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- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480095824
感想・レビュー・書評
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明治~大正初期の社会派ジャーナリスト横山源之助が当時の富豪について身近に接したままを著したもの。
五代友厚、井上馨、岩崎弥太郎等、歴史上の大物について、著者の交友の中で得たエピソードや人間性にまで触れられており興味深い。
また、当時興った多くの企業が現在の大企業に発展しているわけで、その生い立ちを知ることもできる。
歴史の動きには必ず経済活動が裏にあり、政治だけを追っていても歴史は理解できない。
一例としては戦争と経済の関係。西南戦争で三菱が飛躍した話は夙に有名なところだが、それ以外のことでも興味深いエピソードが登場する。
以下引用~
・三井家の事業を呉服店と両替店に分けたのも、やはり三野村の指金で、会計検査の機密を知り、三井家の九死を一生にかえしたのも、この三野村の知恵袋じゃった。
今日井上馨が三井家の大黒柱に座っているのも、この三野村利左衛門の画策で、三井家の土台骨は、まぁこの三野村で定まったのじゃ。
・五代が尊敬したのは大久保利通一人じゃった。
その他は寺島宗則でも、黒田清隆でも、大隈重信でも、松方正義でも、別段敬意を払わなかったようじゃ。
・(岩崎弥太郎は)海援隊の連中に対しては、愛想も素っ気もなかったが、西洋人には如才なく立ち回ったようじゃったわい。要りもせぬ金を借り、五日も十日も期限より前に返すなどという古い手も用いた。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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