- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480098184
感想・レビュー・書評
-
会津若松に旅行に行った際、日新館で文武両道の教育を知った。その中に素読があり、興味を持って読んだ。
漢文以外にも世界の幅広い言語宗教の観点から素読の持つ意味が多面的に検討されていて面白かった。
まずは大学から素読を始めてみたい詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1262683 -
漢詩の素読などは敷居が高いが、なんでもいいから朗読してみるということならやってみようという気になる。色々試して、経験を重ねてみよう。
-
東2法経図・6F開架 019.1A/A16s//K
-
語学力アップには素読が一番!それがよくわかる。
英語教育の早期化とかいう話があるが、それは邪道である。英語力向上には論語の素読に限る。 -
『素読のすすめ』
【版元】
シリーズ:ちくま学芸文庫
定価:本体1,200円+税
Cコード:0137
刊行日: 2017/11/08
ページ数:304
ISBN:978-4-480-09818-4
素読とは、古典を繰り返し音読すること。内容の理解は考えない。言葉の響きやリズムによって感性を耕し、学びの基礎となる行為を平明に解説する。
<http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480098184/>
【感想】
もとは現代新書。漢文素読がそれほど素晴らしいという結論には至りません。どの程度よいのかも分かりません。もちろん、昔の教育の一つという点ではとても興味深い本でした。豊富なエピソードがとても楽しいので、おすすめできます。
気にかかるのは、著者による素読アピールの仕方が筋悪なこと。素読の良さを売り込む部分が本書の大半を占めているので、長くなりますが書いておきます。
①素読が「感性を磨く」とか「効果的」と言う売り文句自体が曖昧。つまり、トクホみたい。
②そして、「良い」とする根拠が薄い。歴史上の小数の偉人のエピソードを例示しても、素読の効果よりも、その個人の勉強量・才能の方に注目するばかりです。
③比較がしっかりしていません。おそらく、家庭内の教育よりは、現代日本の教育(の内、語学の教え方)を暗に比較対象としているようですが。
④誉める一方で、素読を「理屈ではない」や「〈愚か〉にも似た営み」と書いて、逃げ道を開けておくのはセコい。これでは『すすめ』というストレートなタイトルは似合いません。
なお、日本語における漢文の影響の大きさや、近代の歴史上の人物が身に付けた漢学の素養についての話題も登場します。たしかに私も古典の重要性は認めます。しかし素読が外国語学習に効果的かは上記の通り不明なままなので、身も蓋もなく次のように思いました。たとえ素読が消え去っても、古典へのアクセスは別途確保できるのでは。
【簡易目次】
第1章 素読を支えるもの
第2章 外国語早期教育と漢文素読
第3章 素読の歴史とさまざまな例
第4章 ヨーロッパでの経験
第5章 ユダヤ教の聖書朗詠
第6章 素読を始めるにあたって
付録 素読テキストの実際例