- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480097941
感想・レビュー・書評
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ソクラテスの生きた時代は、ソクラテス・プラトンだけが突出していたのではなく、同時代に生きる思想家たちの大きな潮流の一環として位置付けとして再認識すべきとして、紹介しつつ、後代における主にソクラテス思想の受容の仕方を紹介した著作。
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/737633 -
哲学者として有名なソクラテスに対する考察本。
有名な『無知の知』が、「知らない事を知っている人の方が知らない事を知らずに語る者より優れている」という論ではない説明がとても面白かった。
ソクラテスの著作は何もないので、その思想は弟子や知人というフィルターを通じてしか残っていないため、そこから吟味する必要がある、という主張なのだが、正直前半は読み飛ばしてしまった・・・。 -
最新の研究成果が導入され、人口に膾炙したソクラテス理解を誤りとして指弾している。厳密な学問的態度を貫くため、文献の一字一句を詮索するのはある意味仕方ないだろう。それより私にはソクラテスを巡る知的攻防が、ソクラテスの生前においても死後においても沸騰していた様子が浮き彫りにされていて、面白かった。当然ソクラテスも聖賢の称誉を始めから得ていた訳ではなく、ソクラテスの生前の活動を基軸としながらも、死後において弟子達がソクラテスを巡る誤解や紛争を乗り越えて、真実に近づく形でソクラテス理解を確立したからこそ、我々はソクラテスに学ぼうと発奮するのである。とはいえ、少なくとも私にはソクラテスがしたような悠長な議論をする時間はないし、言論に専心する以上に働いて生活をしていく重要性を重く見ている。その点を踏まえて、ソクラテスに何を学ぶのか、この問いは真剣になされるべきだ。