知性の正しい導き方 (ちくま学芸文庫 ロ 10-1)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480096586

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  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/738303

  • 心の揺れ(思考の、誤った方向せい)を正しい知性で整えようとする試み。

    正しい知性、命題の「前提」の確かさを確かめるため数学的推論を使う。

    観念同士の相互関係の検討、捨象と整列順序。

    心の訓練では少しずつ進めていくこと。

    知性と言っても勉強の話だけではなかった。
    その手の話が苦手な人が読んでも役に立つ本だと思った。専門用語が少なく、うんざりするギリシア人の名前も殆どといっていいほど出ない。

  • 本は自分の定点観測の場所である。
    優れた書籍はいつもそこにあり、かつ同じものではなく、
    その時々に必要な顔で、その時の自分の親友としてライバルとして、
    師匠として、傍観者として、私に言葉をくれる。

    この本と出会ったのは数年前のこと、図書室の片隅にひっそりと
    イギリスの書籍の一冊としておかれていた。

    読書が好きで、知的な人が好き。
    そんな夢見がちなことを言っていた私の周りには、
    本を読む人がたくさん居て、
    本を書く人もたくさんいた。

    言葉を音に乗せて届けてくれる人が居て、
    その言葉を綴る特別な人がいた。

    言葉が知性が私の中の基準のひとつとして固まりかけた頃に
    出会い、今でもまだ魅了し続けてくれる一冊。

  • 2017/3/3読了。反知性主義の特集かなんかで紹介されていたので購入。

    ロックって読みやすい文章書くなぁと思ってたけどよく考えたら訳者が上手ってことですよね。結構スラスラ読めました。

    内容としては、デカルトの『方法序説』に似てるなぁと感じた。『方法序説』を噛み砕いたのがこの本って感じ。

    デカルトとロックって合理論と経験論とかで対比されることが多いから意外だった。「知」についての思考を深めて行くと同じような道に至るということなのかしら?


    まぁ『方法序説』を読んだのが5年前くらいだから何か勘違いしてるだけかもしれんけど。

  • ジョン・ロックが、誤謬に陥らずに事象を理解し判断するための処方を書いた小著。
    要するに論理的明晰さを維持するために排除しなければならないつまずきの石を指摘していく。その思考モデルの原型は数学である。ロックは思考の訓練のために数学を学ぶことを勧めている。
    私たちは、知性(本書の現代ではUnderstandingとなっている)と呼ばれているものも、理性と呼ばれているものも、同じ脳の諸機能の特性ごく一部を、取り出したものにすぎないということを知っている。特にカント以降は知性・理性・悟性を諸感覚や感情と截然と区分し、それぞれがあたかも1個の実体であるかのように語られた。理性崇拝は西欧の文化を支えてきたが、反面、その信仰は世界の支配原理として機能し、帝国主義的な他文化の制圧へと結びついた。
    けれどもロックの時代には、どうやらまだそこまで行っていない。ここではただ単に、真実を見抜くための自己統治のハウツーが語られているだけだ。そのように自己を統治するスタンスが自明の倫理として語られていることに、この時代の状況が現れていて興味深い。
    本書に書かれていることは極めて明快で平易であり、特に若い読者には哲学入門の一種として有用かも知れない。若者は「当たり前のことばかり書いてるじゃないか」とぼやくかもしれないが、その場合は、そのような常識がどこから来たのかということを考え直すことを勧めたい。
    ロックの『人間知性論』もそういえば未読なので、今度読んでおきたい。

  • 著者の主旨へ導くのには別のアプローチのが良い

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著者プロフィール

ジョン・ロック(JOHN LOCKE, 1632-1704)
 17世紀の英国の哲学者。当代のヨーロッパ「学問共和国」の一員としての自負を持ち,
英仏をはじめとする絶対主義諸国の暴政に対して,
著作及び実践を通じて人間の尊厳を尊重する社会実現のために身命を賭した。
 主著は,『人間知性論』『寛容書簡』『キリスト教の合理性』『利子・貨幣論』,
それに本訳書『統治論』など多数。
現在オックスフォード大学出版局から,クラレンドン版「ジョン・ロック著作集」
The Clarendon Edition of the Works of John Locke が刊行中。

「2020年 『改訂版 全訳 統治論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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