東京裏路地〈懐〉食紀行 (ちくま文庫 ふ 34-1)

  • 筑摩書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480421814

感想・レビュー・書評

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  • 新書文庫

  • ハムカツ、やきとん、ホルモン、スルメ、牛炊、腸詰…。高級料理よりもむしろこういった料理に食指が進むのはなぜなのでしょう?この本は焼け跡闇市をルーツにする数々の路地裏「グルメ」を紹介するものです。

    この本に書かれていることは戦後焼跡闇市に端を発する飲み屋街をさまよい歩いてはどじょう、鯨カツ、ハムカツ、やきとん、ホルモン、スルメ、牛炊、腸詰…。そんな料理を肴にしては酒を飲みかつ食らう。そしてひたすらくだを巻き続ける。一言で言うとまぁそういう内容です。しかし、ここに掲載されている飲み屋街の中にはもうなくなってしまった界隈なんかもあって、それを考えると、ある意味では貴重な記録なのかも知れません。僕が見た中で特にうまそうなのは

    「トンもり」といって豚の内臓を刺身で盛り付けられたものと、ドジョウ料理、そして川崎競輪場にあるといわれるホルモンライスがたまらなくおいしそうでした。彼らのいうとおり、こういうところが『大人の遊園地』というべきでしょう。

    この本を読んでいると、新宿はションベン横丁の場末間漂う店でまた酒を飲みたくなります。あのネオンの下でもう一度遊ぶためにいま、必死にがんばろう。そう思う自分がいます。

  • 闇市遺跡として書かれていたことに驚く・なんといっても有楽町、ふるさとのJR最寄駅・・高架下センター“玉菊”のアタリメ味噌漬焼きとガード下“新台北”の鉄鍋餃子 、行ったことはないな・・飲み屋さん?的な・・でも、ふるさとの事は何でも知りたい!

  • ブクブク交換会(2/15、新宿 Be Wave、テーマ「旅」)で採り上げられたお勧め本。

    昨今の創作B級グルメは結構好きですが、ここに紹介される、戦後の闇市で出された「本物の」B級食は、どれも歴史を背負ったすごみがあって、あまり馴染みがありません。

    この本は、それらをこよなく愛する2名が、アングラな町を巡っては、裏路地で舌鼓を打った食べ歩き記録です。

    池波正太郎の格式高い食エッセイのすぐ後に読むには、あまりにも食のクオリティが下がってしまいましたが、どちらもブクブクナイトで紹介された本です。

    紹介される裏路地にも食べ物にも馴染みがなく、さほど興味は湧きませんが、著者二人の闇市グルメに向ける情熱に引きずられるように読みました。

    食べ物紹介だけでなく、東京の町の闇歴史について書いており、その辺りはおもしろく読めます。
    池袋のサンシャイン60は、巣鴨プリズン跡に建てられたというのはよく知られていることですが、巣鴨プリズンで実刑を受けた60名と数が一緒なのは偶然だろうか、と書かれていて、背筋がひやりとしました。

    また、渋谷の「恋文横丁」とは、レトロで素敵な名前だな、その昔、書生さんが女学生を待って、恋文を渡していた場所かしら、と思っていましたが、戦後、菅谷篤二という人が水商売の女性を相手に、米兵へのラブレター代筆業をする「恋文の店」を開いていたことが由来だと知りました。
    今は「スペイン坂」ならありますが、道玄坂の方に、かつて「アメリカ通り」があったそうです。

    どんどん街は再開発されてきれいになり、裏路地が無くなって人の記憶からも消えつつある中で、敢えて失われいく昭和の食べ物にこだわリ続ける様子に、気概を感じました。

  • 闇市グルメ。

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