マイテーマの探し方 ――探究学習ってどうやるの? (ちくまQブックス)

著者 :
  • 筑摩書房
4.12
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本棚登録 : 240
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480251176

作品紹介・あらすじ

題材選びから資料探し、テーマ設定の落とし穴までーー三千名の中高生の実例から一番知りたい急所がわかる。自分の興味と問いを見つめる学びの大航海に出発しよう!

感想・レビュー・書評

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  • 読んでいてわくわくしました。
    引用と自分の意見を分けるのに、キャラクターを使ったりするなど、楽しみながらしっかり基本を押さえられててすごいです。
    これから本を読む時に、テーマを決めて複数冊読んで、是非まとめてみたいです。

  • 1100

    片岡則夫(かたおか・のりお)
    1963年神奈川県生まれ。東京学芸大学大学院修了。神奈川県立厚木商業高校で図書館を利用した授業「大航海」の実践を始め、清教学園において図書館を使った探究学習・論文作成を実践指導、15年間で約3000名のマイテーマ探しを見守ってきた。現在、清教学園中・高等学校探究科教諭・図書館振興財団教育支援担当。著書に『中高生からの論文入門』(共著、講談社現代新書)など。

    「興味がある」、なんて当然です。しかし、長い時間をかけて取り組めるだけの興味 を持てる分野や題材が見つかるには、思ったより時間がかかる場合があります。ま た、「興味がある=好き」ばかりではありません。たとえば、「それってなんとかし ないと」とか、「なんか変」「腹が立つ」といった、問題意識や違和感や怒りも大切 なきっかけです。

    ⋯⋯探究学習は謎ばかりですね。でもここに紹介したような遠回りや道草がけっこう大事なのです。先がわからなくてもワクワクする小道があって、入り込んでみたら思わぬ楽しい場所に出た!そんな経験はありませんか?さまよう途中で風景が開けて、登るべき山の頂きが見えたりする、そんな不思議な経験を探究学習は連れてきます。

  • 最近の中学生はこんな手の込んだ探究学習に取り組むものなのか、と少々の驚きを感じながら読了した。清教学園という私立の中高一貫校だからこそ成り立つカリキュラムなのかもしれない。中学生向けの平易な言葉で書いてはあるが、大学生や社会人にも十分に読み応えのある内容だと思う。
    ちくまQブックスのシリーズコンセプトが「10代のためのノンフィクション読書を応援する」なのだそうだ。
    何をマイテーマに学ぶかと言うことは自分が何者であるか問いかけること、という趣旨の言葉は惰性で日々を生きる自分には少々耳が痛い。

  • これは一連のQブックスの中でも出色。もう、これから新たな研究とかよほどなかろう、って感じで読むのを後回しにしていたけど、本書に触れると、俄然やる気にもなってくる。いわゆる論文の体裁で書いたのって、大学になってからだったと記憶するけど、本書を参考に、是非中高生までには触れておくべき。というか、べきだった。

  • 〇モヤモヤしていた疑問に光があたった。手元に置いておきたい1冊
    〇失敗テーマになるほど。失敗事例、フフってなる。学生のうちにどんどん失敗しとくとよいよね。反省もした。
    〇図やレシピが分かりやすく、取り組むさいのハードルを低くしてくれる
    〇事例の多さは長年取り組んでこられた重みだ


    ●調べる学習
    題材を決めて調べる探究学習

    ●ミニ調べる学習
    画用紙一枚にレポートをまとめる
    ①企画をたてる
    ②その題材を選んだきっかけ、動機
    ③図書館で探した本 

    ・事典や辞書を調べる
    ・カードに引用する
    ・自分のアバターを使ってコメント
    ※引用+自分の意見←“ピース”とする
    ・参考引用文献リスト
    ・企画の責任表示とタイトルをつける

    ●マイテーマの探し方
    ・興味を持ち人に伝える価値があること
    ・資料があり自分の力で扱えること
    ・人とは違うこと
    探究学習企画書
    ①分野・題材
    ②動機
    ③基礎資料のリスト
    ④内容
    ⑤フィールドワーク・プロジェクトのアイディア

    ※よくテーマにあがるが、要注意・難しい分野もある

    ・分野の中から「題材」を探す
    ・無駄と遠回りが「学びたいこと」を連れてくる

    ●調べる学習・研究論文の基礎
    調べる学習の基本的な型
    ①表紙・タイトルと執筆者
    ②はじめに
    ③目次
    ④本論
    ⑤参考引用文献リスト
    ⑥あとがき

    ・ピース作りが基礎
     出典(どこから引用したか)
     コメント(引用への自分の意見)
     まくら(なぜ引用したか)
     タイトル(つまり。ピースの見出し)

    ・研究の土台づくり
    ①定義・特徴
    ②起源
    ③歴史
    ④分類
    ⑤現状

    ・コメントのヒント
    ・感想をコメントに育てる
    ・ピースのために氷山を大きく
     情報への評価。言い換え、批判、疑問、肯定、確認、発見。
    ・ピースが増えグループができて章から調べる学習の作品へ
    ・ピースのための図書館・インターネット利用
     図書館レファレンス
     インターネットの情報(実は難しい)
     情報の信頼確認
     出典の記載が難しい

    ●フィールドワークプロジェクトでリアルに学ぶ
     本やネットだけの学習から、本物の学習へ
    ①計画書
    ②下調べ
    ③取材の申し込み
    ④取材
    ⑤記録を残す
    ⑥お礼

    安全なフィールドワークのために
    ・報連相
    ・単独取材は避ける
    ・取材先の選定は慎重に
    ・家族や知人の紹介は避ける
    フィールドワークで探究は進む

    自宅での冒険・プロジェクト

    ●マイテーマの探し方②
     テーマを決めて、情報を集めて結論を導く作業を研究という
     テーマにならない問いとは?
    ・研究を難しくする8つの誤解
    ・調べさせられ学習、やらされ探究にしない

    ●仲間の学びを助ける
     ソクラテス、かまど番、指南役…先回りはしない
     お互いの添削
    ・研究論文チェックシート

    ●おわりに
     自分は何者か

  • 10代のための本シリーズ。10代の時に出会えたら本当に良かったな。そして、10代の時に読書会に出会えてたらいいのにな、と思いつつ、きっと私の10代はなーんにもしてなかっただろうな

    はい、今回のテーマはマイテーマの探し方で、最近私が考えている「気づきを与える」にドンピシャなテーマでした。

    そんなマイテーマの探し方が研究の進め方みたいな感じだったので、自分のやってきたこと(一応10年以上研究者をやっていました)の振り返りみたいに読んでしまいました。

    あなたはどうしたいのか

    この問いの向き合い方としての研究としての進め方。他人と被らないオリジナルを探すとか、社会のためも考えるとか、マイテーマ探しに一見関係なさそうなことも書かれていて、最初は、うん!?、と思うかもだけど、何周か回るときっと私の存在を感じて、私を信じて突き進めていくための大事な要素だと気づく時が来るんじゃないかなと思います。でも、いつか来るとこを先に言うのはもしかしたら良くないかもしれないですね。いやー、この辺の塩梅はわからない。

    僕のマイテーマはだいぶ固まってきたので、今度は娘のテーマ探しに付き合う日を夢見て、マイテーマを引き続き育てていきます。

    社会の評価と切り離して、テーマを探してもらいたいな

  • 学校の授業で行われる探究学習の実践例であり、子どもたちが自宅で独自に取り組む内容ではないことに注意が必要。学校の授業で探究学習が行われるが、教員側から十分なサポートが得られない場合に参考になる、という本。企画書例やチェックリストは参考になる。
    「失敗しやすいテーマ」ではなくて「取り組みやすいテーマ」を書いてほしかった。また、「こんな探究学習はよくない」という例示も元気がなくなる。なぜマイナスの事例紹介ばかり多いのか。授業をする側としては時間内に多くの子どもに仕上げてほしいという事情があるだろうが、失敗するのも子どもたちには良い経験なので、悪い例を示して回避させるよりは、良い例を見せてやる気を喚起したい。サポートする大人が読んで参考にする分には良いが、子どもには読ませたくない。

  • 【請求記号:375 カ】

  • 分かりやすく、これから論文を書こうとする小、中学生によい内容。

  • 類書が多いテーマながら、探究学習で目指すべき「関心を探究することの価値と楽しさを知る」という精神が、具体的なノウハウに潜む形で示され、明確でぶれがない。しかも、豊かな実践から磨き抜いた簡潔さが群を抜いており、正真正銘の「中学生が読める本」になっている。図書館で借りて読んだが、探究学習について考えるとき手元で参照したく、購入した。

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著者プロフィール

片岡 則夫(かたおか・のりお)
1963年神奈川県生まれ。東京学芸大学大学院修了。神奈川県立厚木商業高校で図書館を利用した授業「大航海」の実践を始め、清教学園において図書館を使った探究学習・論文作成を実践指導、15年間で約3000名のマイテーマ探しを見守ってきた。現在、清教学園中・高等学校探究科教諭・図書館振興財団教育支援担当。「図書館を使った調べる学習コンクール」審査員。著書に、『中高生からの論文入門』(共著、講談社現代新書)、『情報大航海術』(リブリオ出版)、『「なんでも学べる学校図書館」をつくる』(共著、少年写真新聞社)などがある。

「2021年 『マイテーマの探し方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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