すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
3.48
  • (4)
  • (10)
  • (10)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 113
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480074133

作品紹介・あらすじ

つねに圧倒的存在であり続けた「お笑いビッグ3」。その軌跡を辿りながら、漫才ブームから「第7世代」の台頭まで「お笑い」の変遷を描き切った圧巻の40年史!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • テレビとお笑いの歴史と社会の関係を考察する社会学的な言説。お笑いビッグ3の立ち上がりがら、今の傷つけない笑いやユーチューバーへの変遷について。80年代初頭の漫才ブームから、社会の同質性をベースとして立ち上がってきたお笑いビッグ3と、笑いが社会のメインストリームになった笑う社会。それが、徐々に変遷しつつ、ダウンタウンなどの登場、M1などで変わるお笑いの構造とビッグ3の立ち位置の変遷。そして、同質的な社会が崩壊し格差が生じ、価値観が多様化する社会で相互性の笑いへと変遷した現在のお笑い第7世代。
    昨今のお笑いやらご意見版やら、著名人の炎上騒ぎに見られる感性の硬直化が問題な中、社会とお笑いの関係と時代性を感じ感性をアップデートできる、良書。

  • 笑いの歴史を綴った本は多数あります。

    しかしこの本は「お笑いビッグ3」である
    タモリ、ビートたけし、明石家さんま以降
    の笑いに焦点を当てています。

    間違いなく彼ら3人はお笑いの世界を変え
    ました。しかし普通の人からすると、今で
    もお笑い界を引っ張っているのは明石家さ
    んまだけではないのでは?と思ってしまい
    ます。

    ある一面ではその通りなのですが、別の面
    では「今」の笑いも、彼ら無くしては成立
    しない部分もあるのです。

    なるほど、歴史を知ると現在が見えてくる
    という好例です。

    読書が苦手な人も、こういう本から入って
    くると、やがて読書という行為がバラエテ
    ィー番組を観るように楽しくなってくるき
    っかけを与えてくれる一冊です。

  • 興味があるので、
    面白く読ませてもらった。
    それ以上でも以下でもないかな。

  • お笑いの歴史本をずっと読み続けているので特に新味はないが面白く読めた

  • 土曜日の夜、フジテレビで「さんまのお笑い向上委員会」を放送している。「向上長」の明石家さんまが、向上委員会メンバーとともに、ゲスト出演するお笑い芸人のお笑いレベル向上を目指す趣旨の番組だ。




    TBSでは「情報7days ニュースキャスター」を放送していた。冒頭にビートたけしが高校野球について話していた。「燃え尽きることを美とする日本の風潮」を問題視していた。





    通常なら土曜日の午後7時半からNHK総合で「ブラタモリ」を放送している。タモリが全国各地を地形や地理に注目しながら巡る。ここにはグルメ情報はない。たまにタモリが他の人ならNHKでいいそうにないことを言う。




    タモリ、たけし、さんまのいわゆる「お笑いBIG3」を中心とした現代至るまでのお笑いについて論じているのが今回の本だ。




    タモリとたけしは、お笑い芸人というよりも趣味にフォーカスしていたり、映画や時事論評の方にシフトしている。




    さんまは今でもお笑い芸人として活躍している。「向上委員会」や「さんま御殿」などで、お笑い芸人のみならず様々なジャンルの有名人、さらには一般人にも笑いを求める。笑いを求める厳しさから「お笑い怪獣」と呼ばれている。





    3人が日本のお笑いの世界に与えた影響は大きい。「第7世代」と言われるお笑い芸人が登場している。これから日本のお笑いがどうなっていくのか気になる。

  • お笑いを真面目に分析するなんて無粋だなあと思いながらも楽しく読了。
    M1のように芸人が芸人を評価するコンテストによって笑いが進化してゆくというシステムが確立し、見る側もそれなりに勉強をする必要があるということかもしれない。
    深く知って楽しむというこの形は落語や歌舞伎と同じく日本の芸能の典型的パターンかも。

  • 有り S779/オ/21 棚:13
    御津 小坂井も

  • 東2法経図・6F開架:B1/7/1586/K

  • <目次>
    序章   笑いは世界の中心に~なぜいま、タモリ、たけし、さんまなのか?
    第1章  「お笑いビッグ3」、それぞれの軌跡~80年代まで
    第2章  「お笑いビッグ3」とダウンタウンの台頭
    第3章  『M-1グランプリ』と「お笑いビッグ3」
    第4章  笑いの新たな潮流
    最終章  「笑う社会」の行方~「お笑いビッグ3」が残したもの

    <内容>
    最近「お笑い」を分析する本が多く出版されている。タモリ、たけし、さんまの伝記や分析するもの。お笑いそのものを分析したナイツ塙の本。社会学的にお笑いが研究テーマとして認められたのかもしれない。この本は、一番オーソドックスにお笑いの流れを見ているかもしれない。「お笑い第7世代」の話やフワちゃんのことも割と的確に分析しているような気がする。一方で、オリンピック絡みで、元「ラーメンズ」の小林氏がやり玉に挙がっている。「面白ければよかった」「内輪ウケでよかった」時代は終わりなのだろう。そうなると「お笑いビッグ3」もかなりきわどいお笑いを残してきている。このような部分はどうするのか?

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1960年生まれ。社会学者・文筆家。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビと戦後日本、お笑い、アイドル、メディアと社会・文化の関係をテーマに執筆活動を展開。著書に『社会は笑う』『ニッポン男性アイドル史』(以上、青弓社)、『アイドル進化論』『紅白歌合戦と日本人』(以上、筑摩書房)、『SMAPと平成ニッポン』(光文社新書)、『芸人最強社会ニッポン』(朝日新書)、『攻めてるテレ東、愛されるテレ東』(東京大学出版会)ほか多数。

「2021年 『すべてはタモリ、たけし、さんまから始まった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

太田省一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
山田ルイ53世
雨穴
劉 慈欣
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×