ドゥルーズ (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
3.76
  • (2)
  • (11)
  • (3)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 203
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480099587

作品紹介・あらすじ

ドゥルーズの哲学は、いまという時代に何を問いかけるか。生命、テクノロジー、マイノリティといった主題を軸によみとく。好評入門書の増補完全版!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 入門書として最適。でも、結局ドゥルーズの作品そのものに触れなければ意味がないような気がしてきました。勇気を出して読んでみるか。

  • 初ドゥルーズ入門書

    自分なりにまとめると、
    定点をもたず、「絶え間のない生成の動き」の中に
    私たちは生きていて、決して同質のものや永続的な自己同一性というものはなく、
    すべて生成の中で意味付けられていく。

    その意味では、マジョリティなものがマイノリティたり得るし、逆も然りである。

    とはいえマイノリティな文脈に自分がいることを発見したとき、私たちはそれを能動的にマジョリティなものへと接合し、狂って生きる(=抵抗)していくのが理想である。
    それがすなわち、解けない問いを揺らぎと共に生きることである。

    金属と遊牧民や、自然とテクノロジーに対する考え方も面白く、
    農業から既にテクノロジーは始まっているが、
    それを否定するのではなく、
    むしろ私たちがテクノロジーと考えているものは、
    自然の延長線上にある。

  • [出典]
    「現代思想入門」 千葉雅也
    P.60 ドゥルーズの入門書

  • 解けない問い、というタイトルからしてもグッときたし、とても読みやすかった。ドゥルーズ、デリダ、ハイデガーの関係がわかりやすく述べられていて、大変に助かった。少しずつ、ドゥルーズ、デリダ周辺の流れを追いながら自分の探究に連結していきたい。さて次は何を読むか。

  • 2002年に出版された第1部に、ほぼ同量の第2部を増補したドゥルーズ入門書。
    第1部でドゥルーズについて大雑把なイメージができたような気がする。


    第1部では、ベルクソンの継承者として、ドゥルーズが生成をどう扱おうとしたかが概説されている。
    知識や行動の拠り所となる拠り処や根拠がうまく機能しない時代にあって、根拠に依存することなく新しいことが産出される生成の現場とどう向き合っていくか。
    カントや現象学のスタンスと対比させてドゥルーズを位置づけることで見通しがよくなっている印象。

    第2部では、『千のプラトー』での「マイナーサイエンス」「機械状系統流」を解説することで、マイノリティとテクノロジーの問題を取り上げている。

  • 面白かった。
    ドゥルーズの解説本なのに、批判されてるデリダに惹かれてしまった。反省。

  • 理解力がないせいで、解説本やのに内容そんなわからんかった。なので、印象に残ったとこだけ、「極端な自己中心性と徹底した他者中心性、揺るぎない利己主義と無償の利他主義、これらはほとんど同じ構造をもつ(引用)」というとこ。極左は極右に通じるし、自己中は他己中と原理的に同じってことですね。

  • 後半も楽しく読めた感じ。この数年でずいぶん研究が進んでいるらしく、こういう新しい入門書も複数あって勉強しやすそうだ。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

檜垣 立哉 1964年生。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。大阪大学名誉教授、専修大学文学部教授。哲学・現代思想。著書に『生命と身体』(勁草書房)、『日本近代思想論』『ヴィータ・テクニカ』(青土社)、『バロックの哲学』(岩波書店)、『日本哲学原論序説』(人文書院)、『ベルクソンの哲学』『西田幾多郎の生命哲学』(講談社学術文庫)、『哲学者がみた日本競馬』(教育評論社)、監訳書にN.ローズ『生そのものの政治学』(法政大学出版局)ほか。

「2023年 『ニューロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

檜垣立哉の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×