者はなぜ会社選びに失敗するのか』
ドラッカー『プロフェッショナルの条件』
高橋俊介『キャリア論』 -
自分の経験したことが中心
自分の経験の具体例であって、全体像がつかみにくい。仕事をかえた人のインタービューからの考察
人の働く価値は「学歴」【資格】【経験】の三つで評価できる。 -
図書館で借りた。
35歳を控えて、私が読むべき本と思い手に取ったが、あまり発見は無かった。
内的興味が無ければ続かないのは最初から分かっていたし、同世代なら皆一度は聞いたことのある話題ではないだろうか。ただ実体験・インタビューに基づいているのは良かったと思う。 -
年代に併せて読むと気づきもある。
他の著書に10年後もある仕事等から派生で読む。
参考になる。