- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480068903
感想・レビュー・書評
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521-I
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途中からよくわからなくなった
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本来地域ごとの気候、環境に左右されるはずの建築も、近代に入ってからは主として米国主導による標準化の波に洗われることとなった。それへの抵抗として(これまでとくに意識されなかった)「伝統」が強調されるようになった。日本の近代建築はモダニズム(標準化)対伝統主義の相克としてまず規定される。
そうすると、どうしてもまずもって日本の伝統とは何か、という議論になってくる。建築の表現としては、それはまず「屋根」に典型的に表れるという。パルテノン神殿のような躯体に神社風の屋根、というキメラ的建物はなるほど割と見かけるように思う。そうした即物的な合体ではなく、例えばヨーロッパ的な回廊と寺社を巧みに融合させる形で伝統を考えさせる丹下健三らの試みも歴史に名を残している(原爆資料館)。
そうした潮流から独立して、そもそも日本的なわびさび自体をせせこましいと退け、縄文文化が持つ躍動感を徹底的に強調したのが岡本太郎。
大阪万博において、丹下健三による「屋根」に覆われたプラザと、それを突き破るように屹立した「太陽の塔」とを、二つの思想のぶつかり合いが生んだ傑作として著者は高く評価している(そして、丹下作品が取り壊され、塔だけが残ってしまったことを強く惜しんでいる)。
この章では岡本作品の造形と「エヴァンゲリオン」における使徒のビジュアルの類似を指摘するなど、著者の筆も乗りに乗っている。
ということで、思想と建築が分かちがたく結びついていることが理解できる一冊。 -
様々な切り口によって日本建築とは何かをあぶり出そうとしていて、近代以降の建築通史としてはよくまとまっていると思うが、入門と言われるとちょっととっつきにくい。前半特に「オリンピック」「万博」「メタボリズム」「岡本太郎」の章が興味深かった。
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「結婚式教会」とか「新宗教と」とかおもしろかったんだけど、ちょっと話題が散らばりすぎて印象薄いかな。入門書ってそういうもんかなぁ。
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2016/4/13