美術で読み解く聖人伝説 (ちくま学芸文庫 ハ 15-5)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (427ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480095169

作品紹介・あらすじ

13世紀のヨーロッパ、修道士ヤコブス・ド・ウォラギネによって書かれたキリスト教聖人伝『黄金伝説』。イエスやマリア、十二使徒をはじめ、総勢100人以上の聖人の生涯を収録したこの長大な書物は、聖書とともに、中世以降のほとんどのキリスト教美術の画題になったといってよい。本書は時代順の章立てで、主要な聖人ごとの逸話を絵画・彫刻など多数の美術作品と対照させつつ読み解き、キリスト教の本質に迫っていく。好評の学芸文庫書ろしオリジナルの「美術で読みとく」シリーズ。カラー口絵付。

感想・レビュー・書評

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/737719

  • おもしろい。キリスト教の聖人たちを、彼らが描かれた具体的な絵画とともに紹介する内容なのだが、かなりフランクに絵画および聖人伝説を茶化す文体となっていて、読みやすい。これは、著者がどちらかというとユダヤ教に近しい人物であり、キリスト教(とくにカトリック)の中世における教会至上主義に嫌悪感を抱いているからこそ書けるものなのだろう。ちょっと、一部ではその挑発的なものの書き方が行き過ぎに感じる部分はあるが……。あと、文庫だから仕方ないが、絵画がモノクロで小さく、解説されても判別できないのは残念な部分である。

  • 聖人伝説の白眉といわれる『黄金伝説』の美術史からの解説です。いや、これは言い過ぎだと思って、『黄金伝説』を読んでみました。まだ少し残っていますが。『黄金伝説』の日本人向けの解説としては、疑問に思うところを論破しています。「だから信仰を持たない人は」と言いたくなるような部分が満載。調査・研究が行き届いているだけに、なかなか反論できないところが歯がゆいです。
    極論ともいえる部分にどう対処するかは、今後の課題です。
    このところ、中東では不穏な動きがあります。犠牲者のことを思うと、「殉教」の意味もこの辺で考え直す必要があると思いました。

  • いちいち大げさに驚いたりわざとらしく皮肉ったりするのに字数割きすぎ。宗教説話なんて話盛ってて当たり前なんだから普通に紹介してほしい

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著者プロフィール

多摩美術大学名誉教授
国際キリスト教大学卒、京都大学大学院、ドロプシー大学大学院(フルブライト、Ph.D)、ペンシルヴァニア大学大学院上級研究員、オックスフォード大学客員教授(1999—2000年)、同大学客員研究員(2001年以降)、現在ケンブリッジ大学(クレア・ホール)フェロー終身会員、(ウォルフソン・コレッジ)フェロー終身会員、イェール大学大学院客員研究員

「2016年 『マカベア戦記 下 ユダヤの栄光と凋落』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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