旧約聖書の誕生 (ちくま学芸文庫 カ 30-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 117
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (598ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480094117

作品紹介・あらすじ

旧約聖書はユダヤ教・キリスト教の正典であり、また、その宗教的権威を離れても広く人類の文化のなかで大きな影響を与えてきた。しかし、その中身はそれぞれが矛盾し錯綜したテキストの集合であり、多くの現代人にとっては通読することすら困難だというのが現実だろう。本書は、旧約聖書をその歴史的状況の中に置き直し、「創世紀」「出エジプト記」「ヨブ記」「雅歌」…等々の文書が成立した時代とそれらが背負っていた思想的課題からの解読を試みる。各文書の個性から、なぜ旧約聖書というまとまりのある書物が成立し権威を持ったのかまで、イチからよくわかる旧約入門の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • 加藤隆の本は「キリスト教の本質」、「一神教の誕生」に続いて3冊目。今年に入って、立て続けに読んでいる。
    辿っている歴史、扱っている学説、彼自身の見解などは上記の本とこの本で変わらない。だが、何度でも読む価値があることが書かれている。
    もっと前に読んでいればとも思うし、今だからこそこの感動があるとも思える。
    見えていた世界が変わる。読んだ後に自分が変わる。
    これをtwitterで紹介していた中田考に感謝したい。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/738805

  • 誕生というタイトルではあるけど、旧約聖書の内容の紹介と日本人向けの考え方の紹介が主。というか、成立については突っ込んだ話はほぼない。90年代以降の議論は意図的に触れてないのかもしれないけど、モーセ五書の編纂のくだりとか学術的根拠のない自説を事実のように語っているのはちょっと気になる。あと、にわか素人の身で失礼ながら、誤認では?と思われるところがたまにあって引っかかってしまう。ヘロデ大王がユダヤ人に人気あったとか、全くないわけではないだろうけどそう書かれると誤解がありそうな話とか、エレミヤ記は捕囚時代に大規模な編集・加筆を受けているんだけど、その箇所を当時の記述として扱っていたりして、入門書として広く読まれるのにどうなのかなと思う。そんなに古い本でもないわけだし…。元々新約の先生みたいなので、新約聖書の誕生は楽しみに読もうと思う。

  • 新書文庫

  • 旧約聖書やユダヤ教・キリスト教の最低限の知識がないと読み通すのは難しいかも知れない。
    しかし、それでも読み進むにつれ、「えっ?!そういうことだったの!」といったことが多々あるのが愉しい。
    宗教書の解説ではあるが、へんに宗教がかっておらず、学術的な知的好奇心がそそられる良書だと思う。

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著者プロフィール

加藤 隆(かとう・たかし)
1957年生まれ。ストラスブール大学プロテスタント神学部博士課程修了。神学博士。千葉大学文学部教授。著書に、『旧約聖書の誕生』(ちくま学芸文庫)、『新約聖書はなぜギリシア語で書かれたか』(大修館書店)、『『新約聖書』の誕生』(講談社学術文庫)など。

「2021年 『キリスト教の幼年期』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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