- Amazon.co.jp ・本 (547ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480080851
作品紹介・あらすじ
本書は、晩年のニーチェの思想とその形成過程を知るための必読文献である。また、若き日のニーチェが「回想」ふうに書き残した文章を編集した『自伝集』を併載する。
感想・レビュー・書評
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ニーチェ「私が何を言おうとそこから新しい偶像が生まれることはない。
むしろ古い偶像が私の言葉を聞いて一体何が出来るのか思い知ればいい。
偶像(理想)を倒すこと、これこそ私の以前からの手職だった。
一つの理想世界が虚構せられたとき、その分だけ価値の意味と誠実とが現実の世界から削り取られた。
そういう風に「真の世界」と「仮の世界」とができた。
しかし、実は真の世界こそが虚偽の世界であり、仮の世界こそ現実の世界だった。
理想というこの嘘が、今ままでずっと現実世界を責めさいなんでいた。
この呪いによって人類自身がその本能の奥底まですっかり嘘つきになり、偽物になってしまい、ついには、繁栄と未来と、
未来への高き権利とを保証するだろうと思われているような本物の価値とは逆な価値を崇拝するという状態にまで至っている」
『この人を見よ』の序言が上手くニーチェの言いたいことをまとめています。
この本は、ニーチェが人類に史上最も難しい要求を突きつける前に書かれたものです。
ニーチェ自身が言ってますが、この本は「人類を改善する」ことが書いてあるものではないし、そんなことを約束する本でもありません。
なぜなら人類の領域であがいていても改善など出来ないからです。
いつも何か超越的なものを作り出し現実を生を貶めるニヒリズム、
理屈や論理より復讐で動くルサンチマンが必然となっている人類を超えなければいけないのです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2009/4/21購入