- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480068811
感想・レビュー・書評
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マニフェスト掲げ民主党への政権交代、この社会実験が大失敗に終わったことへの党の反省、メディアの検証もされないまま、やり過ごされようとしてる。都合の悪いものは見たくない民主党と、この社会実験を担いだメディアやオピニオンも頬かむり。各所で実害を被った国民の声の多くは、全国の有権者には未だ共有されてはいない。18歳まで選挙権が広がる訳だし、民主党の問題だけではなく、選挙の在り方、マニフェストの意義と…小泉のワンイシュー解散選挙も含め、今一度、ここの処の民主主義とその将来を熟考する機会にいい一冊だと思います。
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近年資本主義と民主主義に関する本が多数出ているのですが、著者によって視点やメッセージが随分違うので、はたしてみんなどういう意味で資本主義や民主主義という言葉を使っているのだろうといぶかっていました。たとえばヴォルフガング・シュトレークは「資本主義と民主主義の離婚」ということを言っています。またロバート・ライシュは資本主義の暴走、資本主義を救え、ということで資本主義の終焉論を述べていますが、他方シェアリングエコノミーの大家であるアラン・スンドララジャンは、シェアリングエコノミーの勃興は「大衆資本主義」の登場だということで、資本主義が滅ぶのではなく資本主義が高度な形に変質しつつあるという見方をしています。
このように資本主義については識者によってどう見ているかがある程度見えてきたのに対して、民主主義についてはこれが終焉に向かっていると見るのか、変質しようとしているのか、はたまた民主主義の行き過ぎが資本主義を圧迫しているのか、など、世の中ではどう見られているのだろう、と疑問に思っているなかで本書を見つけ購入しました。
私の疑問に答えてくれるという意味では非常に勉強になりました。本書では最初と最後に民主主義にまつわる議論の整理を俯瞰的にしてくれているので、自分の頭の整理が出来ました。また米国におけるリベラル、保守、リバタリアン、コミュニタリアンと呼ばれる人々の思想についても概要を理解することが出来ました。
他方、本書のメインの中身になりますが、日本の戦後の民主主義がどう変化してきているのか、著者の言葉を借りれば迷走してきたかについて記載されています。特に21世紀初頭の民主党政権とその大迷走およびその後の自民党一強時代に関する記述がメインとなりますが、こちらのメインコンテンツについては正直そこまで印象には残りませんでした。具体的には、目から鱗の記述があったかというとそうではなく、ある程度想定内の記載内容だったかなという感じでした。ただ民主主義に関する論点全般については頭の整理ができましたので本書全体としては大変満足しています。 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/685742 -
2016/07/18
民主主義が、多くの試みをできるようにする枠組みを用意することができる点に意義をもつという主張に同感。
きちんと批判的に読めたわけではないけれど、言っていることは偏りすぎず、中庸だったと思う。
今は新自由主義が潮流として問題なのだと思った。確かに僕は新自由主義が要求してくる生き方をしたいとは思わないから、僕も当事者なのだなと思った。
経済成長に重きをおく考え方ももう少しで終わりでいいんじゃないかな。 -
311.7||Mo