はじめて学ぶ哲学 (ちくま学芸文庫 ワ 3-4)

著者 :
  • 筑摩書房
3.44
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480089052

感想・レビュー・書評

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  • 3.3

  • これ読んだらめちゃくちゃ生きる活力に満ちてきた。哲学ってすごいかもしれない。哲学の向かおうとする方向っていつでも人間にとって明るい方向なのだと知れた。難しくて分からないところもたくさんだったけれど(とくに東洋と西洋の哲学の個々の説明)、それ以上に受け取れたものでいっぱいだ。
    あと決して完結しないものなので、完結しているように見せかけているものは嘘なのだとおもった。そう書いてあったように読んだ。ありがとう先人。

  • コンパクトに纏められている。

  • 哲学、それはそこはかとないインテリの響き。

    ふと本棚を見ると、買ったかどうかも憶えていない重厚な哲学書がある事に気づく。難解な書物を読みこなし、世界、人生について深い洞察を備えた知的な大人になりたい、そんな風に思った若かりし日の残光。または、増加する家財道具、生活必需品に圧迫され、配偶者からの無言のプレッシャーで常に立ち退きを迫られている負債。目にするたびに、人生は長い、偉大な書物は古びないのだ、と自分に言い訳をするが少しばつが悪い。

    同様のご経験をされている読書家は、実は多いはずだと私は勝手に思っている。

    さて、要するに、にわか知識で見栄を張って購入したは良いが、最初の数ページで挫折した哲学書が、私の家には複数冊ある。なぜ読めないのか。

    忍耐を要する書物については、読むモチベーションをいかに高めるかが重要である。仕事上の必要などがある本は仕方なく読む。しかし、娯楽のための読書、単純な興味での読書となると、難解になると途端に読めなくなる。少なくとも私はそうだ。

    そこで、まず、当該書物を読むための興味レベルを引き上げてはどうか。というわけで、初学者なら初学者らしく、潔く「哲学入門」的なところからトライしてみようと思い至った。何が書いてるのかが分かれば、もしかしたら読む気が起こるかもしれない。

    すると、うまくしたもので、やはり、そのための本も既に棚に陳列されているのである(いつ買ったのだろうか)。幾度となく挫折して来た道。人というものは、生半可なことでは成長しないようだ。

    本書は、哲学とは一体何をしているのか、ということを、東西の思想、哲学史を概観しながら解説してくれるものである。「はじめて学ぶ」というわりには文章は少し難しく、それなりの読書経験は必要であるように思う。しかし、読み進めてみると、その“変にくだけていない”所が逆に気持ち良く、通読してみて思った以上に頭の中が整理された気がした。哲学史の解説本というよりは、哲学の心得本、という方が近いかもしれない。

    私同様の挫折経験をお持ちの方には、一度トライをお勧めしたい。この手の本には向き不向きがあるので、一応、中身を確認してから買った方が良いと思う。

  • 放送大学のテキストが種本。

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著者プロフィール

哲学者。放送大学名誉教授、東京大学名誉教授。専攻は西洋近現代哲学。著書に『ハイデッガーの実存思想』『ハイデッガーの存在思想』(以上勁草書房)、『ニヒリズム』(東京大学出版会)、『構造と解釈』『英米哲学入門』『芸術の哲学』『はじめて学ぶ哲学』『現代人のための哲学』(以上ちくま学芸文庫)、『歴史の哲学』(講談社学術文庫)、『人生の哲学』(角川ソフィア文庫)などがあり、『渡邊二郎著作集』全12巻(筑摩書房)に集成されている。

「2021年 『増補 自己を見つめる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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