天国と地獄―ジャック・オッフェンバックと同時代のパリ (ちくま学芸文庫)
- 筑摩書房 (1995年9月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (590ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480082275
作品紹介・あらすじ
19世紀のパリは現代社会の先触れである。共和国と独裁制、革命、世界経済、万国博覧会、根なし草になった人びと。第二帝政期の娯楽の王といわれたオペレッタは、市民が公共生活から遠ざかり、私的生活に引き籠るこの社会の浮薄な陶酔状態を、その生きた形姿においてもっともよく捉えた。成り上がり者ルイ・ナポレオンの第二帝政と興隆をともにしたオペレッタの創始者オッフェンバックの伝記を通して、パリの生活を記述する都市の伝記。
感想・レビュー・書評
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パリ七月王政~第三共和政(『天国と地獄』より)
第二次王政復古(1815~1830)
七月革命
ブルボン家の反動政治が倒され、シャルル十世は英国に亡命、自由主義的王党派の支持するオルレアン家のルイ・フィリップが迎えられる
七月王制(1830~1848)
ルイ・フィリップの中庸政策
ロマン主義の台頭(中庸主義の無思想性と物質主義を補う)
社会主義思想の台頭、サンシモニスト(産業主義と社会主義が溶けあう)
ジャーナリズムの興隆
ブルジョワジー、金融貴族がサロンを形成
ダンディ、ギゾー
二月革命
1847年~の経済恐慌が深刻化
第二共和政(1848~1852)
第二帝政(1852~1870)
歓喜と栄光 自由・平等・友愛
帝国の祝祭(フェット・アンペリアル)
マチルド皇女によるサロンの形成、クリノリンの流行
「麗しのエレーヌ」「青ひげ」「パリ生活」「ジェロルスタン大女公」
リュドヴィーク・アレヴィ(叔父フロマンタール・アレヴィ)
1855年万博
ボヴァリー夫人の提訴
新聞、世論の成熟
『フィガロ』の創刊(ヴィルメサン、ヴォルフ…ケルン出身)
「ル・プチジュルナール」
ヴィルメサン「事件」左翼のゾラ、ロシュフォールの筆
投機熱の高まり
経済発展が共和主義を招く
メキシコ遠征の失敗
メキシコ皇帝にオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフの弟マキシミリアン大公を据えさせる
南北戦争の集結、アメリカによる撤兵要求
最後のフランス軍がメキシコを離れると同時に銃殺
普仏戦争(1870~71)
スペイン国王にホーエンツォレルン家のレオポルトを迎えることにナポレオン三世が反対、スダンで降伏、廃位
パリ・コミューン(1871.3.18-5.28)
社会主義的革命政権=パリ市民、労働者
5.21~ 政府軍との「血の一週間」
第三共和制(1870~1940)
合理主義、学問と進歩
フロベール、ルナン、テーヌ、ゾラ
ゾラのオペレッタに対する憎悪
1877万博、マクマオン降伏、共和制ゆるぎないものに
ロシフォール「ランテルヌ」
ジークフリート・クラカウアー『天国と地獄 ジャック・オッフェンバックと同時代のパリ』平井正訳、せりか書房、1978年(ちくま学芸文庫、1995年)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小田原、小樽などを舞台とした作品です。