グロテスクの系譜 (ちくま学芸文庫)

  • 筑摩書房
3.50
  • (5)
  • (4)
  • (13)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 58
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480088390

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ルネサンス美術の陰で産み落とされてきた怪奇や滑稽・アラベスクなどグロテスクなるものの系譜をたどる美術史。

  • ヨーロッパに限定され、窮屈で議論が散漫な感じもする。期待はずれ。ラファエロがグロテスクな意匠を手がけていたのは初耳。グロテスクの起源が壁のしみにあるというのは興味深い[p83]。世界的に検証すると面白そう。

  • 〈グロテスクなもの〉は、ルネサンス美術が「純粋で清澄なる古代」を復興する陰で産み落とされた。滑稽図やアラベスク模様など空間を装飾する絵画では、「現実的空間の否定」と「雑種(ハイブリッド)な生き物の増殖」」が中心原理となり、遠近法と物語(イストリア)で構築された世界秩序からの解放が可能となる。「疎外された奇形児」か「豊穣な民衆世界」かという両極からしか批評されてこなかった、この怪物的で遊戯的なものの系譜を、美術史の碩学が的確精緻に解剖する。(裏表紙より)

    「仮面。仮面行列、装飾用の怪人面」と「現代美術における遊びと聖なるもの」の二編も併録。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

(André Chastel)
1912年パリに生まれる。イタリア・ルネサンスを専門とした美術史家。1957年から1969年までパリ大学文学部美術史学科教授を務めた後、1970年から1984年までコレージュ・ド・フランス教授として教鞭をとる。ド・ゴール政権での文化相アンドレ・マルローと近しく、1964年の「フランス記念建造物及び芸術的富の総目録」、通称「総目録」の作成を提言した。1975年に碑文・文芸アカデミー会員に選出。1990年死去。邦訳された主な著作に、『グロテスクの系譜』、『ローマ劫掠――1527年、聖都の悲劇』、『ルネサンス精神の深層――フィチーノと芸術』などがある。

「2019年 『遺産の概念』 で使われていた紹介文から引用しています。」

アンドレ・シャステルの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×