- Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480071316
作品紹介・あらすじ
信頼できる研究を積み重ねる実証史家の知を結集。
20のテーマで明治史研究の論点を整理し、変革と跳躍の時代を最新の観点から描き直す。
まったく新しい近代史入門。
感想・レビュー・書評
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h10-図書館2021-3-10 期限3 /24 未読了 返却3/12kindle本購入したので未読で返却
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【後で書評書く】
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明治の歴史をテーマごと二十講に整理して書かれた本。
正直一テーマだけで一冊書けるようなものを無理やり一冊の本にした、またテーマごとに書いてる人が違うのもあって全体としてバラバラで物足りないのは否めない。
更に詳しく知るための参考文献が紹介されてるしで勉強したい人はそっちもどうぞって内容なんだけれど、これだけで分かった気にはなれないので正直しんどい。
掃討勉強しないと逆に混乱の基になってしまうものの、色んな人のいろんな視点が見れるので今まであった思い込みや偏った見方の整理のは良い本でした。 -
最近出された明治史に関する文献を基に、最新の解釈を紹介するもの。歴史の解釈は変わり続けるし、多面的に解釈する必要があることを改めて認識。
テーマ毎に参考にした文献が記載されているので、更に学ぶためには便利。各テーマの紙面も限られているが、比較的コンパクトに纏まっていて復習的に扱うのではあれば問題ない。(初級者向けてはない、ということ)
「個人篇」も読んだので、明治史を面と点で概観を押えることができた気がする。
明治における先人の国家創りの強いエネルギーに刺激を受けることが重要。物事を大きく捉え、方向感を見極めて、強い意志がなければExecutionできない。
・7月の禁門の変による長州の敗退・・・幕府の諸大名への統率力を回復する千載一遇の好機をもたらした。…将軍は進発しなかった。この時期、江戸では文久改革を担った史僚たちが退けられ、幕府全盛時代への復古を夢見る復古派が幕閣を占めるようになっていた。・・・大局的に見てこれが幕府にとって決定的な判断の誤りであったことは確かである。・・・長州への寛大な処分を求める上申が出された。
・廃藩置県によって政令帰一という課題が達成され、直轄府県のみならず日本全国が財政の基盤となった。なお、士族の家禄は藩知事にかわって大蔵省が給付することとなり、実質的にほとんどが財務破綻していた各藩の債務も政府が継承した。
・このように、近世国家は王政復古から約10年で完全に解消された。旧支配層の身分がほぼ無血で解体され、特権を政府が買い取るかたちで完全に解消された事例は、世界史のなかでも稀有といえよう。
・政変が形作った、薩長閥政府と、従来の民権派による自由党、大隈らの立憲改進党という三つ巴の政治党派体制は、以降、さまざまな離合集散を繰り返しながらも、元老および官僚勢力、立憲政友会、憲政会~立憲民政党という形で大正・昭和初期まで続いていく。その意味で、明治14年の政変は、その後の政治構造を長らく規定し続けたのだと言うことができよう。
・首相のリーダーシップの制度的欠如は、明治憲法の国家諸機関の割拠性と相俟って、やがて軍部の戦争への暴走を抑止できなくなる。(各省大臣の単独輔弼制が採用され、内閣の規程は存在しなくなった)
・明治憲法では内閣総理大臣の選出方法は規定されず、内閣制度創設以来、辞職する首相が後任を推薦するか、もしくは、天皇の諮問に応じた元老と呼ばれる長老政治家の合議により推挙されるか、のどちらかによって選出された人物に天皇から組閣の大命が降下された。ただし、慣習としては、後者の元老会議が首相選定の任を担っていた。 -
明治の主に政治史に関するテーマ20編を取り上げている。個々の論考はそれほど長いものではないが、重厚な研究史の蓄積をもつテーマばかりであって、なかなか読むのに苦労する。一方で、中央政治史、外交史によったテーマがほぼ総てで、経済に関するテーマがないこと、また「民衆」や女性、マイノリティ、北海道・沖縄といったテーマが取り上げられないのは気にかかった。とはいえ、20しかテーマがないのだから、思い切って政治外交史に特化しよう、ということなのかもしれない。
執筆者に1980年代生まれ、特に80年代後半に生まれた若い人たちの参加がみられるのは印象的である。歴戦のベテランの書き手に比べると、全体として若手は叙述がやや固く平板という印象もあるが、内容は堅実。今後の成長を期待しての起用、ということだろう。 -
明治維新から始まる日本の近代国家建設は、漸進的にそれもけっして真っ直ぐでない道だったことが分かる。誰かの理念・理想に基づいて進んできたのではなく、都度、落とし所を見つけてきた結果なんだ。見つける為政者自身も代わってきているしね。
それにしても明治の世では、神社は宗教ではなかったというのには驚いた。宗教って概念は明治に生まれた訳語だったんだね。 -
東2法経図・6F開架 B1/7/1318/K